テラーノベル
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俺が回復するまで、ジントはそれはそれは手をかけてくれ
飯を食わせてもらい、毎日ジントが調合したらしい薬を塗ってもらって
生活に不自由はなくなっていた
薪割りをしようとしたら
「まだ傷が開きますからね」
と止められた
山奥のひっそりとした教会には人が来ることはなく
ジントと二人きり
こんなに穏やかな日を過ごしたことはなかった
違和感はある
今までの
自分を生かす為に生きていく日々と
何から何まで違うのだ
不思議な感覚だが、居心地の良さも感じてしまって
心の中に蠢く闇をどうしたらいいのかわからない
ふと懺悔室が目に入る
中にある椅子に座り瞼を閉じ浮かんだのは、子どもの時に見た風景だった
透かしはあるが顔は見えない
でも、壁の向こうにジントがいる気配がした
「親、兄弟、親戚、友人…目の前で何人も倒れていった」
ポツリポツリと出る言葉は
今まで誰にも話したことのないもの
多分、俺にあるなかで最初の記憶
話すような相手も俺にはいなかった
「血を流しながら倒れていくのを、隠れて見ているしかなかった」
ジントは静かに聞いていた
「独りになった俺は、一番近い町まで行って…多分、最初にしたのは、食べ物をとったこと」
「その次は武器を」
「人を騙して」
「毎晩隠れる所を探して寝た」
「殴ることも殴られることも日常だった」
「…でも、人は殺せなかった」
殺せなかった
あの大量の赤を、見るのが怖かった
「…俺は、許されたいわけじゃない」
「罪は、罪だ」
償うことだってもう出来ないかもしれない
「…でも、ここにいてもいい…ジントの側にいてもいい人間になりたい」
「今からでも、間に合うかな」
ジントは答えなかった
それが答えなのかもしれない
俺はどうしたらいいのだろう
コメント
2件

うわぁぁ続きが気になりすぎます、、はやとクンの気持ちを考えると悲しすぎます🥲︎🌀じんとクン答えて欲しかった、、、泣
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