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がちでこれにハマってしまった人で〜すw
― 続編:世界を壊して、きみだけを ―
再会は、あっけなかった。
施設を出て3年。
ひとつ歳をとった大人の身体に、まだ治らない心の傷だけを詰めこんで。
俺――ないこは、東京の片隅でバイト暮らしをしてた。
りうらの噂は、聞かなかった。
お互いもう“忘れられた過去”で、誰も気にしない。
地獄の共犯者なんて、世間にはもう存在していないものとして扱われていた。
でも――
「おい、ないこ」
振り返った瞬間、心臓が爆ぜた。
そこにいたのは、少し背が伸びて、大人びた声になったりうらだった。
「遅かったな」
「……バカ、迎えに来るならもっと早くしてよ」
「いや、あえて待ってた。
……もう一回、始めたかったからさ。“ふたりの世界”」
◆
俺たちは、また“同居”を始めた。
一DKの狭いアパート。
バスルームはひとつ、ベッドはひとつ。
でも、俺にはそれで十分だった。
毎晩、りうらの匂いを吸いながら眠る。
朝はりうらの寝癖に笑いながら起きる。
昼はふたりで働き、夜は寄り添ってテレビを見る。
この世界に、ふたり以外はいらない。
でも、りうらは、言った。
「ないこ。やっぱりさ、
“壊したい”って気持ち、消えてねぇんだわ」
「うん。俺も。
俺たちだけが幸せになれる世界を、作りたい。
それ以外の奴ら、もういらない」
◆
第一のターゲットは、あの時、俺たちを“止めなかった”元担任。
SNSで笑ってる顔を見つけて、殺意がわいた。
「まだ生きてんだ、あいつ」
「ねぇ、もう一度、“部屋”作らない? ふたりだけの、特別なやつ」
「いいね。今度は、防音完璧なやつにしよ」
淡々と準備していく日々。
ふたりで選ぶ道具。
ふたりで決める手順。
まるで恋人が、初めての旅行を計画するような幸福感だった。
◆
――第一の復讐は、成功。
罪悪感も、後悔も、なかった。
その夜、風呂場でりうらに抱かれた。
首筋に歯を立てられて、血の味と愛の味が混ざる。
「俺さ、お前の血で酔えるわ」
「俺も、お前の声でしか、イけない」
おかしい。
普通じゃない。
でも、こんなにも幸せ。
世界は壊れていくのに、ふたりだけは満たされていく。
◆
その後も、静かに、ゆっくりと。
ふたりの“復讐”は続いた。
昔俺たちを笑ってた奴ら。
通報したクラスメイト。
俺の手紙を検閲した心理士。
無関心だった近所の人たち。
……ひとりずつ、名前を消していく。
「ねぇ、りうら。
いつか、全部壊し終わったら、どうする?」
「んー、そしたら……
また、ふたりで死のうか。
今度こそ、絶対に成功させて」
「うん。ふたりで、世界ごと終わらせよ?」
笑った。
心の底から。
ふたりきりの世界を作るために、他のすべてを消し続ける。
誰も止められない。
誰も気づかない。
俺たちはただ、黙々と、ふたりだけの“幸福”を育てている。
地獄の中で、
いちばん甘くて、いちばん惨くて、いちばん愛おしいこの毎日。
――まだまだ、
世界を壊していく旅は終わらない。
『 お願い、きみが欲しいの。
今度こそ、世界全部飲み干したいんだっだっだってば♡』
――終わらない地獄、それが愛
コメント
6件
待ってモニタリングやんけ… お願い君がほしいの♪
狂いまくってるねえ。本当好き❤️
......もうこれ連載になってない?w