テラーノベル
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百子はきれいに笑いながら少し掠れた声で応える。懸命に自らの猛りを口で、手で扱いている百子の姿は陽翔の視覚を犯すには十分だ。気を抜けばすぐに白いマグマが噴火しそうなほど、的確に百子は彼の弱点を突いている。時々口を離して先端を、鈴口を、裏筋に舌を這わせているため、小さな水音も陽翔の聴覚を犯す。白い奔流が押しとどめようとしても、あとからあとから押し寄せており、彼もいい加減限界だった。
「だめだ! 百子! 出……る! から、はな、れ……!」
いよいよ奔流が彼を飲み込もうとするので、陽翔は熱杭を百子の口から引き抜こうとしたのだが、百子が腰に両手を回してしまい、それは叶わなかった。稲妻が白く弾け、奔流が彼を圧倒したのだ。せめて腰だけは動かさないように、シーツを握って二度、三度目の奔流にやっとの思いで耐える。目の前に散った稲妻が少しずつその気配を消していったかと思えば、百子の舌が裏筋を、先端に絡みつき、口腔が引き締まって再び声を上げた。収縮していく熱杭から彼女の熱が水音と共に離れると、頭の中にさっと冬風が吹き、それで百子が何をしたか察した陽翔は、急いでベッドサイドのティッシュを取って百子の口に当てる。
「ほら、早く出すんだ。ごめん、百子……」
しかし百子は首を横に振った。そして百子は口の端から唾液混じりの白い子種が垂れていく前にそれを舐め取る。赤い舌が酷く艶かしく思えた陽翔だったが、次の彼女の言葉に目を剥いた。
「えっと……のん、じゃった、の……」
少々眉根を寄せながら百子はそう答えた。唾液で希釈しているが、白い子種は塩気が少しあり、舌をちくちくと苦味が刺し、鼻からは生のタンパク質特有の生臭さが抜けるからだ。白いそれは何度味わったところで慣れないものである。
「こら! 嫌なら飲まなくてもいいんだぞ!」
陽翔は百子を抱き上げてベッドに下ろし、頭を撫でて抱き締める。躊躇なく飲み込んだということは、それが習慣化されてると陽翔は踏んだのだ。何だか百子に《《それ》》を仕込んだ輩をどつきまわしたくなり、彼女の抱きとめる手に力を込める。
「だって……後始末が楽なんだもの。顔が汚れるよりマシだわ……」
ぼそぼそとした声が帰ってきて、陽翔は彼女から体を離して思わず睨んでしまう。
「……確かに合理的かもしれないが、嫌なことはちゃんと嫌だと言え。俺は百子に我慢させたくない。それだけは覚えておいてくれ」
分かった、と小さく百子の唇が動くと、彼女の口から生臭さが漂い、陽翔は顔を思わず顰めた。そして彼女の口に放出してしまったことを彼女に詫びて、いきなり口付けて彼女の口に舌を踊らせ、口腔を蹂躙した。
「えっ……んんっ!」
百子は陽翔のしたことが信じられずに彼の胸をやや強めに叩くものの、その手も胸板に押し付けられて抗議の声も彼の口に吸い取られてしまう。彼の唾液が生臭さと舌を刺す苦味を最大限に希釈してくれたので、百子はそれを飲みこむ。幾分だが口腔がすっきりしたので、百子も彼の舌に自分の舌を絡ませた。
「本当に酷い味だな。百子、本当にすまん」
唇が離れると、散々眉を顰めた陽翔と目が合う。苦味と生臭さが入り混じった《《それ》》は不快以外の何物でもなく、それを百子に飲ませてしまった自分に酷く嫌悪感を抱いたからだ。
「えっと……嬉しい、けど……男の人は、その……自分の……アレは味わいたくないんじゃ……?」
「確かにそうだが、自分のものの味が分かって良かったと思ってる。《《アレ》》は飲むものでも飲むべきものでも何でもないのが身に沁みた。だからちょっと待ってろ、百子」
陽翔は百子にキスを唇に落とし、少々震える足を叱咤して部屋を出た。残された百子は口元に手を当てて瞬時にその顔を赤くさせる。今までこんな風に気を遣われたことがないからだった。それでも彼の優しさに触れることができたので、じんわりと温かい何かがゆっくりと底からせり上がるのを感じている。ドアが開く音で百子の物思いは終わりを告げ、陽翔がコップと水の入ったピッチャーを持って足でドアを閉めるのをぼんやりと眺めた。彼はコップに水を注いで口に含む。
「ん……っ」
そしてそのまま百子に口付ける。彼女の喉が動くのを確認しながら少しずつ自分の口にある水を百子に受け渡し、それを三回繰り返した後に百子は彼の舌を熱心に吸って唾液も飲み込んだ。
「ありがと……東雲くん。気を遣ってくれて嬉しい」
うっとりと微笑む百子に陽翔は首を振ったが、そのまま百子の口付けを受け入れる。彼はしっかりと彼女を抱きとめ、その背中に指を這わしながら唇を奪って彼女に応えた。そして首筋に、耳にキスを落とし、胸の頂の小さな蕾を舌で転がし、つつき、吸い付いて彼女の柔肌を、高く鼻にかかる嬌声を味わい、小さく跳ねる彼女の動きを封じにかかった。そして百子がもじもじと太腿をこすり合わせるので、彼は何度したか分からないが百子の唇にキスを落とした。
「先を越されたが……ココもたっぷり可愛がってやる」
そう言いながら陽翔は獰猛な笑みを浮かべ、百子をゆっくりとベッドに寝かせ、弛緩した足をあっさりと割って彼女の茂みの奥にある秘花に顔を埋めた。
「触ってもないのにぐしょぐしょだぞ。そんなに期待してたのか」
「ひっ……いや! だめったら! ああああっ!」
陽翔の顔が自分の秘めたる部分に埋められてるというだけでも叫びたくなるのに、ぬるりとした物に花芽をなぶられるとなると、羞恥がぶわりとせり上がってしまい、百子は甲高く声を上げて足を閉じようと太腿に力を入れる。だがそれすらも、陽翔の興奮の材料にしかならない。柔らかい太腿に包まれるのもまた一興だと内心で喜びまくっている陽翔だが、頬を挟まれると舐めにくいので、彼女の太腿をそっと押し返す。とはいえ、百子の体が陸揚げされた魚のように跳ねて太腿からも力が抜けており、押し返すのは造作もなかった。
「やっぱりココが好きか」
「そこ、で、しゃべ、っちゃ、やだ! ひううっ!」
陽翔の息が蜜をまぶした花芽をくすぐり、舐めとる水音が淫靡に百子の耳朶を打ち、いやいやと首を振りながら百子は体を跳ねさせ、甘い嬌声を上げて、迫りくる甘い疼きを逃しにかかる。しかしそれも気休めに思えてくるほどに押し寄せてくる白い奔流は次から次へと威力を増して、耐えようとすればするほど疼きが百子を苦しめた。シーツを掴んでた手は引き剥がされ、陽翔にしっかりと指を絡めとられて、力の限り彼の手を握りしめる。
「まだまだ溢れてくるな。可愛い」
陽翔は舌で花芽をこね回し、軽くつついてそっとそこに吸い付く。
「ああああっ! むりっ! イッちゃ……!」
百子の腰が揺れて、体が跳ねそうになったのを察した陽翔は、彼女の秘花から口を離す。もう少しで白い奔流に身を任せられると思った百子は、それが自分を飲み込む前に突如引き下がったのを感じ、陽翔に縋るような目線を送る。自分の蜜で口の周りを淫靡に光らせている陽翔は、目を細めて百子に笑いかけた。
「無理なんだろ? だから止めたぞ」
「そ、ん、な……」
切なげに歪む百子のその顔は、陽翔の背筋をぞくぞくとさせ、昂りの質量を増やすのに十分である。わざと口の周りの彼女の蜜を舐めとると、羞恥で息を呑むのを感じ取った。
「百子、どうして欲しい?」
百子が顔を赤くしたまま応えないので、陽翔は百子の太腿の内側を舐め回し、秘花の周りをそっと指でなぞる。物欲しそうに秘花が動いているので、そこに指を、己の猛りを咥えさせて、彼女の甘い嬌声をその喉から引き出したいところではあるが、目一杯可愛がろうと決めた陽翔は苦しいながらもそれを押しとどめる。別に今百子を貫いても良いのだが、焦らせば焦らすほど彼女がさらに善がるのを知っている陽翔は、彼女の言葉が降り落ちるのを、彼女の秘花にそっと息を吹きかけたり、百子が奔流に攫われない程度に花芽を舌でつつきながら待つ。
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