赫視点
人間ってのは直ぐに裏切る。
そりゃあ勿論、俺も例外じゃない
勝手に期待して、されて。
その期待の分だけ裏切り、裏切られる
そう思ってた。
だから、いつしか俺は
『期待することをやめていた』
赫「はーい、お疲れ〜」
こうして俺は活動仲間と別れを告げると同時に席を立った
ふと、窓の外を見ると先程までは穢れ一つもない水色だった空も今は澄んだ黒色に変わっていた
赫(そこまで活動に没頭してたなんてな…)
最近は登録者数も伸びてきて、おまけに活動も楽しくて。
俺からしたら良い方にしか進んでいない…
そう思いたかった
赫(んー…コメ欄でも見るか…)
一つ伸びを軽くし、パソコンに目を向ける
活動というものは微かにでもファンが居てくれることが最大の支えになる
だが、その実態はそこまで甘くない
赫「っ……」
俺の場合、動画に付くコメントの多くが演じているキャラの事
本人へのメッセージが綴られたコメントは全体のごく一部に過ぎない
悪い言い方をすれば、仮面を着けた俺の姿しか称賛されない事と同じ
そんな中、目についた一つのコメント
『動画は面白いけど本人には誰にも興味がないよね』
赫「興味が無い……ねぇ…」
俺はそっとパソコンを閉じた
年月は息を吐く暇も無く、過ぎ去っていった
時が進むにつれて、俺にのしかかるのは重いものばかり
共に歩み始めた活動者は少しづつ闇の中へと消えていく
俺もいつかそうなるのかという不安が日を重ねるごとに募っていく
赫「俺も変わんねぇといけねぇのかなぁ……」
独り言を溢しながらスマホをいじる
ネットが世に普及した今、流行っているものなどクリック一つで調べられる
数分間、調べ続け俺がたった一つ引っかかったのは
『歌い手グループ』
この文字だった。
歌う事に対して、抵抗は無いし、寧ろ好んでいる程である
だが、俺が拒む理由は別だ
俺がグループ活動を良く思わない理由。
それは、「共に活動を行う事」
人間はいつ期待を裏切るか、予想できない
俺だって同じことが言える
そんな日々の中で、俺は誠心誠意活動を行えるだろうか
でも、そんな歌い手グループが伸びているのは確かだ
ただ、もう一つの問題が俺の中で生まれていた
赫(グループつっても、何したら良いんだよ…)
俺が中心となって、人を集めるなんて
そんな事できる訳がない
赫「あ〜!もうわかんねぇ!」
勢い良く背もたれへ寄りかかる
暫く天井を眺めていたが、再びスマホに目を落とす
その画面に映っていたのは歌い手オーディションの字だった
赫「え…これって桃と…緋さん…?」
賽と星のリーダーである二人が動画のサムネイルに映っている
無性に気になってしまいこのオーディションについて調べる
赫「今も……募集中だ…」
様々な不安が脳裏をよぎる
赫「……やるだけ…やってみるしかないな…」
これが、俺の大きな一歩となった事が分かるまではまだ遠い
はい、どうも。主です✌️
記念すべき第一話。
投稿頻度遅すぎて萎えます()
まぁ推しが赫さんという事なので書きやすかったちゃあ書きやすかったです
いや、別に他メンが書きづらいとか、そういったことは全くもって無いですよ。
てことで、次回。
瑞さん回となりまーす
お楽しみに。
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