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真っ暗だった世界が、今光に包まれた
何が起きたのかよく分からないけど
眩しくて目を閉じていたら、頭上から
優しい声がした
?))大丈夫かい?君、急に出てきたけど
優しげに私を支えるコートを着た男性と
その近くで混乱している眼鏡をかけた
男性。この人達は誰なんだろう
))えっと…誰、ですか
太宰))私は太宰だよ、後ろの人は
国木田くん
そう微笑みながら言ってくれる
でも、ここはどこなんだろう
所謂、「外の世界」とでも言う場所なのか
))えっと…太宰さん、?
ここ、どこなんですか?
太宰))…君もしかして、ずっと
携帯電話の中に居たの?
))はい、だって…出る方法が
分からないから…
太宰))成程ね…ここは君からする
「外の世界」だよ
やっぱり、そうなんだ
私は嬉しくて、泣きそうになるのを
必死で堪えていた
太宰))ところで、君は携帯電話の中に
戻りたいかい?
一瞬で血の気が引いた
もうあんな寂しい所には行きたくない
本能がそう言っている
太宰さんは私を携帯電話の中に
戻す気なのだろうか
折角出られたのに…
))…戻らないと、駄目ですか?
震える声でそう聞いた
戻りたくなかった
でも、反抗はしない方が良いとも思った
複雑な感情で、何もかもぐちゃぐちゃで
阿呆な自分に腹が立った
太宰))いや、戻りたくないのなら
戻らなくて良いんだよ
優しく頭を撫でられた
その瞬間、堪えていた涙が滝の様に
溢れ出た
))ッ、うぅ…ひぐっ…
ありがとう、ございますッ…
太宰))ちゃんと聞いているから、
ゆっくりで良いのだよ
優しく撫でながら、そう言ってくれた
世界がこんなに暖かいだなんて。
ここから始まる私達の物語…
最期まで、宜しくお願いします。
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ねくすと