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4話ぁぁぁ
注意は1話と同じ
犯人グループが連行された後の地下室。安室透は、瓦礫の隅に落ちていた一カプセルの「試薬」を拾い上げた。そのラベルには、見覚えのある烏のマークが刻印されている。
「……やはり、ただの密猟団ではありませんでしたか」
安室の隣で、沖矢(赤井)がヘルガーの首元を撫でながら目を細める。
「彼らが狙っていたのは、希少なポケモンだけじゃない。ポケモンの生命エネルギーを抽出し、**『あの薬(APTX4869)』**の適合率を上げるための実験体……。その中には、君のジグザグマも含まれていたようだね、坊や」
コナンの顔から血の気が引く。ジグザグマは不安そうにコナンの裾を噛んだ。
組織は、ポケモンの持つ未知の力を利用して、不老不死の階段を登ろうとしている。
その時、地下室の温度が急激に下がった。
壁を突き破り、漆黒の翼を広げたサザンドラが降臨する。その背には、冷酷な笑みを浮かべたジンが立っていた。
「……鼠どもが、嗅ぎ回りすぎだ」
「ジン……!」
コナンが叫ぶ。ジンのサザンドラが「りゅうのはどう」を放とうとした瞬間、地下室全体が眩い白光に包まれた。
天井を突き破り、オッドアイのレシラムがその巨大な姿を現したのだ。
青い右目がジンの悪意を射抜き、赤い左目が怒りの炎を灯す。
「グルゥゥオォォッ!!」
レシラムの咆哮一閃。サザンドラの攻撃を「しんぴのまもり」で完全に遮断する。伝説の竜の放つプレッシャーに、組織のポケモンたちさえも本能的な恐怖で震えだした。
「……フン、面白い。伝説の『真実の竜』を飼い慣らしているつもりか、探偵」
ジンは不敵に笑い、懐から黒いモンスターボールを取り出した。
「だが、我らが手中に収めた『闇の科学』に勝てるかな?」
ジンがボールを投げると、そこから現れたのは、全身を機械装甲で拘束されたアーマード・ミュウツーだった。かつて灰原が逃がしたはずの個体か、あるいはそのクローンか。
「……まさか、あの時の!?」
阿笠邸から通信越しに見ていた灰原が悲鳴を上げる。
灰原の記憶に蘇ったのは…
とある日の阿笠邸の地下。青白いモニターの光が、灰原哀の冷徹な横顔を照らしていた。
彼女の前にある培養槽には、かつて南米のジャングルで発見された伝説の残滓――ミュウから抽出された細胞が、静かに脈打っている。
「……信じられる? 江戸川君。全てのポケモンの遺伝子を持つと言われるこの小さな細胞一つで、世界を塗り替えられるのよ」
背後に立つコナンは、険しい表情で腕を組んでいた。
「灰原、お前……。まさか、組織でやってたことをまた繰り返すつもりじゃないだろうな」
灰原は自嘲気味に口角を上げた。
「組織はこれを『兵器』として求めていた。私はただ、失われた可能性を証明したいだけよ。APTX4869が『死者を呼び戻す毒薬』だったように……この子は、私たちが失った『自分自身』を取り戻すための鍵になるかもしれない」
彼女がコンソールを叩くと、培養槽内の液体が激しく泡立ち、巨大な人型のシルエットが形成されていく。ミュウの遺伝子を極限まで戦闘特化へと組み替えた、偽りの生命。
「コードネームは……ミュウツー」
その時、培養液の中で一つの瞳がカッと見開かれた。
それは、灰原自身の瞳とどこか似た、深い孤独と知性を湛えた紫の眼光だった。
「……私は、誰だ? なぜここにいる?」
テレパシーが地下室全体に響き渡る。その強大すぎる精神エネルギーに、精密機器がショートし、火花が散った。
「灰原、危ない!」
コナンが駆け寄ろうとするが、ミュウツーが放った見えない衝撃波が彼を拒絶するように押し戻す。
「止めて、ミュウツー!」
灰原は怯むことなく、ガラス越しにその生命体を見つめた。
「あなたは作り物じゃない。私と同じ……望まぬ運命を背負わされて、それでも今ここに生きている。あなたの存在に、私が意味を与えてあげるわ」
ミュウツーの眼光が揺れる。
最強の力を持って産み落とされた悲しき怪物は、自分と同じように「作られた子供」の姿をした科学者の少女に、かつて自分を見捨てた人間たちとは違う温もりを感じ取った。
「……お前も、私と同じ……『影』の中にいるのだな」
暴走しかけたエネルギーが、嘘のように凪いでいく。
灰原は震える手で培養槽のレバーを引いた。溢れ出す液体と共に、最強のポケモンが冷たい床に降り立つ。
「行きなさい。組織にも、誰にも縛られない場所へ」
灰原はそっと、ミュウツーの額に手を触れた。
ミュウツーは一瞬だけ、少女を守るようにその巨大な尻尾で彼女を包み込むと、次の瞬間にはテレポートの光と共に夜の闇へと消えていった。
「……行っちゃったわね」
「ああ。……けど、あいつの目は『復讐者』のそれじゃなかったぜ。お前のおかげでな」
「レシラム、あいつを救い出すぞ!」
コナンの指示に、レシラムが呼応する。
青と赤の瞳が重なり合い、レシラムの尾がオーバーヒートを起こすほどの光を放つ。
「真実を隠す霧も、偽りの鎧も……全部焼き尽くしてやる!」
米花町の地下深くで、伝説の竜と、組織の生み出した禁忌の兵器が激突する。
それは、人とポケモンの歴史を揺るがす、長い夜の始まりに過ぎなかった。
次回
ミュウツーvsオッドアイのレシラム!!
#いじめ