テラーノベル
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__次は、星雨駅。
__次は、星雨駅。
車内アナウンスが流れる。
その瞬間から、こさめはなんだか落ち着かなかった。
流星駅ではなつ。
双星駅ではいるま。
桜星駅では蘭。
鏡星駅では尊琴。
みんな、それぞれの悩みと向き合ってきた。
そして次は自分だ。
須千「緊張してる?」
隣の須千が聞く。
こさめ「してる。」
こさめは正直に答えた。
こさめ「何が出てくるか分かんないし。」
須千「そっか。」
須千は小さく笑う。
須千「でも大丈夫だよ。」
こさめ「なんで?」
須千「こさめちゃんだから。」
その言葉の意味はよく分からなかった。
けれど。
少しだけ安心した。
やがて列車が減速する。
窓の外に見えてきたのは、
雨だった。
けれど普通の雨じゃない。
空から降っているのは星だった。
水色に輝く小さな星々。
雨のように降り注ぎ、宇宙全体を優しく照らしている。
こさめ「綺麗……」
こさめが思わず呟く。
ホームにはこう書かれていた。
星雨駅
扉が開く。
六人はホームへ降り立った。
星の雨が静かに降り続いている。
冷たくない。
むしろ温かかった。
その時だった。
一粒の星がこさめの肩に落ちる。
ふわりと光る。
そして。
景色が変わった。
そこは高校の入学式の日だった。
こさめ「え……」
こさめは目を見開く。
見覚えがある。
天文部に入る前の自分だ。
『星好きなんだよね。』
昔のこさめが笑う。
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『宇宙とかも。』
『将来?』
『うーん。』
『まだ分かんない!』
その光景を見て、
こさめは少し恥ずかしくなった。
こさめ「あの頃の俺だ。」
景色が変わる。
天文部。
初めて望遠鏡を覗いた日。
流星群を見た夜。
七夕祭。
合宿。
文化祭。
たくさんの思い出が流れていく。
その中で、
ある光景だけが強く輝いていた。
夏の合宿。
満天の星空。
天の川。
そして宇宙。
果てしなく広がる世界。
こさめ「……。」
こさめは静かに見つめる。
ずっと好きだった。
星も。
宇宙も。
でも。
ただ好きなだけだった。
その時。
空が光った。
無数の星々が集まる。
やがて一つの映像になる。
それは宇宙空間だった。
真っ黒な宇宙。
その中を飛ぶ宇宙飛行士。
こさめ「……!」
こさめの目が大きくなる。
宇宙から見た地球。
青く美しい星。
そして。
その景色を見つめる宇宙飛行士の姿。
胸が高鳴る。
言葉にできないほど。
その瞬間。
こさめは気づいた。
自分が何に憧れていたのか、
何を見たいと思っていたのか。
こさめ「こさ……。」
小さく呟く。
こさめ「宇宙に行きたい。」
誰かに言われたわけじゃない。
決められたわけでもない。
ただ。
心の奥から湧き上がってきた。
こさめ「宇宙飛行士になりたい。」
静かな声だった。
けれど確かだった。
初めて見つけた夢だった。
すると。
須千「やっと見つけたね。」
須千が微笑む。
こさめが振り向く。
こさめ「すっちー……」
須千「こさめちゃん。」
須千は星空を見上げた。
須千「好きって気持ちはね。」
優しい声だった。
須千「未来へ続く一番最初の光なんだよ。」
風が吹く。
星の雨が舞い上がる。
捺が笑った。
捺「宇宙飛行士か。」
捺「すごいやん。」
いるま「な。」
いるまも頷く。
いるま「こさめならなれるかもな。」
蘭「かもじゃない。」
蘭が笑う。
蘭「絶対なれる。」
こさめ「らんくん。」
蘭「だってこさめだし。」
尊琴も微笑む。
尊琴「応援するよぉ。」
こさめは照れ隠しのように笑ってうつむいた。
頬が少し熱い。
けれど胸の奥では、不思議なくらい心が軽くなっていた。
『宇宙飛行士。』
その言葉を心の中で繰り返すたび、未来が少しだけ近づいた気がした。
その瞬間。
空から降る星々が一斉に輝いた。
まるで夢の誕生を喜ぶように。
須千はその光景を見上げる。
__夢を見つけること。
__未来へ進もうとすること。
それもまた、
ほんとうの幸いなのだろうか。
発車ベルが鳴る。
銀河鉄道が再び走り出す。
次に待つのは、
最後の駅、帰星駅。
next→♥3000(次回最終話なので多めにします)
コメント
3件
♡3000にしといたー! 最終話かぁ。 寂しいけど楽しみ! 将来を考えられるのも、好きなものを好きであり続けられるのも素敵だなって思った! 好きって言えるのがちょっと羨ましいなぁ。
こさめが「宇宙飛行士になりたい」って、静かに、でも確かに口にした瞬間、胸がじんわり熱くなりました。ずっと星が好きだったけど、ただ好きなだけだった——そこから一歩踏み出す決意が、これまでの駅での仲間たちの姿とも重なって、すごく響きました。須千の「好きって気持ちは未来へ続く一番最初の光」という言葉が優しくて、こさめの未来が楽しみになりました。次が最終駅なんですね。寂しいけど、最後まで見届けたいです🌷