テラーノベル
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ステージに戻る。
照明が眩しい。
観客の声が響く。
……けれど、いるまにはほとんど届かない。
それでも、メンバーの動きを見ながら歌う。
らんがこちらを見る。
いるまは小さく頷いた。
曲が始まる。
最初は順調だった。
けれど――
「……っ」
途中で音が途切れたように感じる。
歌うタイミングが分からない。
一瞬、立ち止まりそうになる。
そのとき、なつが隣から合図を送った。
「……!」
なんとか歌に戻る。
曲が終わる。
大きな拍手。
いるまは笑顔を作った。
でも、袖に戻った瞬間――
「……ごめん」
らん「もう謝るなって」
「……怖い」
初めて出た本音。
全員が黙った。
「このまま聞こえなくなったら……どうしよう」
すち「……いるまちゃん、」
らんは何も言わず、いるまの隣に立った。
らん「じゃあ、今から一緒に病院行こう」
「……うん」
その返事だけは、はっきり聞こえた。
コメント
3件
いるまの「怖い」って本音がすごく胸に刺さりました。ステージの上で聞こえなくなる不安、それでも笑顔を作った強さ。そこに「一緒に病院行こう」と何も言わず隣に立ったらんの優しさが沁みます。最後の「はっきり聞こえた」という一文に、ほっとしたし、もっと読みたくなりました。続き、楽しみにしてますね🌷
#ご本人様とは一切関係ありません
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