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「ほい着いた!」
「すげー」
何度か危険運転をかましつつ結局は無事。
「うち結構できんじゃん」
「シンプルに才能しかない」
「あざま〜す」
駅でも何でもないところで停めた電車のドアから飛び降りる。
「やっぱ海しか勝たんよね」
「うちらの街海ないしな。ざけんなよ」
「地理に怒んな」
「教科書書き換えてやろうかな」
「どうやってwww」
時刻は午前6時を過ぎる。
ちょっと前まで涼しかったはずなのに、もう蒸し暑くなってきた。
「ちょっくらマジメな話でもする?」
「いいじゃん。いかにも終末って感じで」
「う〜ん…話のネタ探すからちょっと待って」
「うちあんよ」
「じゃあ未来からね」
未来はふふん、と笑う。
「うちバカだから分かんないけどさ、これってうちらが小学生の時から決まってたんじゃな
くて、だいぶ前から決定してたと思うんよ」
「んー?どゆこと?」
「人間って動物が生まれた時くらいから決まってたかもよって話」
「何その仮説。めっちゃ面白いんだけど」
目を輝かせる理子は、科学が好きだ。
「なんか…ほら、彗星だっけ?あれって周期決まってんじゃん。知らんけど」
「それは覚えてねぇな」
「あんな感じで、いつ生まれていつ滅びるかって、決まってたと思ってる」
「あーね」
未来は空を見上げる。
まだ何も見えない、ひたすらに澄んだ空。
「うちね、うちのこと滅ぼすのが人間じゃなくて良かったと思うんだ」
「分かる。人間の戦争とかで死ぬの、ふつーにやだし」
「次理子の番だよ」
「あ、うち?おけおけ」
理子は少々口角をあげ、楽しそうな笑顔になる。
「未来」
「なんだい」
「うち、未来と会えて嬉しい」
「えうちも」
「うちらって今高校生じゃん」
「はい」
「ちょうど、楽しい時期をこの世界で過ごせたわけじゃん」
「確かに」
「だからうち楽しい」
「幸せすぎんだろうちら」
「ね」
会話は途絶える。
理子には理子の考えるところがあって、未来には未来なりの不満がある。
理不尽な未来。
確定した未来。
最悪な未来を約束する、世界の理。
されど。
2人は嘆かない。
全部諦めない。
しっかりとその足で立って、未来を見続ける。
理を破るんじゃなく、範囲内で楽しみ続ける。
最後の、最期まで。