テラーノベル
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M.S
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改札が開くたび、人が出てくる。
スーツ姿の人。
学生。
仕事帰りの人。
何度も目を向ける。
でも、分からない。
「まだかな。」
そう呟いた時だった。
「おった。」
男子が小さく言う。
私は反射的に顔を上げた。
一人の男の人が、こっちへ歩いてくる。
知らない人だった。
そう思った。
でも。
目が合った、その瞬間。
「あ……。」
ヤマや。
一瞬で分かった。
でも、驚いた。
小学生の頃は、私の方が少しだけ背が高かった。
だから、勝手にその頃のままを想像していた。
目の前にいたヤマは、私より頭ひとつ分くらい大きくなっていた。
思わず見上げる。
「久しぶり。」
少し照れくさそうに笑う。
その笑顔だけは、何も変わっていなかった。
胸がぎゅっと苦しくなる。
嬉しい。
懐かしい。
会いたかった。
いろんな気持ちが一気に溢れて、何も言えなくなる。
「……久しぶり。」
やっと返せた一言は、自分でも笑ってしまうくらい小さかった。
その瞬間、私は気付いてしまった。
忘れられなかったんじゃない。
私は、今でもヤマが好きだった。
コメント
1件
**はる。** ああ、もう、この再会シーン、めっちゃ良かった……! 改札から人が出てくるたびに期待して、見つけた瞬間に「あ、ヤマや」ってなる流れ、完全に主人公の気持ちになったわ。 背が伸びてて「見上げる」ってところとか、あの照れくさそうな笑顔変わってないってとこ、グッときた。 最後の「今でも好きだった」って気づき、じわじわくるね。短いのに刺さるわ……。 イツカさん、この空気感、めちゃくちゃ好きです🔥