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もしカニがなくなったら編
神子田視点
俺は今カニパイセンの葬式に来ている。
死因は仕事のやり過ぎによる、過労死だそうだ。
そして、俺に焼香の順番が回ってきた。
いざ棺の前に立つと、色々な感情が込み上げてきて泣きそうになったが、そこはぐっとこらえた。
焼香台の少し手前で遺族と僧侶に一礼。 焼香台の前に進み、一礼。
数珠を左手にかける。 右手で抹香をつまみ、額におしいただく。
抹香を静かに香炉の炭の上にくべる。
合掌後、少し下がり遺族に一礼して席に戻る。
そうして、警察署員、遺族が全員焼香を終わらせると、遺骨が火葬されるそうだったが、生憎警察署員は皆が、近親者ではないため、必然的に葬式場に残されていた。
涙を浮かべるものや、泣きはしないが悲しそうな表情をする人などど、表情は様々であったが、皆同じように悲しんでいるというのはわかった。
「…神子田くん。」
そう語りかけるくる人物は意外にもミンドリーパイセンだった。
「…なんですか」
「カニが死んで悲しいか。」
珍しく変な質問をしてくる先輩に驚いたが、それもそうだろうと思った。
一応と言っては何だが、ミンドリーパイセンは、カニパイセンと口プ課(非公認)に所属しているということもある上、
俺よりもカニパイセンとの思い出があるから、色々と感慨深いのだろうなと感じた。
でも、俺はカニパイセンが死んで悲しんでいるかと言われたら、そうでもないと思ったため、
「…いいえ」
と答えた。
「そうか」
そう言うとドリーパイセンは立ち去っていった。
あれから8年ほど経って、色々あった。
署長は、カニパイセンが過労死したことで説明責任を問われて辞職したし、
ドリーパイセンや、らだおパイセンは普通に生きるとか言って警察を辞めたし、
俺は本署でLANK5になり、言うところの上官になって、体験や後輩が増えた。
今でも1人で本署の上にたまに居たりする。というか、ほとんどの時間はそこで過ごしている。
そこにいれば、今でも警察を辞めたらだおパイセンや、今は亡きカニパイセンと話せるような気分になれるからである。
俺は、上官ではあるが、今でもみんなの後輩だった時期が忘れられないのだろう。
「…そーいえばカニパイセンに撮らされたボイスとかあったっけ」
結局カニパイセンが死んでしまったため、闇鍋ボイスガチャは行われなかった。
俺のスマホに残っていたため気恥ずかしかったが、聴いてみることにした。
【 先輩、いつまで俺のこと後輩だと思ってんすか?? 】
昔の幼い声が耳に響く。
昔の俺が今の俺に語りかけているような感覚を覚えた。
「今年で俺もらだおパイセンと同じ31歳か。」
今日はカニパイセンの命日であり、署長や、ドリーパイセン、らだおパイセンが警察を去った日でもある。
俺はいつもと同じように変わらぬ空に向かって。
カニパイセンやらだおパイセン、ドリーパイセンや警察を去っていった人たちに向かって、前よりも低くなった声でつぶやいた。
「…先輩。いつまで俺のこと後輩だと思ってるんですか。」
急に今まで堪えていたはずの気持ちが溢れ出した。
「置いてかないでよっ…」
みんなが警察をやめたとき、すごく怖かった。逃げ出したかった。
でも、俺もここで警察を辞めると、警察が終わるような気がして、やめようにも辞められなかった。
「みんなっ…」
仲の良かったなずぴでさえも1年後には警察を辞めた。気づいたら、という感じだった。話さえなかった。
「俺は…!」
そこで意識は途絶えた。
神子田編FIN
お疲れ様です!
神子田くん先輩、過労死endです!
今回はストグラ捏造短編集をちょくちょく出していきます!
ちな、警察署襲撃らだお視点をオンタイムで見れて嬉しすぎた主でした。
おつぬ〜