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No.3 体調不良集(ノベル)

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No.3 体調不良集(ノベル)

3 - 通話中の体調不良。

♥

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2025年11月16日

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⚠︎Iris様の完全二次創作なため、nmmnルールの理解とご協力お願いします(コメント欄での伏字等)⚠︎体調不良

⚠︎嘔吐表現含みます



____

________



深夜1時過ぎ。

時間が無いから、と急に開かれたリモート会議。

そんな中でも皆の声がイヤホン越しに明るく響く。





🍣┊︎じゃあ、次歌割り確認するよ

🐇┊︎はいはい!ここrap入れたい!

🤪┊︎しょにだ今日テンション高いな?w

💎┊︎なんかあったの?w

💎┊︎元気すぎない?w

🐇┊︎いや〜なんも無いって!普通や普通!

🐤┊︎しょにだ、夜なんだからテンション下げよ?w

🐇┊︎嫌や!俺は夜の方が元気になるんや!

🦁┊︎まぁ元気なんはええけど、ちゃんと水飲みながらやれよ。

🐇┊︎はいはい、飲む飲む〜♪


ペットボトルのキャップを開ける音。

テンションは変だが、困ることはないのでそのまま作業を続ける。





その元気が少しずつ崩れていったのは、数十分経った頃だった。



話してる最中に、ほんの一瞬、息が引っかかる。


🐇┊︎っ…は……


その一瞬を ないこ は逃さない。


🍣┊︎初兎ちゃん…?

🍣┊︎なんか息変じゃない、?

🐇┊︎え?いや、気のせいやってw



声は笑っている。

でも、呼吸はうっすら荒い気がする。

本人はその症状に見て見ぬふりをし、みんなと楽しく会話を続ける。





その出来事から数分。



🐇┊︎はぁ…はぁ…ッ…


🐤┊︎しょにだ?息速くない?

🐇┊︎ッ…ちょっと… 疲れた、だけ…っ

🐇┊︎…はっ…大丈夫やで…


笑おうするが、それも苦しい。


🐤┊︎嘘だ

🐇┊︎…っいや…ッほんまに、…っ

🍣┊︎はいはい、いいからいいから

💎┊︎初兎ちゃん、どんな感じ…っ?

🐇┊︎…っん、わからんッ…っ

🐇┊︎…ただ……しんど…ッ…


声はしっかり出せている。

けど、息が明らかにおかしい。

肩の上下が、音だけで分かるくらい。


🤪┊︎深呼吸しよか。はい、吸ってー、吐いてー。

🐇┊︎っ…は…ぁ……ひゅッ…

🐇┊︎…っあ、かん…ッは…


深呼吸しようとしても呼吸が追いつかない。


🍣┊︎初兎ちゃん、一回休も。

🍣┊︎マイク切らんでええから。


ないこ にそう言われ、言われたままに通話を気にせず下を向く


🐇┊︎ん…っ…はぁッ…はぁ……っ


辛そうな荒い息の音だけが、通話の中に残る。





🐇┊︎…っぅ…ッ…は……っ


少し息の仕方がおかしくなった。


🦁┊︎どうしたん?

🐇┊︎……な、んか……っ…

🐇┊︎のどの…ッ奥……ひゅって……して……


呼吸は浅くて早い。


🐇┊︎は…っはぁッ…ぅ…はぁ…っ

🍣┊︎初兎ちゃん、しんどかったら言っていいからね、?

🐇┊︎…っ、だ、いじょ……っ、うぇ……っ


その瞬間、

喉から熱くドロっとしたものが込み上げてきた。


慌てて片手で口を抑える。


全員の声が止まる。





🐇┊︎っ…ま、って……は……っ…

🐇┊︎…ッう、ぅ……


ガタンッと慌てて椅子を引く音。

手が何かを探る音。


でも、間に合わない。


🐇┊︎…ッぅ…っえ…ッは…!


ごぽっと音を立てて喉からその何かが溢れる。

抑えきれず零れた音をそのままマイクが拾う。


🐤┊︎しょ、しょにだっ…!?💦


動揺が声で分かるほど、声が震えてる。


💎┊︎…ッ初兎ちゃん…っ、

💎┊︎大丈夫、大丈夫だから…!


でも声が裏返る。

落ち着いていられなくて、自分に言い聞かせるかのように大丈夫と繰り返す。


ないこ と いふ が焦りながらも落ち着かせようとする。


🍣┊︎初兎、ゴミ箱とか袋ある!?

🍣┊︎手ぇ届く距離のやつ!!

🤪┊︎吐ききってええ

🤪┊︎ゆっくりな、体勢前や、前。


🐇┊︎ぅ…ぅッ…んぉ”え…ッ…

🐇┊︎…ぐ……うぇ…っ…は…


喉の奥を無理やり絞るような音。

通話越しでもその辛そうな声は痛いほど伝わってくる。


🦁┊︎初兎、怖ない。ここおる。ずっとおるからな。

🍣┊︎ちょ、そっち行くから待っててッ!


ないこ はそう言い、バタバタと準備を始めた


💎┊︎ぼ、僕も…!


そういい、 いふ 以外は 初兎 の家へと向かった。

いふ はなんかあった時に通話で話せた方がいいから、と他が着いた時に遅れていくことになった。





🐇┊︎……っ、また……ぅ…っ

🤪┊︎大丈夫や…吸わんでええ、力抜け。

🐇┊︎…ッぅ…っは…ッ!

🐇┊︎…あぅ、ぇッ…お”ぇえ…

🐇┊︎ぁ…っ……うぇぇ…っは…ハァ…


さっきよりも質量のあるものがデスクに零れていく。


🤪┊︎…大丈夫、大丈夫…っ

🤪┊︎ゆーっくり息吸ってな



ぴーん…ぽーん…ッ


🤪┊︎…!俺も行くなっ


誰かが来たことがわかり、 いふ も 初兎 の家へ向かう準備をする。


ガチャッ…



🐤┊︎しょにだっ、しょにだ……っ💦


りうら が家に着き、慌てながらもゴミ箱を渡す。


ほとけ 、 ないこ 、 悠佑 も続けて家に着く。


💎┊︎初兎ちゃん…ッ

💎┊︎…ここいる…っ、ここにいるからね…っ


ほとけ の声は震えたまま…でも、安心させるように汚れていない方の手をギュッと握りしめた。


🍣┊︎大丈夫…今は吐くの優先だからね、

🦁┊︎背中、俺が支えとるから、力抜いてええで。





何分経ったか分からない。

いつの間にか いふ も到着していた。


苦しい息だけが残る。


🐇┊︎……っ…はぁ…ッぅ…はっ…ぁッ…

🍣┊︎口ゆすげる?水、少しだけ。

🐇┊︎……ん……っ……


ゴクッと喉がかすかに上下する。


🤪┊︎横なろか、体預けてええで。

🐇┊︎…ッぁりが…っ

🦁┊︎まだ無理に喋らんでええよ。

🐤┊︎しょにだ……頑張ったね…っ…

💎┊︎…ッ初兎ちゃん…しんどかったよね…っ


初兎 は少しだけ息を整えて、弱く笑う。


🐇┊︎…ありがと…ッう……みんな…

🐇┊︎夜中やのに…ッ…っ…

🍣┊︎当たり前やんw


みんな、頷いている。


🐇┊︎っはぁ…ッ

🐇┊︎…ええメンバー…っやなッ…w…

🍣┊︎でしょ?w

🍣┊︎俺の自慢のメンバー♪





そのあと、

初兎 は布団の端に横向きになっていた。

呼吸はまだ浅く、胸元が小さく上下している。


🐇┊︎…ぅ…はぁ…っ、…はぁ…ッ…


喋らなくても、息の乱れだけでしんどさが分かる。

それでも、また無理に話そうとする。


🐇┊︎…ッもぅ、帰っても…っ

🐤┊︎…初兎ちゃん…絶対ここいるから…!

💎┊︎今は喋らなくて大丈夫だから…ね、?…


声は震えてるけど、必死に寄り添ってくれる。

その優しさに 初兎 は涙がこぼれそうになった。





🍣┊︎とりあえず熱測ろ、腕だけ出せる?


初兎 は少し動こうとして、途中で力が抜けた。


🐇┊︎ぁ…っ……む、むり…ッ…


手は布団の中で震えている。


🤪┊︎無理せんでええよ、…ちょっと触るで


いふ がそっと布団の隙間に手を入れて、 初兎 の腕をそっと持ち上げる。


🤪┊︎力入れんでええよ。預けて

🐇┊︎…ん……っ


体温計を脇に挟む。

そして、数十秒の沈黙。


…ピピッ…ピピ…


🤪┊︎ぉー…ッ…完全アウトや…

💎┊︎…ッぇな…っ何度だった…のッ?

🤪┊︎…8度9分


全員の空気が一瞬で変わる。


🐤┊︎…っ8度9分…ッ?


滅多に聞かないような高熱で言葉を失う。


💎┊︎初兎ちゃん、なんで言わないの…っ


泣き声じゃない。

でも、悔しさが混じっている声。


初兎 は答えようとして、喉が詰まる。


🐇┊︎…っ…しんぱい…ッ…かけたら…めいわく…っ…


💎┊︎…ッ迷惑なんかじゃ、ない…っ

💎┊︎それに…迷惑くらいかけてよ…ッ


涙目で、でも真剣にそう言葉を放った。





🦁┊︎とりあえず水飲もか? ちょびっとでええから


ストローを当てられ、 初兎 は小さく口を開ける。


🐇┊︎…っ……ん……


一口、二口。


そして。


🐇┊︎……っ、う…っ……


胃の中身がまた逆流する。


🐤┊︎しょにだ、吐く…!?💦

🐇┊︎っ……ぅ…だ、……だい、じょ……っ


もう喋るのが苦しい。

ないこ がすぐ側で袋を用意する。


🤪┊︎強がらんでええ。吐いていい。


そう言われた瞬間、 初兎 の背中がまた揺れる。


🐇┊︎…はッ…ぅえ、…っ

🐇┊︎…ぐ…ぉぇ”…っ…!


袋に当たる湿った音。

息が詰まり、上手く呼吸が出来ない。


💎┊︎…初兎ちゃん、息っ…吐く方…優先して……っ


声が震えながらも、必死に寄り添おうとしている。


🐤┊︎しょにだ…、大丈夫…!

🐤┊︎りうら達ずっとここいる…!


でもそれも、少し泣きそうな声。


🍣┊︎もうちょっと体の力抜いていいかな…

🤪┊︎初兎、力抜け。全部預けていい。俺ら離れん。

🦁┊︎大丈夫。俺が支えとるからな。


初兎 は、それを聞いてやっと少しだけ力を抜いた。


そして、波が収まるまでゆっくり待った。





吐き終えた後、 初兎 はうつ伏せ気味のまま息を繰り返していた。


🐇┊︎…はぁ…っ……はぁ…ッ…


🐤┊︎しょーちゃん、お疲れ様…

💎┊︎初兎ちゃん、手…にぎってていい…?


初兎 は返事の代わりに、小さく手を伸ばした。


💎┊︎…大丈夫……いるよ…ここ…っ


🤪┊︎このまま寝てもええで、大丈夫。

🍣┊︎起きてもいいし、寝てもいいし、好きにしていいよ┊︎

🦁┊︎お前はもう何もせんでええ。


初兎の呼吸は、少しずつゆっくりになる。


🐇┊︎……ありがと…ッな…みんな…っ…


その声は、小さくて、弱くて…でもちゃんと届いた。

やがて、静かな寝息に変わる。





薄いカーテン越しの光が、少しだけ部屋に差し込んだ。


初兎 は、体を丸めるように眠っていた。

寝息は安定したけど、まだだるさが残っているような呼吸。


……はぁ…っ…ッ


かすかに熱が残っている。


毛布の外で、誰かが小さく動いた音。

少し首を傾けると…


ほとけ だった。

床に座ったまま、 初兎 の手を握ったまま寝ていた。


その隣で りうら も背中を壁に預けて座り、眠っている。

二人とも、目の下が少し赤い。


ベッドの端では、大人組 も椅子に座ったまま寝ていた。

夜通し見守ってくれていたらしい。





初兎 がまばたきをすると、すぐ ほとけ が気付いた。


💎┊︎…ん、初兎ちゃん…?…起きた…ッ?!


🐇┊︎…ふ…っ……いむく……


小さく呼んだ声はかすれていた。


💎┊︎起きなくていいよ…寝てて。

💎┊︎…まだしんどい、?

🐇┊︎……ぁ…っ…、ちょっ…と……


吐いたからか喉が少し痛い。

ほとけ はそっと額に手を当てる。


💎┊︎……ちょっと下がった…けどまだあるね、、…


ほっとしたのが半分、心配半分。

そんな様子が声に滲み出ていた。





りうら も目をこすりながら起きる。


🐤┊︎…ぁっ…しょにだ……起きて…生きてる…

🐤┊︎いや生きてるけど……よかった……っ


言ってから、自分で何言ってるのかわからない、というような顔した。


🐇┊︎…生きてるて…笑…


弱い笑い声が出た途端、喉が少し詰まった。


🐇┊︎…っ、けほ…ッ

🐤┊︎ぁ、ご…ごめん…!


慌てて優しく背中をさする りうら 。





いふ が水の量を調整して渡す。


🤪┊︎ちょい口湿らすだけでええ

🤪┊︎飲もうとせんでいい。

🐇┊︎……ん…っ…


少しだけ水が喉を通る。

ないこ が体を支える角度を調整する。


🍣┊︎無理しないでね…

🦁┊︎だるいんなら喋らんでええ。


初兎 はまぶたを閉じたまま、小さくうなずいた。





数分ほど静かな空気が流れて。


ほとけ が、ぽつりと声を落とす。


💎┊︎……初兎ちゃん、…

💎┊︎しんどいの、ちゃんと“しんどい”って言って…っ、


初兎 の指に少しだけ力が入る。


🐇┊︎……言うたら…っ…迷惑…かなって…


りうら がすぐに首を振った。


🐤┊︎迷惑とか、思ったこと1回もないから…

🐤┊︎てか、急に倒れられる方が怖い…


声は震えてるのに、言葉はまっすぐ。


ないこ も続ける。


🍣┊︎俺ら仲間なんだから、負担になるとか考えんくていい。


いふ も静かに言う。


🤪┊︎強いのと、抱え込むのは違うで…?

🤪┊︎ちゃんと頼れ、しょにだ。


悠佑 が最後に、落ち着いた声で言う。


🦁┊︎せや、言わんと分からんこともある

🦁┊︎お前が“しんどい”って言ってくれ

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