テラーノベル
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時間ぎりぎりですみません_ _))
今話の時間帯が夜だったので、それに合わせて投稿しようと思いまして(˙˙;)
5回目の読切!
今回は《中秋の名月》を題材にしました!
設定がすらすら思い浮かんで、書く前からとても楽しかったです( ¨̮ )
(普段も骨組み考えるのは楽しいんですけどね)
明るい雰囲気ではないですが、ハッピーエンドです ·͜·ᰔ
注意⚠︎
🩷💛
恋人前のお二人
地雷の方🔙
ご本人様には関係❌
誤字脱字あったら🙇🏻♀️
晒し行為ご遠慮下さい
🩷side
今日の仕事が終わったのは、ビルの電気も所々消えているほど、夜も更けた頃だった。
現場から家へ帰るための支度をしながら、ふとスマホの画面を見る。
時刻はもう0時を回っていた。
明日も朝から仕事があるし、今日はこのまま帰って寝るつもりだった。
のだが…
ピコンっ
と通知が鳴ると同時に、ロック画面にメッセージが浮いてくる。
『今日まだ時間ある?』
そんな文章の上には、”仁人”という名前が表示されていた。
『あるけど。どうした?』
“どうした?”なんて返してしまったが、俺には一つだけ心当たりがある。
新曲の二人で踊るパート。
振り入れ自体はもう終わっている。
けれど、二人で合わせて確認する時間がなかなか取れず、細かいところはまだ曖昧なままだった。
明日はその曲を初披露する予定だ。
『新曲のとこ、少しでもいいから確認したい。』
夜遅くにごめん、と追記される。
やっぱりそれだよな。
『全然平気、俺も思ってたし』
『軽い確認なら俺の家でいい?』
時間も遅いので、わざわざスタジオに集まるほどの練習はしないだろう。
そう思い、了承の言葉に続けて提案した。
『了解。』
そんな短い返事を、繰り返し読み直す。
疲れているはずなのに、体がいつもより少し軽く感じた。
ただ仕事の用事で会うってだけなのに、浮かれるなんて。
…ガキみたいだな笑
自嘲しながらも、軽い足取りで自宅へ向かった。
家の扉を開けて玄関に足を入れると、一番初めに見慣れた、けれど俺ではない靴が視界に入る。
リビングへ足を運ぶと、
💛「おつかれ」
とソファに座っている仁人がこっちを見ながら声をかけてくる。
🩷「おつかれ、まだ合鍵持ってたんだな」
最近は全く使ってこなかったから、もうてっきり無いものかと思っていた。
💛「まぁ、一応」
💛「危なくて捨てられない」
それは、心配しすぎじゃね?笑
そう思いつつも、まだ持ってくれていたことに胸が熱くなる。
適当に飲み物を出し、窮屈とまではいかないが練習するには少し狭い空間で、軽く確認をする。
💛「よし、こんなもんだろ」
🩷「明日も早いし、終わりにしよっか」
💛「うん」
一通り終わったところで、仕事モードから少しずつ離れていく。
二人でソファに座り、しょーもない話を続けた。
ふたつのグラスの中はもう空になる。
仁人は、泊まるつもりはないだろう。
まだ、もう少しだけこいつと一緒に居たい。
…なんてことは、もちろん言えるはずもなく。
俺と仁人はメンバー同士で、俺にはこの関係を崩せる勇気も覚悟もない。
ただ。
🩷「…今日、月綺麗らしいよ」
少しのわがままは、許して欲しい。
💛「へぇ〜そうなの?」
🩷「うん、中秋の名月」
💛「あぁ、そっか今日か」
💛「…ってもう24時超えてるけど」
🩷「まあそうだな笑」
🩷「でも、見てみる?ベランダ行って」
💛「…やだ」
少し間を空けたあと、ぶっきらぼうに返された。
🩷「なんで」
💛「風冷たいでしょ、この時間」
わざとらしくムッとした顔をつくったが、呆気なく正論が飛んでくる。
🩷「団子もあるけど、要らねぇの?」
💛「…なにそれ」
お、食いついた。
急にこちらの顔を覗いてくる仁人。
本人は冷静に聞いたつもりなんだろうけど、明らかに期待の眼差しを向けている。
…かわいいな笑
🩷「月見団子」
🩷「帰りのコンビニで買った」
💛「…」
🩷「笑」
💛「なんで笑ってんの」
🩷「いや?笑」
食いたいな、って露骨に顔に出てんだもん笑
🩷「団子あげるから、ベランダ出よ」
💛「はぁ…」
ため息をつきながらも、ベランダへと足を運ぶ俺にちょこちょこと着いてくる仁人。
単純でかわいい笑
二人、ベランダの手すりに体重をかける。
💛「やっぱ寒い」
🩷「だなぁ」
まだ9月下旬だが、さすがに夜は肌寒い。
羽織るものがあるからまだ平気だけど。
🩷「団子食べる?」
💛「食べる」
さっき買ったばかりの月見団子を二人一つずつ手に取る。
💛「んっ……んま」
仁人はパクッと口に入れると、もちもちのほっぺでもぐもぐしている。
派手なリアクションはしないが、口元を少し緩ませながら、小さくそう声を漏らす仁人が堪らなく愛おしい。
…団子が団子食ってるようにしか見えないけどな。
💛「……なに」
と、不意に仁人が、上目遣いがちに俺の方へ視線を向けてくる。
無自覚でこういうことをしてくるから、まじで心臓に悪い。
🩷「ん?」
💛「いや、ずっとこっち見てるから」
🩷「ああ、つい」
🩷「団子だなって」
💛「…は?」
🩷「笑」
可愛すぎて見惚れてた、なんて言える訳がない。
言ったところで冗談だと思われ、「きも」と返されるのがオチだ。
誤魔化すために、夜に漂う月を見上げる。
街のぼんやりとした明かりがそこら中に溢れているのに、空に浮かぶ望月だけは、不思議なくらい目についた。
遠い。
けれど、見上げればいつだってそこにある。
なんだか、こいつみたいだと思った。
🩷「…月、綺麗だな」
軽く息をのんでから、呟くにしては力のこもった声でそう言葉にする。
自分でも、遠回しでくさいことを言ってしまったと思った。
そこから少しの間、静かな時間が流れる。
伝わった…?
💛「あぁ…確かになぁ」
💛「東京の月も、悪くない笑」
ふいっと横を見ると、夜空を見上げる、上向きの彫刻みたいな横顔があった。
灯につられてキラキラと輝いている瞳に、俺は映っていない。
…やっぱりダメか。
いや、伝わらなくて良かったんだ。
この関係が崩れない方が。
落胆と安堵が入り混じり、思わず顔を俯く。
そんな俺には目もくれず、仁人は空に浮かぶ少し不完全な月を、ぼんやりと見続けていた。
💛「……月が傾く前に、会えてよかったな」
ふと、仁人がぽつりと漏らす。
🩷「?…そうだなぁ」
“傾く前に”、”会えて”…
月が隠れる前に、見られてよかった…ってことか?
随分文学的な言い方をするな。
流石、よく本を読んでるだけある。
💛「ふはっ笑」
はてなを浮かべたまま同意したことが面白かったのか、俺の顔を見て、いたずらっぽく笑う仁人。
街は真夜中でも明るいというのに、俺の視界にはこいつだけがはっきりと光って見えた。
そこから暫く経ち、さすがに寒さがきつくなってくる。
🩷「そろそろ戻るか」
💛「ん」
リビングへ戻ると、さっきまで座っていたソファに腰を下ろす。
💛「…」
なんとなく、仁人の横顔を見た。
さっきから少しだけ、考え込んでいるように見える。
🩷「どうした?」
💛「んーん、なんでもない」
そう言って、いつものように笑う。
俺もそれ以上は聞かなかった。
💛「じゃ、帰るわ」
🩷「おう」
腰を上げて、二人玄関へ向かう。
💛「また明日…というか今日か、よろしく」
ドアノブに手をかけた仁人が、顔だけ振り返り俺をまっすぐ見つめたまま、そう言葉にする。
🩷「よろしく、気をつけてな」
メンバーに向ける笑顔を意識しながら微笑みかける。
つられて彼もふわっと目を細めた。
仁人が帰り、リビングに戻った後、静かになった部屋を見渡す。
さっきまで二人でいたのが嘘みたいだ。
…月、綺麗だったな。
それだけを思い出して、俺は小さく息を吐いた。
色々な遠回りを経て、俺らが恋人になるのは、まだ少し先の話。
そして、この夜の答え合わせをするのも。
終わりです!
今までとは少しテイストの違う話にしてみました。
というか、何気に初めての恋人前の作品ですね。
個人的には結構好きな展開になったなと思います!
補足として、少し説明しますね。
本編の余韻のまま終わりたい方・すでに知っている方は、スルーしていただいて大丈夫です。
本編で🩷さんが覚悟を決めて💛さんへ発した「月、綺麗だな」には原典があります。
知っている方も多いと思いますが、夏目漱石が言ったとされる「月が綺麗ですね」。
夏目漱石が英語教師だった頃、生徒の”I love you.“の直訳を見て「日本人は”月が綺麗ですね”とでも訳しておきなさい。」と教えたという言い伝えがあります。
ただ公式的な記録は残っていないので、実際に言ったかどうかは定かではないそうです。
一方、💛さんが呟いた「月が傾く前に、会えてよかったな」にも元ネタがあります。
百人一首の59番、赤染衛門の
「やすらはで 寝なましものを 小夜ふけて 傾くまでの 月を見しかな」。
現代語訳をすると「ためらわずに寝てしまえばよかったのに。あなたを待つうちに夜が更けて、西に沈んで傾いていく月を見てしまった。」となるそうです。
このことから、
“月が沈む前にあなたに会えてよかった=ずっとあなたを(今回の場合は、告白を)待っていました”
という意味に捉えられます。
ただ、以上の二つは公式的な繋がりがある訳ではなく、ネット上で生まれたものだそうです。
同じく返しとして使われることのある、二葉亭四迷の「死んでもいいわ」もいいなと思いましたが、結構定番なものなので、あえてそこから外れた言葉の方が💛さんっぽいかなと。
💛さん、知識豊富なのですべて知った上でこう返すかなぁ?と思い、こんな展開にしてみました。
まぁ、単なる妄想ですが。
他にも色々な返し方があるので、気になる方は是非調べてみてください。
では
👋
ゲスト
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コメント
1件
おぉ〜〜 夜遅くまで起きててよかった すご〜い