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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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乱歩さんとお出かけをした次の日の夕方、依頼人の所から帰る途中、社長が何者かに襲われて意識不明の重態、という連絡が国木田くんから届いた。

この前の夜、フェージャが言っていたことなのかもしれない。


急いで病院へ向かうと、そこには重苦しい表情の社員たちと、ベットに生気なく横たわる社長がいた。


「……与謝野さんの異能も効かない、異能ウイルスだから治が触れようとしても自殺行為、そもそも治が集中治療室に居るってどうゆうことよ…」



どうやらお腹を狙撃されたとか。…いるって分かってて銃弾喰らったな。気づかないワケがない。それほどまでに情報を得たかったのだろう。帰ったら怒ろ。


そしてその治からの情報によれば森さんもおんなじ状態になっていて、どちらか一方を殺さないと助からない。…ああ、フェージャが言っていた全面戦争はこのことか。マフィアと探偵社、両方のトップは聡い。だからそこを潰して統制力のなくなった両組織を争わせるのか…彼もえぐい手口を使うなあ。



「…こんな所で止まっているわけにはいきません!マフィアのボスを、殺しましょう!」


「…まあまあ、谷崎くん。今はまだマフィアと争うべきではない。」



憤慨する谷崎くんを嗜める。



「如何してですか?!社長の命が危ないんですよ!?」


「もしどちらかを殺せば一方は助かる、これが嘘だった場合を私は危惧しているのだよ。」


「嘘…?」


「そう。もし嘘ならば両組織を一度に壊滅させることができる。殺し合って一方が死に、もう一方もウイルスで死ぬ。しかもヨコハマの二大勢力が争っているんだ。直ぐには組織を元通りにはできない。」



フェージャがそんな嘘を流すとは考えにくいがフェージャならやりかねないのだ。

前者であれ後者であれ、何かと戦う時は最悪も想像しなければならない。



「…じゃあ!僕達は今何をすれば…!」


「そう、そこでだ。元を叩く。」


「元…?」


「ウイルスの異能を持つ異能力者を捉え、解除をさせる。それが今私たちに出来ることなんだけど…」


「国木田さん!羅紫さん!病院が、………マフィアに囲まれています!!」


「そうもいかなそうだ。乱歩さん、国木田くん、指示をお願い。」



この感じだとマフィアの総動員を駆り出してきたな。

鎖のなくなった狂犬が一番恐ろしいのだ。さっさとかわして元を叩くしかない。



「…社長を脱出させる!賢治、病室に穴を開けろ!」


「はい!」


「国木田くん、脱出し逃げたところですぐに追いつかれる。監視も多くて即座に殺されるだろう?だから監視の目を逆に利用する…谷崎くんの細雪でね。」


「ボクですか…?!」



それが社長を逃がせる解決方法ではあるが谷崎くんだって一人の人間だ。拒否権はあるし、何より彼にはありふれたモラルを超えた妹愛があるのだ。そう簡単に頷いてくれるのだろうか。


…まあ嫌だと言われれば一人でマフィアを抑えるけど。あはは、死ぬ。



「…わかりました。ボク一人残ります。」


「…いいのかい?マフィアの気がいつ変わるかもわからないのに…」


「いいんです。ここで騙し切ってやりますよ。いや、騙し切ります。ナオミを…探偵社を守るために!!」



ナオミちゃんの次に探偵社かい。まあそれもいいことだよ。



「…そっか。頼んだよ。国木田くん、独歩吟客で紙の状態のままの短剣を谷崎くんに持たせて。」



…この一連のどたばたの主犯は絶対にフェージャだ。でもなぜこんなことをする?そして私をこの戦いから遠ざけようとした理由は?”こちら側”は探偵社…いや、ヨコハマの敵?目的は何?

いろんな思考が頭の中を駆け巡る。…治がいない所為なのか、普段よりもうまく考えることができない。

まあとにかく今は両組織のトップを治すことに専念しよう。どちらかが欠けてはヨコハマは成り立たない。



「重力使いは治の名前を出したらうまいこと動いてくれるかも〜!」



そう言い残し社長、社員と壁の穴から脱出して行った。

文豪ストレイドックス 恋愛怪奇譚

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