「素敵な人だから」
「そんなふうに言ってもらえると思わなかったです。さっきの話は……ちょっとガッカリされてしまったかもしれないって思ったので」
久世(くせ)さんは顔を隠していた手をはずし、ほっとしたような、恥ずかしそうな笑みを浮かべた。
「えっ、あっ……」
吸いこまれるように久世さんを見つめていた私は、その言葉にはっとした。
や、やっぱり、私がちょっとショックを受けたことに、気づかれてしまっていたんだ……!
「驚きましたけど……でも、久世さんは久世さんですから。素敵な人だから……いつか久世さんと結婚できる人は、幸せだろうなって思います」
久世さんにガッカリするわけなんてない。
そう伝えたくて微笑んだけど、言った途端、ふいに小さな痛みが胸に走った。
(え……)
自分でもわからない胸の痛みに戸惑っていると、久世さんが続ける。
「それを言うなら、美穂(みほ)さんのほうですよ****************************
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