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#スポーツ
眠野ねつき無断転載とか❌
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わあ、素敵な青春スキー物語の第1話ですね!推しの柚希亜ちゃんを応援する心愛ちゃんの熱量がまぶしくて、読んでいてこっちまで元気になりました。特に「行けるよ」って自然に言ってくれる柚希亜ちゃんの優しさに胸がじんわり。2年後の場面でふたりが一緒に頑張ろうと約束するシーンも、推しから対等な仲間へと変わっていく予感がして、続きがすごく気になります!次の測定会、楽しみにしてますね🌷
1話 憧れの推し
私には推しがいる。
タブレットの画面には、ジュニアオリンピックのライブ配信が映っていた。
『水無月選手! 難しいコースを次々と攻略していきます!』
実況の興奮した声が部屋に響く。
私は思わずベッドの上で立ち上がった。
「きゃーーー!! 柚希亜ちゃーん!! がんばれぇぇぇぇ!!」
画面の中では、一人の少女がゴールへ向かって滑っている。
そして――
『ゴール!! 水無月選手、現在トップです!!』
「やったぁぁぁぁぁ!!」
私は黄色のペンライトを振り回しながら飛び跳ねた。
花宮心愛。
小学六年生。
現在、絶賛推し活中である。
そして――
私の推しは。
ガチャ。
宿の部屋の扉が開いた。
「心愛ちゃん……もしかして、また見てるの……?」
聞き慣れた声。
私は勢いよく振り返る。
そこに立っていたのは、
水無月柚希亜本人だった。
「やっぱり推しはいつ見ても可愛いしかっこいい! 最高!」
「本人が目の前にいるんだけど……」
「夜なのに元気だね…」
少し困ったように柚希亜がため息をつく。
でも私は止まらない。
「だってGS七位! SL五位! しかも小五からジュニオリ出場とか天才じゃん!」
「その話、何回目……?」
「三百回くらい!」
「多いなぁ……」
柚希亜は苦笑いしながら荷物を置いた。
そんな反応すら可愛い。
やっぱり私の推しは世界一だ。
柚希亜はベッドに腰を下ろし、窓の外を見た。
外には白い雪が静かに降っている。
「明日も雪、良さそうだね。」
「うん!」
私は即答した。
だって明日も柚希亜ちゃんと一緒に滑れるから。
それだけで楽しみだった。
「ねぇ、柚希亜ちゃん。」
「なに?」
「いつか私もジュニオリ行けるかな?」
何気なく聞いた言葉だった。
柚希亜は少しだけ考えたあと、当たり前のように言った。
「行けるよ。」
「ほんと!」
「うん。」
その返事はとても自然だった。
慰めるわけでもなく。
励ますわけでもなく。
本当にそう思っているような声だった。
「心愛ちゃん、頑張ってるから。」
その瞬間、胸がドキッとした。
推しに褒められた。
推しに褒められた!!
「よーし!! 私もっと頑張る!!」
「急に元気になったね。」
「だって推しに褒められたから!」
「そう……。」
柚希亜は少し呆れたように笑う。
でも、その表情はどこか楽しそうだった。
私はまだ知らない。
ただ憧れているだけだった推しが。
いつか同じスタート台に立つ相手になることを。
そして――
◇◇◇
それから二年後――
中学二年生の春。
「ゆきちゃーーーん!!」
元気な声が片雪中学校に響いた。
朝の登校時間。
校門の前で手を振る少女。
花宮心愛。
中学二年生。
身長も伸びて。
少しだけ大人になった。
そして。
その先には。
黒髪の少女。
水無月柚希亜。
同じく中学二年生。
「おはよう。」
「おはよう!」
心愛は勢いよく隣に並ぶ。
「今日も可愛い!」
「朝一番で言うこと?ちょい怖い」
「大事なことだから!」
「そう。」
柚希亜は少し笑った。
六年前から変わらない。
私の推しだ。
教室へ向かいながら。
私は窓の外を見る。
春の風が吹いていた。
そして。
去年のことを思い出す。
中学一年生。
全中予選。
ジュニアオリンピック予選。
結果はどちらも届かなかった。
あと少しだった。
本当にあと少しだった。
悔しかった。
泣いた。
何度も泣いた。
でも。
諦めなかった。
だって。
追いかけたい人がいるから。
「ねぇ、ゆきちゃん。」
「なに?」
「今年こそ行こうね。」
柚希亜がこちらを見る。
「うん。」
「全中も。」
「うん。」
「ジュニアオリンピックも。」
柚希亜は静かに頷いた。
「頑張ろう。」
勝つじゃない。
頑張ろう。
その言葉が柚希亜らしかった。
私は笑う。
「うん!」
昼休み。
私は机に突っ伏していた。
「心愛ちゃん。」
「んー?」
「英語の予習やった?」
「見たくない。」
「授業中。」
「現実を突きつけないで。」
柚希亜が小さく笑う。
その時だった。
スキー部のグループチャットが鳴る。
私はスマホを見る。
そして。
立ち上がった。
「きたぁぁぁぁぁ!!」
教室中が振り向く。
「うるさい。」
「だって!!」
私はスマホを見せる。
そこには。
県合同測定会のお知らせ。
「測定会だよ!?」
「そうだね。」
「また、スキーのみんなに会えるんだよ!それに初めて会う人もたくさん居るんだよ!」
「そうだね。」
「絶対楽しいじゃん!!」
柚希亜は少し笑った。
「楽しみだね。」
私はまだ知らない。
この測定会で。
たくさんの仲間と出会うことを。
月乃。
雪菜。
凛。
玲奈。
美琴。
紗夜。
夏凪。
理咲。
紫苑。
そして。
その出会いが。
私達の中学生活を大きく変えていくことを。
これは。
推しを追いかける少女と。
追いかけられる天才スキーヤーの。
最高な青春物語。
『私の最高な推し友!』
その物語は、
ここから始まる。
第2話 測定会