テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
1,184
↓ ↓ ↓
嵐の様に話すだけ話してから去って行った紫苑を見送り、
暫くした後
本当に真澄が特別な子供なのかを確認しようとする
「 言 っ て も 、 暫 く 起 き ね ェ よ な … 」
本人の口から聞くことしか出来ないため、取り敢えず今日は諦めることにした
いつもなら此処で眠ってしまうが、今日は布団を真澄が使っているから
月でも見ながら散歩をしようかと戸を開ける
春特有の涼しい風が静かに横を通り過ぎる、
春分が過ぎたばかりの夜は、まだ少し肌寒いなどと考える
少し浮かんでいる雲の間から眩しいほど月が輝いて、
まるで良き縁を結ばれたみたいだった
それでも、これから真澄と一緒に過ごして行く中、本当に無事に回復し、黄泉の国へと送っていけるのかという不安が頭の中を黒く濁していく
そんな不安と共に、思い出したくない過去が蘇って来る
まだ自分がただの野良猫だった頃の、紀元前にもなる大昔の過去
過去
俺は、ただの野良猫だったんだ
仲間内でしょうもない悪戯をやっている様な馬鹿だった
でも、皆と決定的に違うことが在った
其れが、妖怪になるための素質と器
基本的に、妖怪は元々動物や人間から変形したものが大半を占める
俺もその内の一匹で、紫苑や印南、そして大我なんかもそうだ
ある日、人間の悪戯で仲間が全員死んだ
俺だけは運が良いのか悪いのか、逃げ延びてしまった
俺には自分だけが残っている意味が分からなかった
どうして、神は俺を選んだのだろう、どうして…、生きている意味なんか、もう無いのに
俺の望みは、彼奴等と一緒に笑いながら死ぬことだったのに
そんな思いを背負いながら、現世を彷徨っている内に段々と妖怪に変化して行き、死んだ人間や、動物の“魂”が見えるようになった
黄泉の国からの使者が来て、“魂”送迎の勧誘が来たときには吃驚したが
少し、心が救われた
これで俺の生きる意味が生まれた気がしたから
其れに、黄泉の国へと行けば彼奴等に、謝れると思ったから
「俺だけ逃げてごめん、俺だけ生き残ってごめんなさい」
この言葉を言いたかったから
そんな思いも束の間
彼奴等は黄泉の国には居なかった
でも、其れが当たり前なんだ
彼奴等の“魂”には黄泉の国へと行けるほどの体力はなかったのだ
自力で黄泉の国へと行くのは人間の“魂”でも難しいと言われ
そのための送迎役、俺が勧誘されたのだから
もう、手遅れなんだと分かっていたが、どうしてか俺は悲痛な声をあげた
そして、心に誓った
もう二度とこんな事が無い様に、絶対に“魂”を黄泉の国へ送り届けると
だれも悲しい思いをしない様に、
と
「 彼 奴 等 の 次 は 、 真 澄 か … 」
どうやら俺には悪運と言う奴が纏わりついているらしい
生き残ってしまうし、仲間には会えず面倒くさい奴に絡まれ、次は特別な子供か
暫く樹海の中を散歩していると、また涼しい風が通り過ぎる
そろそろ戻ろうかと、後ろを向き、来た道を歩いていく
ふと、思いつく
面倒事を強引な形で押し付けたのだから、
これからの真澄の世話は、馨達にも手伝わせよう
そう考えると、自然と家へと戻る足取りが軽くなっていた
雑談
更新遅いのに内容空っぽで、しかも短いとか
本当にごめんなさい
コメント
3件
いやほんとに毎度の事ながら最高すぎてやばいです… いつも最高すぎて語彙力なくなってしまう… 続き楽しみにしてます!!