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「ゲホッゲホッ。」
最悪だ。風邪を引いた。
多分この感じは熱もある。
このまま行って皆に移したらまずい。
俺はぼーっとする頭でグループラインに連絡をした。
休め、と言われたので今日は1日休むことにする。
申し訳ない。今日は3人で仕事だったのに。
熱を測れと元貴に言われたので測ってみる。
37.6度。
そこまで高熱ではないがしっかり熱はあった。
一応体温を報告しておく。
お大事にとすぐ返ってきた。
その後すぐ涼ちゃんから個人に連絡が来た。
大丈夫?と。
まだ動ける範囲だったため大丈夫と返した。
とりあえず一旦寝よう、そう思い布団にもう一度入った。
3、4時間は寝ただろうか。
さっきよりも怠さが酷くなっている。
熱が上がった、直感ですぐ分かり体温計を脇に挟む。
38.0度。
高熱になってきた。
さすがに頭も痛くフラフラする。
解熱剤に頼りたかったがよりにもよって薬がない。
とりあえず水分をたくさん取っておこう。
そう思って重い身体を無理矢理動かして冷蔵庫へ向かった。
しんどい。シンプルにそう思う。
こういう時の一人暮らしはきついものがある。
食べ物も風邪の時に食べるようなもはない。
どうしようか、そう考えていた。
布団へ戻りグループラインに熱が上がった事を報告する。
待機時間なのかすぐに既読が付き、個人から連絡がきた。
涼ちゃんだ。
ー今日寄ってもいい?ー
と来た。
移してしまう。真っ先にそう思った。
ー移っちゃうから真っ直ぐ帰りなー
俺はそう返信をする。
ー大丈夫。マスクもしていくから寄らせてー
涼ちゃんは1度感染症にかかっている。
2度目はかかりやすいと聞いたことがあった。
だから余計に移したくない。
かと言って来て欲しいのは事実。
ー絶対マスク外しちゃダメだよー
と返した。
すぐにありがとうと返ってくる。
涼ちゃんが来てくれる。
フラフラだが嬉しさが止まらなかった。
ー寝てていいよ、合鍵使うねー
そう追加で連絡が来た。
俺はお言葉に甘えて涼ちゃんが来てくれるまで眠る事にした。
長い時間眠ったようだ。外がもう暗い。
何か頭に違和感がある。
おでこを触ると冷えピタが貼ってあった。
涼ちゃんだ、ぼーっとする頭でもすぐに分かった。
そしてガチャ、と静かに寝室が開き涼ちゃんと目が合った。
「あ、若井。」
起きたね、とこちらへ来る。
「大丈夫、じゃないよね。熱測ろうか。どっか辛いとこある?」
涼ちゃんは体温計を渡しながら俺に聞いた。
俺はガラガラの声で答える。
「あたまっ……ゲホッゲボっ。」
咳をしながら体温を測る。
「頭痛いね。何か食べられそう?ゼリーとかプリンとか買ってきた。りんごとお粥とうどんも一応。 」
そう言って俺の頭を撫でる。
気持ちいい。もっと撫でて欲しい。
そう思っていた時に体温計が鳴ってしまった。
脇から体温計を取り出し数字を見る。
38.7度。
久しぶりにここまでの数字を見た。
「高いね。辛いね若井。ちょっとだけ食べられそう?解熱剤飲もっか。」
涼ちゃんは優しくそう言った。
食材だけでなく薬も買ってきてくれたのか。
「う、んっ……。ゲホッ。プリン、たべたい。」
出しにくい声で涼ちゃんにそう答える。
分かった、ちょっと待ってて。と答えて寝室から出ていく。
取りに行くだけなのに行かないでと言おうとした。
そばにいて欲しい。移してしまう心配よりも。
涼ちゃんはプリンと健康飲料を持ってすぐに戻って来た。
「お待たせ。今開けるから。」
と健康飲料を傍にあったテーブルに置いてプリンの蓋を開けた。
スプーンの持ち手を俺の方へ向けて
はい、と渡す。
俺はありがとうと返事をして頂きます、と食べ始めた。
久しぶりに食べたプリンは美味しかった。
今度は体調がいい時に食べたい。
全部食べて涼ちゃんに食べ終わった容器とスプーンを預かってもらって薬を飲んだ。
「横になろっか。寒くない?」
涼ちゃんは布団を持ちながら言う。
「ん、大丈夫。」
そう答えてまた布団へ戻る。
涼ちゃん帰っちゃうかな、なんて思いながら。
「ね、若井。別の部屋で寝るし換気もするから、泊まっていい?」
涼ちゃんは俺に肩まで布団をかけてそう言った。
嬉しい。一緒には寝られないけど涼ちゃんがいてくれる。
「ん……、いてほしい……。」
俺は素直にそう答えた。
涼ちゃんはありがとうと優しく俺を撫でる。
「ね、涼ちゃん……。全部完全に治ったら……いっぱいハグもキスもさせてね……。」
本当は涼ちゃんとイチャイチャしたい。
でも移すのだけはしたくない。
俺は弱々しく涼ちゃんに言った。
涼ちゃんは「うん、いいよ。」と微笑む。
「寝ちゃいな、若井。」と撫でながら続けて言う。
涼ちゃんがいる安心感と撫でられている気持ちよさで眠くなってきたのが伝わったのであろう。
「ん、ありがとう、涼ちゃん……。おやすみ……。」
俺は安心して目を閉じた。
「おやすみ、若井。」
俺は大好きな優しい声を聞いて眠りについた。