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君がいちばん!
CP 緑黄(黄緑でも大丈夫です)
R18 なし
R18G なし
ぬいぐるみに嫉妬する黄さんのお話です
あの日、みことたちはショッピングモールに来ていた。
ふたりで服を選びあったり、フードコートでご飯を食べたり。
そろそろ帰ろうか、なんて話していた時、偶然ゲームコーナーの前を通りかかった。
その時すちは一瞬だが足を止めた。
そしてゲームコーナーに視線を向けた。
そこには、クレーンゲームの中に入っている、某モンスターを捕まえるゲームのキャラクターのぬいぐるみがあった。
そう声を掛けると、すちは慌てて否定した。
「ううん、何でもない!ちょっと気になっただけ」
みことは、すちがそのぬいぐるみを欲しいことに気付いた。
そしてなんでもない日に、そのぬいぐるみを差し出した。
「はい!どうぞ!」
すちは一瞬固まって、それから目を見開いた。
「みこちゃん、」
そして信じられないものを見るようにぬいぐるみを抱きしめた。
「……いいの?」
「いいよ!」
「ありがとう……!」
にこりと微笑むすちを見て、みことも笑った。
その日からだった。
すちは、どこに行くにもぬいぐるみを連れてくるようになった。
部屋でも、ソファでも、ベッドでも。
無意識に撫でて、抱き寄せて、眠るときは胸に抱えて。
みことは最初、満足だった。
自分があげたものを大事にしてくれている、とそれだけで嬉しい筈だった。
……筈だったのに。
「……またその子と一緒にいるん?」
気付けば、そんな事を言っていた。
すちはきょとんとしながら、
「だって、みこちゃんがくれたものだし」
とぬいぐるみを抱き締めながら言った。
その言葉に、みことの胸の奥がちくりと痛んだ。
自分があげたものなのに……。
自分より、そっち?
その夜、みことはぽつりと言った。
「そんなにその子気に入った?」
すちは少し考えて言った。
「うん。だって、みこちゃんみたいだもん」
「……え、?」
「あったかくて、一緒に居ると安心するところ」
「……じゃあさ、」
「本物は、ここに居るやん……」
その言葉を聞いて、すちはぬいぐるみをソファに置き、立ち上がった。
そして、みことを抱き締めた。
「……もしかして、この子に嫉妬したの?」
「…………うん」
みことは照れくさそうに答えた。
「ふふ、かわいい」
すちは少し意地悪そうに笑う。
「じゃあ、これからはみこちゃんとずっと一緒にいるよ」
そう言ってみことの額に軽くキスを落とした。
それから、映画を見る時はみことを膝に乗せ、外に行く時には必ず手を繋ぐようになったとか……?