「いらっしゃい」
いつも通りのセカイ。
何も無くて、バーチャルシンガーの誰かがお迎えしてくれる優しいセカイ。
『ヤッホーミク!』
「今日は、どうしたの?」
『ん~特に何も無いけど…何か、気分転換に!』
「そうなんだ、ゆっくりしてって」
『うん!ありがとね~』
嫌な事。
思い出したくない事を思い出さないようにする為に此処に来た。
『……やっぱりセカイは、落ち着くな…』
髪を結んでいるリボンを取り、優しく撫でる
コレはお姉ちゃんから貰った大切なリボン。
コレだけはボクの命よりも大切かもしれない。
『 …すー、はー、…… 』
1つ深呼吸をして、今日あった事を思い出す。
屋上に行ったら、凄く飛び降りたくなって…
それで、飛び降りた。
……でも、死ねなかった。
湖の上に落ちちゃって…
それで、そのまま帰った。
そして着替えて、セカイに来た今に至る。
『 …情けな……𐤔 』
近くに居た筈のミクは何時の間にか消えていて、
寂しいセカイにボク1人だった。
『 ……運、悪いな…𐤔 』
頬に暖かいものが伝る。
『 …何でボクは、認められないんだろう… 』
静かなセカイにただ1つ響くのはボクの声だけだった。
コメント
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瑞希…
の、ノベル作品だ…! 楽しみです!