みんなに祝福されて

日常が戻ってきた。

目黒ともまた仲良く話すようになった。

そんな中、阿部は思うのだ。

やはり、この人が好きだと。

今ではメンバーもみんな応援してくれている。

恥ずかしいけど、嬉しい。

ただ気になるのは渡辺と目黒がどう思うのか。

周りが騒ぎすぎて二人の気持ちを置き去りにしたくない。

そんな思いが伝わったのか、楽屋でコーヒーを飲む渡辺とちょうど二人になった。

💙阿部も飲む？

💚あ、うん。いただく

💙ほい

💚ありがとう

💙あちち…

どう話したらいいかと、阿部が迷っていると、渡辺が言った。

💙みんながごちゃごちゃ言ってるけど、俺から言えることはひとつだけ

💚うん？

💙目黒はいい奴だ

💚ありがとう

💙うまくいくといいな

---

練習後。

みんなに背中を押し出されるような格好で、阿部は目黒と二人きりにされた。

阿部は覚悟を決めて、目黒に言った。

💚めめ、俺めめのことが好き

🖤阿部ちゃん…

💚今はすぐそんなふうに思えないと思うけど

🖤ううん、嬉しいよ

目黒は阿部を抱きしめた。

💚めめ…？

🖤俺にもう少し時間をちょうだい

💚……うん

🖤前向きに考えてるから

💚えっ…

目黒の目は優しい。

そしていつもよりも色っぽく見える。

阿部の胸はときめいた。

待っていられる。

信じられる。

---

それから3ヶ月が経った。

渡辺と目黒が二人で飲んでいる時。

目黒は言った。

🖤しょっぴーごめん

💙なんだよ

🖤俺、好きな人ができた

💙うん

渡辺の目は優しい。

🖤ずっとそばにいたんだよね、俺が見てなかっただけで

💙そうか

🖤だから俺もうしょっぴーとは付き合えない

渡辺は目黒を睨む。

💙お前が俺を振るな

目黒は笑った。

💙おめでとう

🖤うん、ありがとう

💙幸せになれよ

🖤しょっぴーたちより幸せになる

💙は？宣戦布告か？

🖤負けないから

💙ふはっ…笑

目黒はもう渡辺の夢を見ない。

代わりに阿部の夢を見るようになった。

心の隙間を阿部の優しさが埋めてくれた。

今度は自分から告白しよう。

阿部の喜ぶ顔が今から楽しみだ。

おわり。