ほのかだよっ!!
2わですっ!!
朝6時。
目覚ましよりも先に、どこからか聞こえてくる声で目が覚めた。
「おーい、洗面所まだ!? 俺、7時出だよ!?」「あと2分待ってー!」
バタバタと足音が行き交い、シャワーの音、ドライヤーの音、歯磨きの音……。
シェアハウスの朝は、戦場だった。
恐る恐る部屋を出ると、廊下ですれ違った佐久間くんがにこっと笑った。
「おはよー! 初日からカオスでごめんねぇ〜!」
そして素早く消えていく彼の後ろから、
「佐久間、洗面所にタオル置きっぱなし!!」と康二くんの声が響く。
「しょーた、アイロンどこー!?」
「え、俺が使ってる!順番順番!」
「ひかる、昨日のプロテイン片付けてよ!」
「ラウ、トースト焦げてる!!」
「……うるさっ(でも、ちょっと面白い)」
あまりの情報量に目が回りそうになりつつ、あなたはこっそり洗面所に向かう。
すでに数人が朝ごはんの準備中。
舘様(宮舘涼太)は黙々と卵を割っている。
その隣では、ふっか(深澤辰哉)がトースターを見守りながら、
「今日こそ焦がさないぞ……おっ、いい焼き色!」
「何を言っている。俺は焦がしたことがない」とラウールがフフンと鼻を鳴らす。
「お前昨日、炭作ったじゃん」
「それは“芸術的な仕上がり”と呼ぶの」
「呼ばねーよ」
ワイワイと会話を繰り広げるキッチンの光景に、思わずクスッと笑ってしまう。
「阿部ちゃん、今日の天気ってどう?」
「晴れ。ただし午後から気圧が下がる予報。傘はいらないけど、頭痛持ち注意かな」
「やっぱさすがだわ…」と翔太が感心している。
そこに、完璧にセットされた髪型で目黒蓮がやってきた。
「おはよう。…あ、今日も寝癖ないね」
そう言って、何気なくあなたの髪を指先で直してくる。
「……っ!?」
「…ごめん、寝起きの顔、ちょっと新鮮でかわいかったから」
目黒くんの言葉に、頬がカーッと熱くなる。
やだ、朝から心臓に悪い…!
やがて朝食が完成。
宮舘特製のスクランブルエッグ
深澤の完璧トースト
阿部ちゃんの野菜スープ
そして…なぜか佐久間が作ったチョコバナナ(朝から?)
「いただきまーす!」
9人+あなたで囲むダイニングテーブルはぎゅうぎゅうだけど、どこかほっとする。
毎朝こんなににぎやかだなんて、思ってなかった。
でも――
「ほら、食べな? 君の席、ちゃんと空けてあるよ」
岩本照くんが、お皿を差し出してくれる。
「ありがと…ございます」
照れながら席についたその瞬間、
「ちなみにトースト争奪戦は、秒で終わるから覚悟してね」と翔太がにやり。
「え?」
気づけば、トーストが残り1枚。
「いっけーーー!!」
「それは俺のだ!!」
「ちょっ、ラウールずるい!!」
…また、戦争が始まった。
今日も、にぎやかな朝が始まった。
たぶん、この家での“普通”は、ちょっと特別だ。
▶︎つづく:第3話「ひとりじゃない夜」
次回は、夜の静けさにふと不安になるあなた。
そんなとき、あの優しい声が――?
こんなかんじですっ!!
ばいばい👋
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!