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ずっとずっと忘れないよ

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ずっとずっと忘れないよ

3 - 白いテリア系雑種の物語 3 別れと出会い

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2025年11月18日

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次に起きたとき、僕は冷たいコンクリートの床の上にいた。そばには僕の弟妹がいた。周りには見知らぬたくさんの犬。どの犬も怯えていたり、目が狂気に歪んでいたり、希望を瞳に灯していたりとたくさんだ。でも、唯一分かるのは、どの犬もみんな怖がってる。

そんなみんなの様子を見て、僕は怖くなった。

さらに見回すと、お母さんが紅いワイヤーの首輪をつけて横たわっていた。「お母さん!お母さん?」僕は半ば喜んで近づいた。よく見ると、ワイヤーの首輪が紅く染まっているのは、お母さんの血だと分かった。

このとき、弟妹が起きて、僕らにとことこと駆け寄ってきた。

「にーちゃん。」弟のルイが話しかけてきた。「何?」「お母さん、大丈夫?」ルイの目が寂しそうに歪んだ。

「きっと、大丈夫。だよ。」

この言葉は、ルイに言ったのか、自分に言ったのかわからなかった。

でも、お母さんが起きることは二度となかった。

僕は悲しかった。同時に、なんで死ななくちゃいけないのかもわからなかった。どうして?どうしてなの?僕達、ただただ生きるために暮らしていただけなのに。どうして、死ななくちゃいけないの…

次の日、茶色い短い髪をした優しそうな女の人を先頭に数人の人がやってきた。

「誰?!なにするつもりなの!」僕は思いっきり吠えた。他の犬も吠えて吠えた。

「こんにちは。」

女の人は、たくさんの犬に挨拶をした。そして、僕をつかまえたあの意地悪そうなおじさんに声をかけた。「この子の遺体とこの子とこの子とこの子を引き取ります。」「わかりました。」

おじさんは僕らがいる部屋に入ってきた。そしてまずまっすぐにお母さんの方に進んだ。「だめ!行かないで!お母さんに手出さないでよ!ねえ!僕からお母さんを取らないでよ!ねえってば!!やめて!」僕は叫んだ。弟妹は怖くて隅で固まってうずくまっている。

「うるせえ!」

おじさんは僕を怒鳴りつけた。でも、そんなんで怯んではいられない。「どうして?あなたが殺したんでしょ?お母さんを。もうこれ以上僕らからお母さんと幸せを取らないでよ!」

怒りだけに満ちていた僕の声は、いつしか悲しみが溢れていた。僕はもうたまらなくなった。「もう!アウゥゥ‥」

僕はおもいっきりおじさんを噛んだ。今までの恨みも込めて。

「いっったぁぁ!おい!何すんだよチビ!」「こっちのセリフだよ!それに僕はチビじゃないもん。心はこっちの方が、ほうが大きいもん。」

でも、僕の声と気持ちはおじさんには届かなかった。おじさんは僕を押しのけてお母さんを掴んだ。そこに優しさは微塵も感じられなかった。「ほら、そんなふうに扱ってはいけませんよ。」

優しくよく通る声が響き、現れたおじさんは、僕を捕まえたもう一人のおじさんだった。その顔はあのおじさんと打って変わってすっごく穏やかで優しそうだった。そして僕が驚いている合間にお母さんはあの優しそうな人に抱えられて女の人のところに行った。

続いて、僕の兄弟も。

「ポリー!ルイ!嬉々助!」

僕の叫びは、弟妹にしか届かなかった。

ポリーの目から涙が溢れてきたように見えたのは気のせいだったのかな?

それから僕は独りぼっちだった。僕はもう一歳だけど、この中にいる犬の中では5番目に幼い。年上の先輩犬に「ちびころ。俺の方が上だぞ?」と言われる。そういうのは、ほぼ元野良犬だ。言われると僕は尻尾を足の間に挟んでお腹を見せないといけないぐらいだった。

そんなある日、人が何人かやってきた。そのうち一人は僕を抱いて家につれてきた。

「今日からよろしくね。シロ。」

シロ?僕はララだよ。お母さんが僕につけてくれた世界で一つだけの大切な名前だよ?

はじめは僕は戸惑った。そんな僕に愛想つかしたのか、数年後、僕はあの部屋に戻された。その時、僕は五歳になっていた。あの部屋にいたとき、僕は散歩ができなかった。させてもらえなかった。喧嘩も売られた。だから、怪我をした。初めて見たお客さんっていう人には、「うわ。汚い」って言われた。

そんなことを思い出してると、あのじめじめとした空気と雰囲気が全身にまとわりついてきた。

どんなに時が経っても大好きなお母さん、ポリー、ルイ、喜々助のことを忘れることはできなかった。ポリー、ルイ、喜々助は今、幸せかな。

数日、僕は部屋を転々とした。

「ねえ。ララ。」

僕は誰かに呼ばれて振り返った。

そこには小さなミニチュア・シュナウザーがいた。「君、誰?」「私はりん。よろしくね。」にこっと笑いかけてきたそのミニチュア・シュナウザーの女の子は、白い首輪に小さな鈴付きの赤いいちごのキーホルダーがついた首輪をつけていた。りりん、とその鈴が軽やかに音を立てた。

「ララは、ここに来た犬がどうなるか知ってる?」「ううん。知らない。」

吠え続ける犬の声がさらに強くなった気がした。僕は、息を詰めてりんの返事を待った。そしてその返事は、筆舌に尽くし難いぐらい驚きで、目の前が真っ暗に堕ちる感じだった。

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