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「最近、少しおかしい。」
すいは、誰きも聞こえない声で呟いた。
ひなは、ずっと誰かを笑わせている。
いゔは、優しいのに、何も感じていないみたいで。
のあは、愛されているはずなのに、満たされていない。
「……….これって」
「本当に”叶ってる”のかな」
「ねぇ、笑って?」
ひなの声が響く。
目の前の人の口元が、無理やり引き上げられる。笑っている。
でも、その目は、泣いていた。
「それ、……….違うよ」
思わず零れた言葉に、ひなは振り向く。
「え?何が?」無邪気な声。
すいは、言葉を飲み込んだ。
__自分も同じだから。
守ったはずだった。
それなのに誰かが倒れた。
「……….っ」
胸が痛い。
少し離れた場所で、のあが誰かに手を伸ばしてた。
「好き」 感情のない声。
のあは、静かに笑う。
「ほらね、簡単でしょ?」
でも__
「……….ねぇ」
「それ、本当に?」
空気が止まる。
「……….やめて」
どこからか、声がした。
すいは振り向く。
「……….今、誰か」
誰もいない。
それでも、確かに聞こえた。
のあの前に、るあが立っていた。
「……….また、それやってる」
「あんたには関係ないでしょ」
のあは冷たく言い放つ。
「愛が欲しいだけなの」
「それの、何が悪いの?」
「……….本物じゃない」
るあは小さく言う。
「それじや、意味無い」
「じゃあちょうだいよ」
のあの声が揺れる。
「本物の”好き”を私にくれる人なんて居ないの」
「だからこうするしかないでしょ」
るあは少しだけ目を伏せる。
「……….それでも」
「違う」
その一言で、空気が壊れた。
遠くでひなが笑う。
「ねぇ、笑ってよ?」
いゔが無表情で言う。
「大丈夫?」
誰かが言う。
「好き」
笑顔
優しさ
愛情
全部あるはずなのに
すいは、震える声で呟いた。
「ねぇ……」
「これが、”幸せ”なの?」
その瞬間、るあの姿が、ゆっくり薄れていく。
「……….っ」
のあが手を伸ばす
「待って……….ッ」
るあは小さく笑う。
「……….ごめんね..ッ」
消える__はずだった。、
「…え」
のあの指先が、何かに触れる。
ほんの一瞬だけ。
確かに、そこに”いた”。
るあの目が、わずかに見開かれる。
「……….なんでッ」
次の瞬間、完全に消えた。
静寂だ。
「……….今、」
のあの手が震えている
「……….触れれた。」
頬を涙が伝う。
それでもほんの少しだけ笑う。
「……….じゃあまだ」
遠くで、ひなの声がまた響く。
「ねぇ、笑って?」
いゔは変わらないまま立ってる。
でも
「……….すい」
小さく名前を呼ぶ。
その声だけ、ほんの少しだけ揺れた。
すいは立ち尽くしたまま、呟く。
「…….今、何が起きたの」
風が吹く。
誰もいないはずの場所。
「……….守りたい」
小さな声。
「でも」
その違和感だけが、強く胸に残った。