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#ホラーゲーム
りと。@ねむねむ中(=o=;)
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#STPRファミリー
第5話 植物と影
(グロ表現注意⚠️)
草木の茂みが、がさがさと大きな音を立て、一斉に揺れた。
――次の瞬間。
視界を埋め尽くすほどの魔物が、四方から溢れ出した。
「……なんや、これ……。」
俺は声を失った。
一匹、二匹どころじゃない。
木の陰から、地面の下から、次々と這い出してくる。
赤く光る目が、無数に俺たちを囲んでいた。
低い唸り声が幾重にも重なり、地鳴りのように響く。
空気そのものが、震えているみたいな感覚。
肌がピリつく。
「……壮観だね。」
じゃぱぱが、笑った。
――こんな状況で?
その余裕に、少しだけ感心する。
「思ってたよりずっと多い…たっつんさん、動かないでね。すぐ終わるから。」
のあちゃんの声も、落ち着いていた。
「わ、分かった……!」
震える手を握りしめ、俺はゆっくり後ずさった。
――その時。
一匹が真っ先に飛びかかってきた。
「――遅い。」
じゃぱぱの影が地を這い、瞬時に無数の刃へと変わる。
刃を振るう、というより、ただ影を広げただけ。
それだけで、正面にいた数匹が一瞬で切り裂かれ、消えていく。
しゅーっ…と微かに魔力の霧を残して。
「え……強っ…。」
俺は目を見張った。
斬撃の音すら、聞こえなかった。
まるで、そこに最初からいなかったみたいに。
「私も、負けてられない。」
のあちゃんが、地面に手をつく。
瞬間。
地中から無数のツタや根が飛び出し、瞬く間に太く、長く成長していく。
ツタは生き物のように、魔物たちの足に絡みつき、締め上げていく。
「……っ、ぐるる……!」
ツタが眩しく光る。
魔物の唸り声が、悲鳴じみたものに変わる。
根が締め付ける音――ミシミシと軋む、生々しい音。
地面に生き血のような色をした樹液が滲み出す。
いや、樹液と鮮血が混ざっているのかもしれない。
こんなグロい想像なんてしたくなかったのに。
鉄と土が混ざったような生臭い匂いが辺りに広がった。
真っ赤な液体が俺の足元まで染みてきた。
「あ……あ………。」
冷たい汗が額を流れ、呼吸が乱れる。
頭がぼーっとする。
あれ…なんだか視界がおかしい。
なのに、視線が…逸らせない。
「見るな。」
じゃぱぱが後ろから俺の目を自身の手で覆った。
もう片方の腕で俺の震える体を押さえつける。
じゃぱぱの熱が背中越しに伝わる。
真っ暗闇の中でミシミシという生々しい音と魔物の悲痛な唸り声。それと、どくっ、どくっ、という心臓の音だけが鮮明に聞こえた。
しばらくすると音は止んだ。
俺は少しだけ冷静さを取り戻す。
「もう…大丈夫?」
「うん、もう大丈夫だよ。」
じゃぱぱが俺の身体からゆっくり手を外す。
魔物が数匹地面に倒れている。
「まだまだ。」
のあちゃんがぱちん、と指を鳴らす。
根に絡め取られた魔物たちの周囲に、白い霧のようなものが漂い始める。
――胞子。
甘い匂いが、ふわりと鼻をかすめた。
少しだけくらくらする。
花のような、少し危険な甘さ。
魔物たちが匂いを嗅いだ瞬間、だんだんと動きが鈍くなっていく。
一匹、また一匹と、糸が切れたようにどさっ、とその場に崩れ落ちていった。
「……眠らせたん……?」
「うん。動けないところに、これだけ魔力を吸えば十分。」
のあちゃんの根が眩しく光り、崩れ落ちた魔物たちから何かを吸い上げているのが分かった。
魔物たちの身体が、みるみる萎びていく。
「……えぐいな……。」
俺は、思わず後ずさった。
のあちゃんの可憐な見た目からは想像もつかない光景だった。
「褒め言葉として受け取っとくね。」
のあちゃんが、ふふ、と可愛く笑う。
――のあちゃんだけは敵に回さないほうがよさそうだ。
かなり数は減ったが、魔物はまだ、数十匹も残っている。
でも、じゃぱぱとのあちゃんの動きに、焦りは一切なかった。
「のあちゃん、右側お願い。」
「了解。」
じゃぱぱの声に、のあちゃんが即座に反応する。
息を合わせたことなんて、一度もないはずなのに。
まるで、何度も一緒に戦ってきたみたいに、二人の動きが噛み合っていく。
影が薙ぎ払い、根が絡め取る。
逃げ場を失った魔物たちが、次々とその場に沈んでいく。
――でも。
俺は、ふと違和感を覚えた。
残った魔物たちの目。
俺だけを、見ている。
じゃぱぱでも、のあちゃんでもなく。
――俺だけを。
「……なぁ。」
俺は、思わず声を漏らした。
「こいつら、俺のこと――」
その時。
一匹が、驚くほどの速さで俺との距離を詰めてきた。
咄嗟に顔の前に腕を出す。
「っ……!」
冷たい爪が、俺の腕を掠める。
鋭い痛みが走った。
視界の端に、赤いものが滲む。
自分の血の匂いが、鼻の奥に広がる。
またあの、鉄のような、生々しい匂い。
「――たっつんさん!」
「たっつん!!」
二人の声が重なった。
次の瞬間。
俺に触れかけた魔物は、影の刃と根の両方に、同時に貫かれていた。
ぐしゃっという湿った音が響き、赤い液体が飛び散る。
咄嗟に目を瞑る。
一瞬の出来事だった。
「……大丈夫?」
じゃぱぱが、真っ先に駆け寄ってくる。
ゆっくり目を開く。
その顔から、さっきまでの余裕が消えていた。
こんなじゃぱぱは初めて見た。
「……大丈夫!ちょっと、掠っただけや……。」
俺は、腕を押さえながら苦笑いする。
じゃぱぱの手が、震えているのが分かった。
「ごめん……。」
「なんで謝るん。お前らめちゃくちゃ強かったやん。」
「でも――」
のあちゃんが最後の一匹にとどめを刺す。
ざしゅっ、という鋭い音が響く。
それからゆっくりと近づいてきた。
のあちゃんが、静かに言う。
「戦闘は終わったよ。早く傷の手当てをしなきゃ。」
「……そう、だね。」
「でもさ、ニンゲンの手当てってどうしたらいいの?」
「とりあえず縛っとく?」
のあちゃんが言うとなんか怖い。もしかして俺ツタでぐるぐる巻きにされる…?
すると、のあちゃんが突然、身にまとっている白いふわふわのスカートをびりっと破る。
「え?ちょ!?」
「布で縛ろう。」
この子ヤバい!布が必要だからってスカート破くなよ!!
耳の先がほんの少し熱っぽくなる。
眼帯を指で軽く押さえつける。
のあちゃんはそんな俺の様子を気にも留めずに、布片を俺の腕に巻き付ける。
「こ、これで大丈夫かな…?」
「消毒?ってやつしなくていいのかな。」
「た、多分、大丈夫…!ありがとう。」
「……。」
じゃぱぱは、俺の腕を見つめ続けていた。
「一応、この先にキャットピープルの集落があったはず。そこで診てもらおう。」
「きゃっとぴーぷる?」
なんやそれ。
「まあ、簡単に言ったら猫みたいなニンゲンみたいなやつら。多分身体の作りとかはニンゲンに似てるし、そこなら診てもらえるんじゃないかな」
「へー…。」
のあちゃんが、少し離れた場所から周囲を見渡す。
「それは行くとして…。」
「……気になることが、一つ。」
のあちゃんが呟く。
「魔物があれだけの数、明らかに統率されてた動き方だった。それに――」
のあちゃんの視線が、俺に向く。
「最後まで、たっつんさんだけを狙ってた。」
「……。」
俺は、白い布で縛られた自分の腕を見た。
――何が、俺をこんなに引き寄せるんや。
………その答えに辿り着くには、まだ長い旅が必要だ。
ここまで読んでくださりありがとうございます!
今回は少しグロめでした。
キャラクター紹介です
じゃぱぱ――――――――――――――――――――――――――――
種族:
悪魔(デーモン)
属性:
闇
性別:
男
年齢:
??
性格:
悪魔なのに底抜けに明るい、天然で鈍感、社交的で優しい
能力:
1、自分の影を剣に変える
2、影から影へと移動する(短距離のみ)
3、翼で空を飛ぶ
4、魔力塊を飛ばす
5、影を縫い止め動けなくする
6、??
見た目:
2つの小さな角、細い尻尾、真っ黒な爪、真っ黒な翼、左手の甲に緑色で角と翼を模したタトゥー
服装:
真っ黒なコート、真っ黒なトップス、真っ黒なズボン、金色の細いネックレスとブレスレットと指輪、右手だけ真っ黒な手袋、真っ黒なブーツ
のあ
――――――――――――――――――――――――――――
種族:
妖樹(アルラウネ)
属性:
植物
性別:
女
年齢:
??
性格:
真面目、しっかり者、ちょっとだけ心配性
能力:
1、自分のツタや根を操る
2、胞子で誘惑させたり眠らせたりする
3、根を絡みつかせ生命力(魔力)を吸い取る
4、??
見た目:
身体にツタや葉っぱや根が巻き付いている、鎖骨あたりにピンク色で花と葉っぱを模したタトゥー
服装:
花びらのような真っ白なふわふわのワンピース、ピンク色の花のネックレス、ピンク色の花でできた冠、ピンク色のネイル、右の太ももに白いレースのガーター、白い厚底ブーツ
たっつん(たつや)
――――――――――――――――――――――――――――
種族:
人間(ニンゲン)
属性:
無
性別:
男
年齢:
16歳(高校一年生)
性格:
優しい、頼れる、現実的、頭がいい、結構ピュア
能力:
なし、魔力を持たない
見た目:
普通の人間の少年だが…?
服装:
白のシャツ、ベージュのセーター、黄色のネクタイ、黒のズボン(高校の制服)、左目に眼帯
次回予告
「お客さん?」
「――ニンゲンが来たって、本当!? 」
「――運命を感じる!!!」
「……助ける?」
……次は、ちゃんと…
次回 第6話 運命 ♡100↑
コメント
1件
わあ、第5話お疲れさまです!戦闘シーンが本当に迫力満点でしたね…!じゃぱぱの影の武器とのあちゃんの植物操作、お互いの能力が全然違うのに息ぴったりで、読んでて「おおっ」と声が出ました。 特にのあちゃんの「スカート破って包帯にする」シーン、ギャップ萌えすぎてもう…。普段は優しい雰囲気なのに戦闘中の潔さがすごくキャラに合ってて、一気に好きになりました。そしてたっつんだけを狙う魔物たち…次回へのフックが絶妙です!キャットピープルの集落、楽しみにしてますね🐱