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「おはようございます。」
俺は教室に入る。クラスメイトがこちらを向いて手を振ったり、挨拶を返してくれたり、一部の人はこちらを見ることもしない。
俺は席について授業を受けたあと、お昼休みになり、お弁当を広げる。
「はあ……。」
俺はため息をついた。なんで担任なんか好きになってんだか。そんなことを考えては、お弁当を食べ終えて、屋上に向かう。
屋上に着くと、運動場の隅っこ、屋上からじゃ見れないような死角に、担任の渡邉陽翔と校内一の美人と言われる女性と一緒にいた。渡邉陽翔は女性を捨てている。女性はそれでも恍惚とした表情だった。
「気持ち悪……。なんだあの先生……。」
俺はその日の放課後、担任の元へ行く。
「お、どうした?木下が来るなんて珍しい。進路の話でもしたいのか?」
俺は首を横に振った。
「違います。お昼休み、女性と一緒にいましたよね?どうして投げ捨てたんですか。」
渡邉陽翔はくす、と笑う。
「なんだ、そんなこと?…飽きたんだよ。捨てた。それだけだ。お前も男だしいずれ分かる事だ。」
俺はその一言に言葉を失う。
これが、俺の担任……なのか……?
「そう、ですか。」
俺はそれだけ言って家に帰る。
俺はベッドの上で考えた。なぜ、あんなのが先生になれたのか。俺はなんであんなクズの代表のような男を好きになったのか。いや、そもそも俺って男もいけたのが怖すぎる事実に恐怖を覚えるまでもある。
とりあえずこれは何も考えないようにしよう。その方がいい。
次の日、俺は先生の元へ行く。今思うと、先生の元にばっかり行くのが、習慣にさえなっているような気がした。
「先生、おはようございます。」
「ああ、おはよう。木下。」
周りに誰もいないからか、俺の頭を撫でる。
「今日はどうした?」
「先生。俺……あなたを振り向かせてやります。クズ男じゃなくなるように。覚悟してください。」
渡邉陽翔は驚いたような顔をしたが、くす、と笑う。
「ああ、だめだぞ、そんなの。まあ、受けて立つけどな。」
そうして、俺は渡邉陽翔を振り向かせるために、日に日にアピールを始めていくのだった。