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💜「いむくん、最近さ、目笑ってへんよな」
ふとした瞬間だった。
打ち上げ帰り、深夜2時過ぎの帰り道。メンバーは先に帰って、残っていたのは僕と……初兎ちゃんだけだった。
🩵「え、なに急に笑」
💜「いや、前から思ってたんやで?今日もさ、ちゃんと笑ってるのに……心ここにあらずって感じで、、」
🩵「……気のせいじゃない?」
僕は目を逸らす。
言えないよ。
“今さっき人殺して帰ってきました”なんて。
💜「僕さ、嘘つかれるの嫌いなんよね」
🩵「……」
言葉が喉に詰まる。
胸の奥で何かが鈍く響いた。
💜「別に責めてるわけやない。けど……」
🩵「けど?」
💜「本当のこと、言ってくれへん? 僕、いむくんのこと、心配しとるんやけど」
心配してくれるな。
僕のやってることは、君の“心配”なんかじゃ済まない。
🩵「……大丈夫だよ。最近ちょっと寝不足なだけ」
💜「それさ、毎回同じ言い訳。寝不足っていうより、なんか……目が死んでんやで?、マジで」
🩵「目が死んでるとか、ひどいでしょ笑」
💜「本当のことしか言わへんから、僕」
🩵「…………」
初兎ちゃんの目は、まっすぐ僕を見てた。
その瞳の奥に、自分が映ってるのがわかる。
それが怖かった。
💜「なぁ、何隠してんの?」
🩵「別に……なんも隠してないよ」
💜「嘘つけ。……なぁ、僕のこと、信じてへんの?」
🩵「どうしたの?急に笑、、、信じてるよ。……信じてるからこそ、言えないこともある」
💜「そう言って、いむくんはずっと僕らから距離とってんやろ?」
🩵「……僕は、誰かを傷つける存在なんだよ。初兎ちゃんまで巻き込みたくない」
💜「“巻き込みたくない”とか、“守りたい”とか、勝手に決めんでよ……」
初兎ちゃんの声は震えていた。
それでも、僕は黙っていた。
嘘でもなく、本当でもなく、曖昧な沈黙だけを抱いて。
💜「なあ、いむくん。……ほんとに、僕の隣にいたいと思ってんの?」
🩵「…………」
💜「それすら答えてくれへんのや、、」
少しだけ――泣きそうな顔だった。
でも、僕は何もできなかった。
あの手を掴めば、もっと大きなものが壊れてしまう気がして。
🩵「初兎ちゃん……」
呼びかけた名前に、君は振り返らなかった。
残された夜道に、吐いた息が白く揺れる。
“隣にいたのに、何も届かなかった”