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第74話、読み終えました……! 主人公の自分の中の“癖”と折り合いをつけてきた自覚とか、「貞淑な妻でいられては困る」っていう本心、ゾっとするけどすごくリアルだと思いました。婚活パーティーに臨むときの“ミッションありき”の緊張感と、それでいて「ふふん」ってちょっといやらしい自信を見せるギャップがたまらない……。蓉子がどんなふうにこの男の計画に巻き込まれていくのか、続きが気になります。設楽理沙さんの心理描写、本当に深いですね。
74 ◇二度目の連絡を受けて
永堀からの二度目の連絡が来たのは立秋を迎えたばかりの頃だった。
この時はじめて、橋本蓉子の名前と容貌を知る。
画像は調査会社から渡された写真からだと聞いた。
10も年上のおっさんからすれば、垂涎ものかもしれぬほどに見た目だけで
言えば、良い女に見える。
だが所詮、人のものを寝取るアバズレに過ぎない。
そんな女と知りながら、婚活パーティーに参加してその女と結婚までしようとしている
俺も大概な人間だな。
自分の中に隠された癖を自覚した時から、普通の結婚生活など
捨てているさ。
ただ、善良な人間を被害者にしちゃあいけないということに思いを馳せられるほどには、
まともな部分もまだ自分の中に残されているってことだな。
だが自分の中から酷薄さもなくなりはしないのが厄介で……。
ずっと自分はこの癖と折り合いをつけて生きてきた。
蓉子が自分の妻になったとき、ずっと一生涯貞淑な妻でいられては困るのもほんと。
俺の本心が願っているのは彼女が貞淑な妻の仮面を脱ぎ捨てて、世間で
いうところのいけないことに走る、それだけだ。
途轍もなく、悪い女でいてくれ──
そんなことを願いつつ、俺は婚活パーティーに参加した。
◇ ◇ ◇ ◇
普通に目的もなく婚活パーティーに参加していたとしたら、とてもじゃないが退屈過ぎて
途中で抜け出していたかもしれない。
だが、今回はミッションありきだからな、気を引きしめて真面目に取り組まなきゃ
ならん。
会場に入り、周囲をそれとなく見回す。
永堀から聞いていた山倉美並と橋本蓉子たちはふたりでまとまっていた。
だから、山倉のことを見知っている俺からすれば、すぐに橋本蓉子が誰なのか、
一目瞭然だった。
じっくりと見たわけじゃないが、周囲の女性陣と比べてふたりはあか抜けており
頭一つ分、抜きんでているという風に見えた。
おそらく、今回の婚活パーティーでの一番人気になるのじゃないかと……。
永堀が折角もたらしてくれたチャンスだ。
失敗するわけにはいかない。
これまでで培った人間力──
もとい女性を惹きつける色気と魅力を存分に出さないとな。ふふん。
◇ ◇ ◇ ◇
30を過ぎ、異性に対して緊張することもすっかり減っていたが──
久しぶりに巡ってきた好機に、渋谷は胸の高鳴りを
星キラリ

2,012
ムメイ
661
まなこ〜友
476
抑えられなかった。