新しい話です!!
孤独
嘔吐有
星導視点
(星導)「ぅ……っ、ぁ……っ」
深夜のキッチン。
冷たい床に手をついて、星導は何度目かもわからない吐き気に耐えていた。
空っぽの胃から、胃液だけが絞り出されるように喉を焼く。
さっきまで体温のあった身体は、今や火照って汗まみれ。
額から滴る汗が、ぽたり、とフローリングに落ちた。
(星導)「……なんで、こんな……っ、ひとりで……」
誰もいない。
小柳くんも、ライくんも、カゲツくんも、誰もいない。
みんな忙しいのはわかってる。
でも、ひとりでしんどいのは、こんなにも——
カシャン、と背後で皿が落ちたような小さな音がして、星導はびくりと震えた。
(星導)「……っ誰……?」
けれど返ってきたのは、しっとりとした、どこか艶やかな男の声だった。
(kozaka-c)「おぉお、よう倒れてはりますなぁ……あかん、顔真っ青や。
そないになるまで我慢したら、身体も心も潰れてまうわ」
ゆっくりと、和装の裾を揺らして近づいてくる男。
長い白髪が月明かりに浮かび、冷たい目が星導をなぞるように見下ろしていた。
(星導)「……だれ、だよ……っ」
(kozaka-c)「あぁ、すんませんな。うちは**kozaka-c(コザカ)**言います。
ほな、ちょっと失礼——」
その手が、ひどく丁寧に、けれど容赦なく星導の顎を持ち上げた。
倒れた体に力は入らず、されるがままに上を向かされる。
(kozaka-c)「ほら……泣きそうな顔して。そら、弱うなるのも当然や。
神の器言われても、人間は人間やさかいなぁ」
吐き気でまともに言葉が出ない星導の耳元で、彼はくすりと笑った。
(kozaka-c)「でも……この弱り切ったとこが、なんとも色っぽいわ。
ええもん見せてもろた、おおきになぁ」
星導の額に優しく触れる手は、氷のように冷たかった。
そのまま彼は、星導をゆっくりと抱え上げる。
(星導)「や……め、ろ……っ……っ……!」
震える声が宙に溶けていく。
扉が、ゆっくりと閉まる音。
星導は、そのまま闇の中へ連れ去られた。
もう一個のお話で完結です
コメント
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1コメー!100まで押したぜ! 体調気おつけろよ!