※この作品は二次創作です
本人様及び本人様方のストーリーにはなんの関係もございません
誤字脱字が非常に多い可能性がございます。見つけ次第コメントしていただけると幸いです
BL要素があります。苦手な方はご観覧をお控えください
エセ関西弁が含まれています
音レダです
俺の恋人が死んだ
この街に来て初めての恋だった
彼女はいつも綺麗で強い人だった
どんな状況でも自分の思ったことをはっきり言っておかしいと思うことには自分から突っ込んでいく
そんな正義感に満ち溢れた人間だった
だからこそ、俺みたいな男でよかったのかななんて今でも思っている
人のことを信用しないで相手の情報を相手にバレずに盗む
こんな薄汚い人間でいいのかなんて思っていた
だけど彼女の前でそんなこと言ったら毎回ビンタをお見舞されて、私が選んだからいいの!なんて言ってくれる
そんな優しくて綺麗で強い人だった
死んだと訃報が来た時は流石の俺も動揺して部下が死んだ時にも流れなかった涙というものが流れた
そして今も
大型なんてろくに手をつけれなくて起きても無線に入らずただ空を見上げる日々が続いていた
仲間は俺に気を使ってかあまり話しかけてこないようになった
「レダー」
だけど俺にいつも近づいてくる馬鹿もいた
「どうした?音鳴」
「やっぱここにいたんやな」
「うん、ここ綺麗だからね」
本当は嘘だ
ここは彼女とよく来た場所
街が一望できるこの場所を彼女は愛していた
よくこの街の人はみんな自分が自分らしく生きていて誰にも抑えられずに生きていて美しいなんてどこぞの小説にありそうな言葉を呟いていた
「せやね、俺もここ好きやで。街が一望できて綺麗やなぁ」
「そう、だね」
珍しく彼は黙り込んだ
静かな空気がそこに流れる
また口を開いたのは彼だった
「レダーの彼女さん亡くなったんやな…」
「そうだよ。俺達をおってきた警官に殺された」
彼女は人質に取られて俺たちを誘き出すように指示されたらしい
それを断って死ぬことを選んだ
最後まで彼女らしかった
もちろん彼女を殺したヤツらを恨んだけどそれより甘い考えをしていた俺を憎んだ
この街で人脈を作った俺が馬鹿だったんだよ
そういえば俺たちは追われてここまで来たんだ
アイツらが来てもおかしくは無いのに
あまりに幸せすぎて気づけなかった
気づいていたら彼女は死ななかったかもしれないのに
思わず唇を噛み締める
「レダーは悪くない」
「大丈夫や、お前はお前を恨まんで」
「お前の彼女もお前に苦しんで欲しくないと思うはずやねん。だからそんな悲しそうな顔せんといて」
思わず音鳴の顔を見る
夕日に照らされていつもより凛々しく見えた
こいつこんなに優しいやつに成長していたのか
仲間の何も、何も見えていないんだな
「好きやでレダー」
「え?」
突然彼はそんなことを口走った
「この街に来る前からずっと好きやった。彼女が無くなってすぐは無理やと思うけどいつか、いつかお前を笑わせる」
「笑わせる?」
「お前気づいてないやろ!最近ずっと笑ってないんやで。あの訃報を聞いた時から!」
思わず頬を触ってしまう
確かに表情筋が上手く動いてないようだった
笑うとか笑ってないとかそんなこと考える余地もなかった
「いつか笑わせる俺の力で!だからお前が笑顔になってそれで良かったら」
急にモジモジし始める彼を見てこっちまで恥ずかしくなる
「もう一度告白するチャンスをください! 」
ここで付き合ってくださいなんて口にできないのが彼の臆病さを充分表しているように感じた
そんな彼が頑張って口にしようと思うほど俺は弱っていたのか
そういえば彼女もこんな時奥手だったななんて思ってしまった
「うん、いいよ」
もしこの未練を断ち切れたらその時は彼に返事を返そう
「俺頑張るから、レダーもがんばりーや!」
そう元気に笑う彼はさっきの凛々しい表情とは違い幼く見えた
それから彼の猛アタックが始まった
突然無線を垂れ流して死んだり
これはいつもの事か
ホットドッグを売っている時に変装して煽りに来たり
あかーんとか言いながら船から飛び降りたり
俺を乗せて自慢げにヘリレースを始めたと思ったら開始早々ぶつかったり
彼なりに頑張ってるのが伝わって何となく嬉しくなっている俺もいた
そんなこんなで半年すぎた頃だった
ホットドッグを売っていたら突然見知らぬ男たちに誘拐された
見知らぬ男たちって言ったら御幣があるな
俺の元部下たちだった
そいつらは手馴れた様子で俺を気絶させ車の中に押し込み気づいたら廃墟に連れていかれていた
椅子にロープで固定され動くことはままならない
幸いにも無線はバレていなかったようで急いで連打する
「誘拐ですか?」
ケインの声に反応して今までにないほど連打の数を多くする
「さぁて久しぶりですね。レダーさん」
そう言い出した男は昔の俺の部下
嫌な笑顔を浮かべながら俺に近づいてくる
「久しぶりだなぁ?」
「貴方達が居なくなってそれはもう大変で大変で」
そう言いながら拳を振り上げ俺の顔を殴る
嫌な音がひびき頭に衝動が走る
「上官になってサボれると思ったら仕事ばっかりでだるっいんですよ!」
そう言いながら俺を蹴り殴りナイフでズタズタに切り裂かれる
あぁ、痛いなぁ
彼女もこんな思いをして死んで行ったんだろうか
「レダーさん苦しいですよね?辛いですよね?痛いですよね。けど大丈夫僕もあなたを助けたいと思ってるんです!一つだけとってもいい提案があるんです!成瀬夕コをここに連れてきてください!そしたらあなたを解放します」
なんてしたり顔で言うものだから笑ってしまう
「俺は、絶対夕コを裏切らない。これは、決まってる事だ」
そう睨み返すと彼の表情が曇ったような気がした
無言で鞭を取り出し俺の体を甚振る
とうとう体が悲鳴をあげて俺の口から血反吐がでるがそんなことを気にせずに彼は俺の体を傷つけ続けた
やばいな、血が出すぎて焦点が合わない
俺死ぬのかな
なんも考えきれない
死ぬのかぁ…
そう思いながらもふと彼の顔を思い出した
元気で明るくて面白くて
最後まで俺を気にかけてくれた人
こんな俺を支えようと思ってくれた人
俺って最低だなぁ
こんな最後に思い浮かべるのが彼女じゃなくてアイツなんだから
これじゃ2人にドヤされるわ
そう思った時だった
廃墟の扉が壊される
音のするほうを見てみると音鳴がそこに立っていた
「なんで、ここに、?」
「レダー!助けに来たで!」
そう言った瞬間その場にいた1人のヘッショを抜きそれで反応が遅れた2人を殴って気絶させた
一瞬
まさに一瞬だった
「無事やったか?」
そう言ってロープを解いてくれた
身体中痛くて力が入らず彼にもたれ掛かる感じになってしまったのは仕方ない
「うぉ、大丈夫か?」
「大丈夫、ありがとう」
疲れたなぁなんて思いながら彼が来たことで安心したのか体は全く言うことを聞かない
「なんやレダーもう疲れたんか?」
「うん」
「うんなんかい!否定せえよ!」
なんて言われて思わず笑ってしまった
「え、レダー笑った?」
「あ」
「今笑ったよな?!俺と話して!」
否定することはいくらでもできた
空耳だって言うことも出来た
だけど
「うん、笑った 」
「やった!じゃないねん!ここから出なきゃあかん!」
そう言って俺を連れ出そうとするが疲れて歩けなーいと言うとおんぶという形になってしまった
正直恥ずかしい
「ねぇ、音鳴」
「なんや!」
走ってる時半分キレながらも彼は答えてくれる
「俺の事まだ好き?」
「好きやで!なんか文句か?!」
「いーや?なんも」
「俺も好きだよ」
「え?!」
大声でそう言って彼は走る足を止める
あまりの単純さに思わず笑ってしまう
「なんでもない!さっさと行かないと敵が来るかもよ!」
「うわー!後で聞くからな!」
なんて言いながら彼は足を早める
あーぁ彼女にドヤされるな
だけど、ごめん
俺お前の分まで幸せになるから
END
.……To be continued?
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