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#ターボー
タボちょん、捏造有り
ちょんまげ視点進行
ターボーと再会した日のことを、僕はきっと一生忘れない。
小学校の頃、いつもキングと先頭に立って走っていたあの背中。日に焼けた肌も、大きな手も、そのままだった。
ただ一つ違ったのは、あの頃よりずっと落ち着いた目をしていたこと。
「久しぶり、ちょんまげ」
その低い声に名前を呼ばれた瞬間、胸の奥がきゅっと締め付けられた。
再会してからの時間はあっという間だった。ターボーが社長をしている会社に誘われて働き始めて、気付けば毎日のように顔を合わせるようになった。昔みたいに笑い合って、他愛ない話をして、それでもどこか昔とは違う空気が流れていた。
そして半年後。
「俺ちょんまげが好きだ。付き合ってくれないか」
真っ直ぐに見つめられて、逃げ場なんてなかった。ただ頷くしかなかった。
付き合って数週間。
ターボーが僕の家に泊まりに来た夜。
風呂上がりにベッドの端に並んで座っていた。濡れた髪を拭きながら、何を話したかなんて覚えていない。ただ、妙に静かで、空気が重くて、でも嫌じゃなくて。
ふと、隣のターボーの手が僕の頬に触れた。
「ちょんまげ」
名前を呼ばれて顔を向けた瞬間、唇が重なった。
びっくりするくらい優しいキスだった。触れるだけじゃなくて、ちゃんと確かめるみたいに、ゆっくりと。
「……ターボー」
名前を呼ぶと、今度は深くなる。
気付けば押されて、ベッドに倒れていた。大きな体が覆いかぶさってくる。逃げようと思えば逃げられる。でも、逃げたくなかった。
なのに。
「……っ、ま、待って」
思わず声が出た。
ターボーの動きが止まる。
「どうした?」
落ち着いた声。呼吸も乱れていない。
それが余計に、僕の焦りを浮き彫りにした。
「えっと…その…」
何を言えばいいのかわからない。
でも、このまま進むのが怖かった。
「……ターボーって、その…男と、したことあるの?」
やっとの思いで聞くと、ターボーは少しだけ驚いた顔をしたあと、首を横に振った。
「ない」
即答だった。
「え…じゃあ、なんでそんな落ち着いてるの」
僕は完全に混乱していた。
経験がないのに、どうしてそんなに余裕なのか。どうして僕ばっかりこんなに不安で、怖くて、でも嬉しくて。 ぐちゃぐちゃだった。
ターボーは少しだけ困ったように笑って、それからまた僕の頬に触れた。
「ちょんまげ」
優しく撫でられる。
「男とやったことはない。でも」
ゆっくりと言葉を選ぶように続ける。
「ちょんまげが痛かったり、辛かったりしないように、ちゃんと調べた」
その言葉に、思わず目を見開いた。
「…え?」
「お前が怖がるのはわかってたから」
まるで当然のことみたいに言う。
「無理はさせない。嫌ならやめる」
その声はどこまでも真剣で、逃げ道をちゃんと用意してくれている。
胸の奥がじんわりと熱くなった。こんなふうに誰かに大事にされるなんて思っていなかった。
「……僕」
気付けば、口が動いていた。
「やりたくないわけじゃない」
寧ろ、逆で。
「好きな人に、初めてをあげたいって思ってる」
自分で言って、顔が熱くなる。
でも、止められなかった。
「怖いけど…でも」
ターボーの目を見る。
「僕のはじめて、ターボーにもらってほしい」
沈黙。
数秒だったのに、すごく長く感じた。
それから、ターボーがふっと息を吐いた。
「……そんな顔で言うな」
少しだけ苦しそうに笑う。
「我慢できなくなる」
そう言いながら、もう一度優しくキスをしてきた。今度はさっきよりも深くて、でもやっぱり優しくて。
「絶対、無理はさせない」
耳元で囁かれる。
「全部、俺に任せろ」
その言葉に、僕は小さく頷いた。怖さが消えたわけじゃない。でも、それ以上に安心があった。
ターボーなら、大丈夫。そう思えた。
その夜。
僕は初めて、自分の全部を誰かに預けた。
怖くて、恥ずかしくて、でもそれ以上に幸せだった。
ターボーの腕の中で、何度も名前を呼ばれて、何度も大丈夫だと囁かれて。
終わったあと、ぎゅっと抱きしめられながら思った。
ああ、この人と再会できてよかった。
この人に、はじめてをあげられてよかった。
「ちょんまげ」
「……なに?」
「好きだ。これからも、ずっと」
少し照れたように言うターボーに、僕は笑って答えた。
「僕も、すき」
彼の胸に顔を埋めながら、僕は静かに目を閉じた。
はじめてをあずけた夜は、思っていたよりずっと優しくて、あたたかかった。
END
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