一覧ページ
教室リーグ~底辺モブ生徒が分析スカウターで超名門校の序列をぶっつぶす~
第41話 - 第41話 【嘘の終焉】影の帝王による冷徹な制裁!死地で覚醒した、人間関係を暴く「禁断の新機能」
2,042文字
2026年05月10日
一覧ページ
2,042文字
2026年05月10日
テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
4,029
れいとうみかん
翌日の放課後のチャイムが鳴り終わったころ。2年4組の教室に異様な空気が流れ込んだ。
教室のドアが静かに開く音がした。
そこに立っていたのは、坂元要介。轟木一派のNo.2。
いつもは落ち着いた雰囲気を漂わせている彼が、今日は違った。
険しい目つきで、教室を見渡す。その視線が俺の肩に突き刺さる。
「音無。ちょっと来いや」
一瞬、空気が止まった。
周囲のクラスメートたちが、俺と坂元を交互に見ている。
なにが起きたのかは分かっていないが、何か普通じゃないことだけは察しているようだった。
俺は椅子から立ち上がり、無言で坂元に従った。足が震えていた。
向かう先は、新校舎の屋上だった。先日、轟木たちと対面した、あの場所だ。
既に屋上には、轟木剛造がいた。
フェンスの影から陽光が差し込み、彼の輪郭を際立たせている。
「来たか」
そう言った轟木の声は、冷え切っていた。
その背後には、坂元と、取り巻きの男たちが数人。
俺は小さく息を飲み、距離を保ったまま立ち止まる。
「三好がな、お前のことをいろいろ言ってたよ」
轟木が静かに切り出す。その声は穏やかに見えて、底が見えない。
「おまえら中学からずっと反りが合わなかったらしいな。あいつお前のこと、ずっとウザがってたってさ」
しまった。そこまで、調べられていたか。
「だからって、三好に復讐するために、長峯を使ったのか?」
「え???違います俺は、ただ」
「おまえ、なんで、長峯が奨学金で入ったって知ってた?本当は知ってたんだろ?」
心臓が跳ね上がった。
「そ、それは」言えない。そもそも、話すわけにはいかない。
俺が持っているこの特殊能力 カーストスカウターのことを。
これは、誰にも話したことのない秘密だ。
家族にも、山中にも、一度も口にしてこなかった。
それほど異常な力――他人の感情や記憶・数値を、視覚的に観測できるこの能力。
常識で説明できる代物じゃない。
だからこそ、言えない。そして仮に――仮に話したとしても、信じてもらえるはずがない。
「は? 人の頭ん中、見たって?お前正気か?」
そんな反応が返ってくるのが目に見えてる。
目の前にいる轟木も坂元も、信じるような連中じゃない。
いや、信じられたら、それはそれで地獄だ。
信じたとしても「それを使って長峯を利用した」その通りだ。――結果は同じ。
それは事実だからだ。
経緯が何であれ、行為の結果として「俺が長峯を使い、三好に罠を仕掛けた」という構図は変わらない。
奏「どう答える???」
ミラー「完全に詰んだな 奏」
追い詰められていたのは、三好だけじゃなかった。
今は俺の方がずっと、言い訳もできない立場に立たされている。
言ったら終わり。言わなくても、終わり。逃げ道が、どこにもない。
喉の奥が、鉄のように重くなっていく。
言葉にならない言葉が、そこに引っかかって出てこない。
ただただ、脈拍だけが、速くなっていた。
俺の呼吸は一瞬止まり、唇が震えた。逃げたい。何もかも投げ出したい。
でも――俺は、逃げられない。誰にも聞こえない祈りが、空へと消えていく。
奏:「ミラーお前は、冷たいやつだ。誰か助けてくれ」
ミラー:「誰も助けには来ない。追い詰められたな」
周囲の視線が、刃のように俺を刺してくる。逃げ場はない。
目の前にいるのは轟木剛造、その背後には坂元要介。
他の子分たちも、すでに戦闘モード。言い訳が通じる空気ではない。轟木がゆっくりと歩を進めながら、静かに口を開いた。
その声は冷え切っていて、妙に落ち着いていた分だけ、余計に怖かった。
「おまえ、あのとき、長峯の奨学金のことも、三好のメモのことも、何のことかわからないって言ってたよな」
坂元が一歩前に出て、俺の顔を真っ直ぐに見据える。
眼光が鋭く、何もかも見透かされているようだった。
「俺らは、お前が嘘をついているとほぼ確信している」
心臓の音が、耳の奥で反響する。全身がじっとりと汗ばんでいく。
言葉が出ない俺に、坂元が一歩近づく。
「はあ?はっきり言えよ!」
乾いた音が響いた。坂元が、俺の頬を軽くはたいたのだ。
「!」
叩かれたというより、「線を越えた」と感じた。
真っ白になりそうな意識の中、必死で言葉を探す。
――そのときだった。右目に、異変。頭の中に鳴り響く無機質な機械音。
「っ!」視界の中心が、ぼんやりと光り始めた。
カーストスカウターが、今までにない輝きを放つ。
まるで、何かが――覚醒するかのように。
《カーストスカウター:新機能解放》
《LEVEL UP》
《人間関係相関図・観測モード、起動》
視界の中に、無数の線が現れる。赤、青、灰色。
それぞれが人物の名前を結び、網の目のように張り巡らされていく。
(三好と坂元は赤。坂元と轟木は太くて青。轟木と長峯も太くて濃い青?)
そのすべてが、意味を持った繋がりで構成されている。利害、忠誠、恐れ、友情――。
名と名をつなぐその線の一本一本が、まるで生きているかのようにうごめいていた。
(これが、人間関係相関図?)カーストスカウターの新機能。
それは、今この場で俺が生き残るための、唯一の光だった。