今度あったら、
アスカがレイナの記憶を取り戻す代わりにしたお願いとは、アスカ達の仕事を手伝うことだった。
「仕事って、どんな感じのやつなの?」
「僕達、なんでも屋やってて。それで、人手が足りなくてさ…だから、なんでも屋に入ってくんないかな?」
「いいよ」
『いいの!?』
レイナが即答すると、ナギとソウが驚いたように言う。
「もっとよく考えた方がいいよ!」
「なんでも屋って依頼が来なければ仕事が無くなるからね!」
ソウとナギはもう少しよく考えること勧めているが、正直遠回しにやめた方がいいと言われている気がする。
「なんでソウ達がそんな全力で止めようとしてるの…実際に働いている人達でしょ」
アスカが呆れたように言うと、2人は声を揃えて言う。
『実際に働いているからだよ!!』
「そこまで言う理由は?」
レイナが単純に疑問に思うと、2人は次々とデメリットをあげていった。
「まず、収入が安定しないでしょ」
「あと、依頼を受けなかった時たまに来るクレーム対応もあるし、」
「それに、本当になんでもやるから、盗みとかもたまにやるし」
「盗み?」
レイナが聞くと、アスカが慌てて修正した。
「盗みっていっても、誰からも盗む訳じゃないから!盗みの依頼の時は、依頼主と盗む対象者の身元とかしっかり調べてから受けるよ!」
「そうなんだ…」
レイナはもう一度考えてみるが、断った時のことを考えた。
生きていくのにはお金が必要だが、仕事が無ければお金は手に入らない。断ったら仕事を探すところから始まる。だけど、その仕事もいきなり別の世界からこっちに来たので知らないことが多いとなると、雇ってくれる場所はあまり無いだろう。雇ってくれるところが見つかるまで所持金ゼロで生活しなければならない。
逆に断らなければこれらの問題が解決する。仕事に盗みが入っていようと、収入が安定しなかろうと、お金が入るなら自身は生活が出来る。このことを考えると、受ける以外の選択肢はないように思えた。
「仕事に盗みが入っていても、大丈夫。なんでも屋に入るよ」
「本当に?後悔しない?」
ソウがしつこく訊く。
「大丈夫」
レイナがしっかりと頷くと、アスカは喜んだように言った。
「良かった!女性が1人だけだと色々と面倒なことも多かったんだ!!これからよろしくね。レイナ」
「こちらこそ。これからよろしくお願いします」
アスカとレイナは握手をしていて、その横でナギとソウは不安や他にもいろいろな感情がある詰まったような顔をしている。その様子を先程から全く話していないウミは、スマホの画面の中で面白そうに見ていた。
前話に比べると、だいぶ短くなりました。まぁ、これくらいがいいんだろうけど。
次の話あたりでようやく、このリビング?とかのシーンが終わると思います。(多分)
ここまで読んでくださり、ありがとうございましたヾ( ˙꒳˙ )
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