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第一話 再燃の焔
前作の闘いからまだ間もない。だが、世界は決して安堵を許さなかった。
イーサーは薄暗い部屋の中央に設置された巨大なモニターの前に立ち尽くしていた。
そこに映し出されているのは、世界各地の感染症拡大を示すリアルタイムのデータマップだ。赤く点滅する感染拡大の兆候が次々と広がっていく。
「これは…ただの流行病ではない。」
通信機から響く声が緊迫感を帯びる。
「報告します、感染者数が急増。複数の国で未知のウイルスが確認されました。従来の対策では全く歯が立ちません。」
イーサーは深く息を吐き、握りしめた拳をゆっくりと解く。
「奴らは、まだ終わっていなかったか。前回の戦いで表面上は沈静化したと思っていたが、根は深かった。」
壁に掛けられた世界地図に、赤い印が増えていく。東京、ニューヨーク、ロンドン、ドバイ、モスクワ…まるで火の手が一気に燃え広がるかのように。
「これがもし計画的なものなら…世界は再び危機に瀕する。」
イーサーの背後から、仲間の声が響いた。
「イーサー、準備はいいか?今回の敵は前とは比べ物にならないほど狡猾だ。」
「分かっている。俺たちは何度でも立ち上がる。世界を守るために。」
部屋の窓の外では、冷たい夜風が都会のビル群を揺らしていた。
だが、その風の中には、新たな戦いの予兆が確かに含まれていた。
「これが、イグニス・オペレーションの始まりだ。」