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『本当の地獄を見せてあげる♡』

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『本当の地獄を見せてあげる♡』

6 - 世界を壊して、きみだけを

♥

50

2025年06月23日

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がちでこれにハマってしまった人で〜すw









― 続編:世界を壊して、きみだけを ―


 


再会は、あっけなかった。

施設を出て3年。

ひとつ歳をとった大人の身体に、まだ治らない心の傷だけを詰めこんで。


俺――ないこは、東京の片隅でバイト暮らしをしてた。

りうらの噂は、聞かなかった。

お互いもう“忘れられた過去”で、誰も気にしない。

地獄の共犯者なんて、世間にはもう存在していないものとして扱われていた。


でも――


「おい、ないこ」


振り返った瞬間、心臓が爆ぜた。


そこにいたのは、少し背が伸びて、大人びた声になったりうらだった。


「遅かったな」


「……バカ、迎えに来るならもっと早くしてよ」


「いや、あえて待ってた。

……もう一回、始めたかったからさ。“ふたりの世界”」


 



 


俺たちは、また“同居”を始めた。

一DKの狭いアパート。

バスルームはひとつ、ベッドはひとつ。

でも、俺にはそれで十分だった。


毎晩、りうらの匂いを吸いながら眠る。

朝はりうらの寝癖に笑いながら起きる。

昼はふたりで働き、夜は寄り添ってテレビを見る。


この世界に、ふたり以外はいらない。


 


でも、りうらは、言った。


「ないこ。やっぱりさ、

“壊したい”って気持ち、消えてねぇんだわ」


「うん。俺も。

俺たちだけが幸せになれる世界を、作りたい。

それ以外の奴ら、もういらない」


 



 


第一のターゲットは、あの時、俺たちを“止めなかった”元担任。

SNSで笑ってる顔を見つけて、殺意がわいた。


「まだ生きてんだ、あいつ」


「ねぇ、もう一度、“部屋”作らない? ふたりだけの、特別なやつ」


「いいね。今度は、防音完璧なやつにしよ」


淡々と準備していく日々。

ふたりで選ぶ道具。

ふたりで決める手順。


まるで恋人が、初めての旅行を計画するような幸福感だった。


 



 


――第一の復讐は、成功。

罪悪感も、後悔も、なかった。


その夜、風呂場でりうらに抱かれた。

首筋に歯を立てられて、血の味と愛の味が混ざる。


「俺さ、お前の血で酔えるわ」


「俺も、お前の声でしか、イけない」


おかしい。

普通じゃない。

でも、こんなにも幸せ。


世界は壊れていくのに、ふたりだけは満たされていく。


 



 


その後も、静かに、ゆっくりと。

ふたりの“復讐”は続いた。


昔俺たちを笑ってた奴ら。

通報したクラスメイト。

俺の手紙を検閲した心理士。

無関心だった近所の人たち。


……ひとりずつ、名前を消していく。


「ねぇ、りうら。

いつか、全部壊し終わったら、どうする?」


「んー、そしたら……

また、ふたりで死のうか。

今度こそ、絶対に成功させて」


「うん。ふたりで、世界ごと終わらせよ?」


笑った。

心の底から。

ふたりきりの世界を作るために、他のすべてを消し続ける。


誰も止められない。

誰も気づかない。

俺たちはただ、黙々と、ふたりだけの“幸福”を育てている。


地獄の中で、

いちばん甘くて、いちばん惨くて、いちばん愛おしいこの毎日。


 


――まだまだ、

世界を壊していく旅は終わらない。


 


『 お願い、きみが欲しいの。

今度こそ、世界全部飲み干したいんだっだっだってば♡


 


――終わらない地獄、それが愛




『本当の地獄を見せてあげる♡』

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コメント

6

ユーザー

狂いまくってるねえ。本当好き❤️

ユーザー

......もうこれ連載になってない?w

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