TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
シェアするシェアする
報告する

過去編


『まぁ…話しますね』

《聴きたい…》

【俺も、ずっと気になってた】

『じゃあ…』

『time reap』


ずっと昔、13年前。

『お母さん!競技場…行ってみたい!』

昔の自分は、無邪気で、年相応の子供、という感じだった。

競技場で、魔法を出している人に心を惹かれた。

競技がない時はフリーで使用できる為、母親にせがんで、グラウンドに降り立った。

ずっと観ていたアニメのように、呪文を唱えた。

誰も、俺には興味がない。当たり前だ。だってこんなにも幼い子供が魔法を出せるなんて、思ってもみないから。

でもその瞬間、最大火力の雷が、轟音と共にグラウンドに落ちた。

落ちた所だけ、現実離れしたパラレル空間のように、抉れていた。

この時は知らなかった。

この能力のせいで、後悔する事を。

大人に称賛される毎日。別に嬉しくもなかった。周りの子供とも、上手く仲良くなれなかった。

でも、母さんに褒められるのは、嬉しかった。


小学校に上がり、何もない、平凡な日々を過ごしていた。母親の為に、土日は競技場に通い詰めていた。

忘れもしない、3年の春。友達もできて、平凡だけれど、少し楽しい日々だった。

でも、あの日、俺は変わってしまった。

先生〔おんりー君…言いづらいんだけど…貴方のお母さんが…〕

『は…?』

空気が凍りつく。その空気感を掻き分け、ランドセルも持たずに、先生に止められても全速力で教室を、学校を出た。

ひたすら走って、病院に向かう。医者と警察官に告げられた事はただ一つ。

〔お母様は、残念ながら…〕

もう聴きたくない。嫌だ。母さんは…居なくなっちゃうの?

警察官が言っていた…あの警察署に行けば…殺せる?

あの頃には、純粋な子供ではなく、狂った子供へと、変わってしまっていた。

警察官の静止を振り切って、走って病院を出て、近くの警察署に。

この事故は、とても大きな交差点で起き、沢山の人が怪我をした。

でも、亡くなったのは母さんだけだった。

警察署の周りには野次馬、レポーター、警察官が集まっていた。

鬱陶しい。

『全員死ねばいいのに。』

口から出た言葉に驚く。

『warp』

そう唱え、犯人が1人の部屋に向かう。外には警備も居たが。

犯人〔お前は…?〕

『あは、名乗るわけないじゃないですか。だって名乗ったら…』

僕も犯人になってしまうので。

そう言って、

『poison』

と呟く。奴は目の前でのたうち回る。

『お前は…俺から何もかもを奪ったんだ‼︎』

『母さんを…返せよっ‼︎』

思わず手が出る。奴は拳に当たり、そのまま倒れる。

『あれ…?あはは、こいつ…死んだ…?』

警察官〔誰か居るのか⁉︎〕

まずいっ‼︎大急ぎでワープする。

『warp』

屋上に出て、ホッとして座り込む。

何もせず、3分くらい座っていた。

警察官〔は…?少年?〕

『あ、警察』

警察官〔こういう者なんだけど、ちょっと君さ、着いてきてくれない?〕

嫌っ…母さんに…会わないとなのに…

空を飛ぼうとすると他の警察官に取り押さえられる。

『痛った⁉︎』

警察官〔君…?〕

『っ…離せよっ‼︎』

そう言った瞬間に、屋上に雷が落ちる。

轟音と共に、焦げ臭い匂いが充満する。

警察官〔何っ⁉︎お前…〕

怯んだ隙に逃げ出し、柵を飛び越える。瞬時に翼が生え、空に浮く。

あれ…?魔法唱えてないのに。あれ…使おうと思っていないのに。


屋上。少年がいた。深緑の所々はねた髪、黒縁のメガネという、おとなしそうな子供だった。

でも…犯人が居た部屋にいた少年と、完全に一致している。彼は犯人を殺したのだ。それを、防犯カメラが捉えていた。

応援を呼び、押さえつける。少年はひどく抵抗する。

でもどうせ子供の力…そう舐めていられるのも、一瞬だった。

瞬時に雷が落ち、轟音と共に、焦げた匂いが充満する。

そして、床は酷く抉れていた。驚いた隙に、少年は柵を飛び越える。

そして、彼の背中に瞬時に翼が生える。

彼の瞳は、大人しそうな、美しい深緑の瞳だった。ただ、空にいる、今の少年は…

片目が、赤く光り輝いていた。

表情もなく、ただこちらを見つめて、そのまま空へと上昇していった。

自分達は、少年相手に敗北し、唖然とするしかなかった。


快晴で、あたり一面真っ青な空。

『母さん…』

上には、雲がある。あれ、地上からは見えなかったのに。

母さん…?いるの…?

疑問が頭を回る。今の高度は約200m。地上がかろうじて見えるくらいだ。

鬱陶しいな。人々はこちらを見つめてくる。周りにはヘリが飛んでいる。

その中でも、ただ1人。孤独。

あーあ。全員、この世から消え去ってくれないかな。

そんな事を思っていると、快晴だった空が一気に曇り始め、自分の周りにはよくわからない物体が取り憑く。

一瞬で大雨が降る。

あはは。惨めだなぁ…苦しんでほしいなぁ…

雷が激しく鳴り、また街に落ちる。

風もとても強くなる。

あれ…?体が濡れない。周りに紫色の、魂のような物が取り憑く。手を前に出し、降ってきた雨粒が手にかかる。それを引き寄せる。

『片眼が赤い…?』

雨粒が反射し、自分の顔が映る。そう。普段は深緑色の瞳が、紅のような色に輝いているのだ。


ずっと昔に読んだ本。

『異能力を持つ人は、本当に心が揺るがされる事が起きた時、覚醒しますーーーー』


覚醒…?なぁんだ、そういう事か。くだらない。

上昇をしようと、風を蹴る。すると、誰かの声が。

警察官〔おい!そこの少年‼︎投降しなさい‼︎〕

はあ…鬱陶しい。

『なんなの?嫌だよ。鬱陶しいなぁ。』

自分の気持ちを表しているかのように、遠くで雷鳴がする。

〔いいから…こっちにきなさい!〕

『煩いっ‼︎静かにしてよっ‼︎』

怒鳴ると、また近くでこれまででも一番大きい雷が落ちる。ビルが、炎で包まれる。

『なんなんだよ…みんな俺から全てを奪うくせに…‼︎』

『なんで…俺のせいになるんだよ…』

『母さんを…俺の大切な人を返せよっ‼︎』

その瞬間に強風が起こる。警察官達が乗ったヘリは風によってどこかへいってしまった。


1人。涙がこぼれ落ちる。母さん。母さん。母さん。必死に探して、探し続ける。

居ないと、わかっているのに。

前を向く。遥か遠くに、黒い髪の、ワンピースを着た人がいた。母さんと一緒だ…すると、その人は、ふふっと笑った。その瞬間に、大きな声で泣いてしまった。

ごめんなさいっ…心の中で、ずっと謝っていた。


その後俺は警察に向かい、全てを話し、解放された。あの日から、魔法が使えなくなった。


『って感じです。』

「なんか…人間離れした人生だなあ…」

【ニュースになってたよね〜】

《お母さん想いなんだな。》

〈おんりーの事、教えてくれてありがと‼︎》

『あははっ…まあ面白くなかったと思いますけど…』

いや何が面白くないだよ。そう思う昼過ぎだった。


いぇい⭐︎続けようか完結しようか考え中w

loading

この作品はいかがでしたか?

118

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚