テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

(日向が転校して来てから2ヶ月

春高予選が終わり、兵庫の代表となった稲荷崎高校)

【放課後・帰宅途中の道端】


(夕暮れが街をオレンジ色に染める中、日向のポケットでスマホが震え続ける)


📱通知音:ピロンピロンピロン……


🏐日向(スマホを取り出して画面を見つめる。画面には「佐久早」と「古森」の名前がずらりと並んでいる)

「……やっぱり……」


(胸の奥が少しざわつく。歩きながらも、指先は通知をスライドさせるが、すぐに止める)


侑(横から小声で)

「おい……出んでええんか?返信せんのか?」


🏐日向(淡々とした声で)

「あぁ……大丈夫」


角名倫太郎(軽く眉を寄せて)

「本当に大丈夫か?なんか、顔に出とるぞ」


治(腕を組みながら)

「翔陽……まさか、元カレに未練あるんちゃうか?」


🏐日向(少し俯いて、声を小さく)

「……あいつらのこと、嫌いになったわけじゃない。……本当は、俺、別れるなんて言ってないんだ」


(歩きながら、心の奥にしまい込んだ罪悪感が押し寄せる)


🏐日向(自分に言い聞かせるように)

「勝手に姿を消しただけ……。逃げて来た、俺が悪いんだ……」


(スマホに届いた佐久早からのメッセージを開く)


📱佐久早「翔陽、何で連絡もせずに……本当に消えるつもり?」

📱佐久早「俺はまだお前を待ってる。ちゃんと話そう」


(古森からも短文で通知が飛ぶ)


📱古森「翔陽、ねぇ返信してよねぇ!翔陽は俺の事好きだよね? 」


(心が揺れる。日向は軽くため息をつく)


🏐日向(小声で)

「……俺、本当は逃げたくて消えただけなんだ……でも、二人のことはまだ……」


(後ろで侑と治が静かに様子を見守る。角名は少し不安げに日向を見つめる)


侑(小声で治に)

「……やっぱり未練あるんか……?」


治(苦笑混じりに)

「しょうがないな……でも俺らがちゃんと支えたらええんやろ」


🏐角名倫太郎(そっと日向に寄りながら)

「翔陽、落ち着け俺がおるから」


(夕暮れの風が、スマホの通知音と混ざり合いながら、日向の胸の中の葛藤と、四人の距離感を静かに包む)


🏐日向(少し微笑み、しかし心の奥で揺れる)

「……ありがとう、倫太郎。……でも、どうしたらいいんだろう……」


(スマホは鳴り続ける。通知を無視するのも返すのも怖い。けれど、彼の心には侑、治、角名の存在がじわじわと支えになっていた)


【稲荷崎高校・放課後 体育館】


🏐監督

「翔陽、侑、ちょっと報告がある。お前ら、ユースに呼ばれたぞ」


🏐日向(落ち着いた声で)

「……わかりました」


侑(目を丸くして)

「え、マジ!?俺も!?」


🏐監督(うなずきながら)

「そうだ。お前ら二人の実力を認めてもらった。数日後、ユース合宿に参加してもらう」


🏐日向(小さく頷き)

「了解です」


(数日後、日向と侑は東京行きの新幹線に乗り込み、ワクワクしながら合宿先へ向かう)


【ユース合宿先・到着】


(到着すると広い施設、体育館の大きさに二人は少し圧倒される)


🏐日向(少し微笑みながら)

「侑、先に体育館行っといて。俺はちょっとトイレ行って来る」


侑(軽く頷き)

「了解。じゃあ、後でな」


(侑は体育館へ向かい、日向は少し距離を置いてトイレへ向かう。廊下には合宿のワクワクした空気と、他の選手たちの練習の声が響く)


🏐日向(小声で自分に)

「……ここからが本番だな」


(体育館の音、シューッというシューズの音やボールの弾む音が遠くから聞こえる中、日向は冷静に呼吸を整えながら合宿初日を迎える準備をする、 ドアを開けると、なんと自分が最後だった)


(しかし目に飛び込んできたのは、見覚えのある二つの顔――佐久早と古森。侑は荷物を置きに行っており不在だった)


🏐日向(思わず後ずさりし、声も出せずに目が合う)

「……!」


古森(にやりと笑いながら一歩近づく)

「見つけた……俺の可愛い翔陽♡」


🏐日向(焦りながら、少し震える声で)

「……ごめん、俺行くね」


(そのまま立ち去ろうとした瞬間、佐久早の手がしっかりと日向の腕を掴む)


🏐佐久早(低く、強引な声で)

「行くな……俺から離れるな」


(佐久早は腕を引き、日向を自分の方へ寄せる。そのまま腰に手を回され、体が密着する)


🏐日向(心臓が激しく打ち、言葉を失う)

「……っ……!」


(次の瞬間、佐久早の唇が日向の唇に重なる。驚きと戸惑いが入り混じり、頭の中が一瞬真っ白になる)


🏐日向(必死に冷静を取り戻そうとする)

「…んッハァン..クチュヌチュ…プハッ…」


(しかし佐久早は力強く腰に手を回し、離さない。古森もにやりと近づき、日向の腕や肩に軽く触れる)


古森(甘く、挑発的な声で)

「翔陽……逃げられると思った?」


🏐日向(顔を赤くしながら)

「……俺……もう、行かないと……」


(佐久早の唇の感触が頭をぐるぐると支配し、日向は一瞬立ち止まる。体は抵抗したいのに、感情は揺れてしまう)


佐久早

「何で逃げた、俺達ちゃんと大切にしてただろ」


日向

「….」


古森(少し震えながら)

「ねぇ翔陽..俺から離れないでよ…」


(突然、体育館のドアが勢いよく開き、侑の声が響く)


「翔陽君!探したで…..は?何してん」


佐久早

「誰?」


「ええから早よ翔陽君離せや」


佐久早

「……翔陽は俺のもんだ。誰にも渡さねぇ。……逃げたって、絶対に捕まえる」


(佐久早の腕は鋼のように硬く、翔陽の細い手首を逃がさない)


🏐日向(少し顔をしかめ、必死に声を出す)

「……佐久早、痛い……やめろ」


佐久早(目を細めてさらに距離を詰める)

「嫌だ。……お前がいなくなって、どれだけ俺が狂ったか知ってるか?……古森も俺も、お前がいないと壊れるんだよ」


(佐久早の手は翔陽の腰に回され、体を自分に押し付けるように抱きしめる)


古森(楽しげに)

「そうそう、翔陽……俺らから逃げても無駄。俺らを依存させたのはお前だろ?」


(翔陽は顔を赤らめ、必死に冷静を装いながらも、心の奥底で二人への未練が疼く)


🏐日向(震えながら小声で)

「……俺は、もう……自由でいたいんだ……」


(しかし佐久早は首を振り、耳元で囁く)


佐久早

「ダメだ。翔陽は俺らだけを見てりゃいい。この金髪にも、誰にも渡さねぇ……」


(その言葉に翔陽の胸がざわつく。苦しいのに、心の奥で“まだ嫌いになりきれていない自分”がいることに気づいてしまう)


🏐日向(心の声)

「……やめてよ……なんで、俺まだ……」


(その瞬間、侑が一歩踏み出し、怒気をはらんだ声で)


「いい加減にせぇ!!翔陽が嫌がっとるやろ!放せ!!」


(侑は佐久早の腕を掴み、翔陽を無理やり引き離そうとする。佐久早と侑の視線がぶつかり合い、火花が散るような緊張感が走った)

日向 翔陽の束縛彼氏

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

3,075

コメント

4

ユーザー
ユーザー

いいですねぇ✨️ 佐久早と古森が元カレか… あの潔癖の佐久早が抱きつくぐらい仲良かったんですね… 続きの展開が楽しみです!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚