テラーノベル
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──────めめさん視点──────
そう、契約を持ちかけるのはみぞれさんのミラー。覚悟が決まっていると言わんばかりなことを口にしたが、その表情が、目が、声が、恐怖でいっぱいであることを示唆する。
───怖いのだろう。私が。死の象徴である私が。神である私が。
当然の事だ。生きるもの全て、神に創られたもの全てが私を畏怖し、慄く。これが、目の前の少女の反応は正しい。しかし、それでもなお、神に契約を持ちかけるその美しい覚悟。
───それに反映するかのように、彼女の魂は美しく輝いていた。紫色の、黒味かかったはずの魂が、美しく、上品な輝きを放つ。
それが、彼女の人生である。ここまで美しい魂を見るのはめめ村に会って以来だ。ここまで様々な善行を積んで、色んな人を助けたのだろう。まるで、ミラーの性質とは真逆の人生を送っている。
その魂はおそらくみぞれさんの魂と天秤をした時、おそらくは同価値を持つだろう。
それほどまでに、その魂は美しく、そして綺麗だった。
「本当に____よろしいんですか?」
───聞かなくてもわかる覚悟を何回も聞いてしまう。惜しいと思ったからだ。この魂が、誰かのために、失ってしまうことが私は耐えられなかった。…罪の無い魂を私の手で葬るというのはあまりにも、残酷でそして、救いようがないものだった。
「もちろんです。もう、揺らぎません。それに、私が消えれば魔鏡は死神様がお使いになれますし。」
「まるで、あなたは死んでいいみたいな風に聞こえますよ?」
「?当たり前じゃないですか。私に生きる意味なんてないんですから。」
「…何を言って───ッ!!」
「本物に成り代わるなんて悪役じゃないですか。私は、ただ誰かを助けたいんですよ。」
───あぁ、この人は自分の命を軽く見ている。本来ならば、私は命の尊さをとき、生きることを説得すべきなのだろう。ただ、私の心は思いのほか醜いらしい。
───みぞれさんに生きて欲しい。そんな、薄汚い思いが、今、尊い命を犠牲にして叶えられようとしている。
あぁ、醜い。結局私はバカにした奴らと同じくらい醜いらしい。
「───すみません。」
「謝らないでください。これが、私の願いなんですから。」
そう、わらうクロレの顔を私は見てられなかった。見ただけで心がぎゅっと握られたかのように痛む。こんなにも善性の塊のクロレを。私は、今から──────
「あ、言い残したいことがあります。」
私が鎌をかまえ、首に当てた時に、そんな声が聞こえ、手を止める。クロレは───涙を流しながらも、満面の笑みで言った。
「私の前───クロレという名前を、みぞれに言ってください。出来れば、覚えておいて欲しいです。私の、汚いエゴをお願いします」
そう言って、瞳を閉じる。そうすると涙が溢れて、それが頬をつたう。
───最後の、暖かなそれが彼女の最後の感情だった。
パチリパチリと目を何回か瞬きをする彼女───みぞれが目を覚ます。その美しい水晶のような瞳に私の罪が映り込む。
「ぁれ───?」
まるで、機械に電源のスイッチが入ったかのように、他に言うならばこの世に生まれて初めて喋ったかのように。少しぎこちない声、掠れた声がその喉が出てくる。そのラグを治すかのようにだんだんと聞き覚えのある声へと転じていく。
「こ、こは____?あれ、私…生き、てるッ?」
戸惑った声が私の耳に響く。しかし、私はその声を聞くよりも先にその髪を見てしまう。
───黒から銀色へとグラデーションをなぞるように髪の色が変化する。
クロレからみぞれさんへと変化しているのだろう。魂の情報を読み取り体が順応しているのだろう。普通、体の特徴なんて変わらない。しかし、精霊と言うならば話は別だ。ただでさえこの世界───属性という自然現象を操っているのだ。ただの生物と同じなわけが無い。みぞれさんは世界に干渉することが出来る。____なんともまあ雑な話ではあるが、みぞれさんはこの世界において姿が固定されている、とでも言うべきか。いかなることがあろうが、みぞれさんの姿は変わることは無いだろう。
───十中八九初代最高神様の契約によるものだろう。長々と説明したが、初代様の契約によって姿が固定されているんだろう。まあ、詳しいことは私にも分からない。所詮下っ端の神はそんなものだろう。
そんなことに思考をふけっているとみぞれさんが目を大きく目を見開く。
何か、あったのだろうか。
「───ロスト…様?」
その言葉に私は一瞬肩をふるわす。───聞いたことがある名前。私が、今反旗を翻そうとする、私にとっては敵対している神の名。───現最高神である。
「───それ、どう言う意味───」
その瞬間、わたしは直ちに言葉を切り、そして、鎌を大きく振る。
理由な1つ。みぞれさんが攻撃をしてきたからだ。
みぞれさんの後ろからは地獄のような灼熱の炎と全てを凍てつかせる氷塊が勢いよく噴射される。一つ一つの殺傷力が高く、それを細かく切り刻み、大きな攻撃の合間を埋めるように連撃される。その隙間からは雷が走り、完全に場所を塞がれる。
「まあ、いいです。あなたが神であるならば。
───私は、神に牙をむきましょう。精霊王の名にかけて───ッッ!!!」
「落ち着いてくださいッッ____!!!」
「───?落ち着く必要がわからないですよ?頭おかしいんじゃないですか?」
いつもの3割増で毒舌なみぞれさんに驚きつつも、私は、その猛攻を空間を斬ることで防ぐが、完全に捌ききることは出来ない。
───数ミリの粉が私の体に傷をつけた瞬間、そこの部分が爆ぜ、肉片へと変わる。幸い、直ぐに再生したが、いつもよりも再生の速さが遅すぎる。
───今、精霊王が私に牙を剥く。
ここで切ります!
昨日投稿できなくてすみません!!普通に頭痛と腹痛で寝込んでました…!!
また、明日から3日間投稿できません!!ご把握の程よろしくお願いします!!
あ、それと前々から言っていたイラストが出来ました!
『”ぼく”とぜんさん』
こんな感じです!顔が見にくいのでドアップ(?)も!
こんな感じです!茶色い子がぼくですね。目や、髪をぜんさんと比べて単調にすることでモブっぽさが出ていると思います!!ちなみにぼくの性別は不詳です!!男の子か女の子かは皆様の解釈で大丈夫です!
それでは!また3日後にお会いしましょ!おつはる!
コメント
8件
みぞれさ〜ん⤴︎☆ その人命のオンジンネ!!?
みぞれもん!?
ぼくや…やっと姿見れた…