テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#シークレットベビー
#ヤクザ
夏目萌*優しい彼~コミカライズ
1,277
西原衣都
639
猫塚ルイ

757
「――ッんぁっ、……」
異物が入る初めての感覚に一瞬顔を顰めつつも、羽衣子は小さく声を上げる。
「……っゃ、……あぁっ、」
昴の指がゆっくり奥へ入り込んでくる感覚に恐怖を覚えたのか、羽衣子は昴の服をギュッと強く掴んだ。
「痛いか?」
「……っ」
昴の問い掛けにフルフルと頭を横に振る羽衣子。
痛みは無いが、何とも言えない感覚が言葉で言い表せない。
「不安なんだよな? 悪い。こういう時どうすればいいか分からねぇが……お前が少しでも恐怖を感じねぇように優しくすることくらいしか出来ねぇ……」
言いながら昴は膣内に入れている指を動かすと、羽衣子が少しでも気持ち良くなる部分を探っていく。
「……っあ、……やっ……ぁん、」
初めこそ不安や恐怖で頭がいっぱいだった羽衣子だが、慣れてきたのか昴の指の動きに合わせて嬌声を上げるようになると、それに安堵した昴もまた、彼女をもっと気持ち良くしようと唇を塞いで強引な口付けをする。
「――ッんんっ、……あっ、……んんっ」
少し強引なキスと愛撫に羽衣子の身体は反応し、頭の中は真っ白になっていき、次第に厭らしい水音が聞こえてくると、羽衣子の中には羞恥心が湧き、昴は更に欲望が掻き立てられていく。
徐々に乱れていく羽衣子を前に、昴は余裕を失いつつあるも、怖がらせないよう、傷つけないよう自身の欲を懸命に抑えてただ彼女が気持ち良くなることを優先する。
「羽衣子、指、増やすぞ?」
「……っ、」
昴のその言葉にピクリと反応を示し、戸惑うように彼へ視線を向ける羽衣子の頭を撫でながら、
「大丈夫だ、これだけ濡れていれば本数を増やしても痛みは感じない」
恐怖心を与えないよう優しい言葉をかけていく。
そんな昴を信じている羽衣子はコクリと頷くと、昴は腟内へ更に一本挿れていく。
「――ッんん、」
慣れたからなのか、濡れているからなのか、指が増やされた羽衣子はどこか気持ち良さそうな反応を示し、それを前にした昴の気持ちが更に昂り、早く羽衣子の腟内へ自身のモノを挿れたい衝動に駆られていた。
けれど、昴はそこで気づいてしまう。
避妊具の用意が無かったことに。
寝室へ戻れば避妊具自体はあるものの、今ここで中断するのは正直難しい。
しかも、寝室では希海が寝ていることもあり、万が一にも起こしてしまうリスクがある。
かと言って避妊具をせずにするにはリスクがあり過ぎる。
(……悩むことじゃねぇだろ……今すぐ止めるべきだ……)
頭では十分理解している。
大切な羽衣子にリスクを背負わせることをすべきでは無いと。
だが、ここまで来てしまった今、このまま止めるという選択をすることは互いに辛い気持ちもある。
悩みに悩んだ昴は、羽衣子の腟内へ挿れていた指を引き抜くと、口を開いた。
「――悪い、羽衣子……その、このまま続きをするのは、少し難しくなっちまった……」
「……っ、え……?」
上がった息を整えつつ、羽衣子はどういうことなのかと昴へ視線を向ける。
「……あ、あの……もしかして、わたし……なにか、昴さんの気に障るようなことを……っ?」
「違う! そうじゃねぇんだ。その……こんな状況で言うことじゃねぇんだが……避妊具の準備が……ねぇんだ」
「!」
昴の言葉に羽衣子はハッと気づき、頬を赤く染めた。
「流石にしないでこのままするのはリスクしかねぇし、お前に不安を背負わせることもしたくねぇ」
「……昴、さん……」
羽衣子だって、避妊具をせずに行為に及べばどういったリスクがあるかくらい理解している。
ただ、互いに気持ちが昂り合ったこんな状況下でそれを理由に行為を中断するなんてと羽衣子は昴の言動に感動した。
(きっと、辛いはずなのに、そんな風に思ってくれるなんて……)
友人からの話で、男は性欲を抑えることが難しい場合が多いし、中には避妊なんてしないで求めてくる奴もいるから気をつけなよ、なんて言っていたことを思い出した。
(昴さんだって絶対辛いはずなのに、きちんと考えてくれてる……しないのはリスクはあるけど、でも……)
どこか辛そうな昴を前にした羽衣子は彼に向かって両手を伸ばすとそのまま背中へ回していき、
「…………お願いします、止めないで……、続けてください……」
抱きつく形で昴へ身体を近付けた羽衣子は、自分の思いを口にした。
「何言ってんだ。分かってるのか? リスクしかねぇんだぞ?」
「それは、分かってます……でも、このまま止めるなんて……嫌……っ、私、覚悟決めたんです! 昴さんにならって……だから……」
そんな羽衣子の思いを聞いてしまった昴は、このまま止めるなんて出来るはずが無かった。
(……男として、最低なことをするかもしれねぇけど……そんなこと言われちゃ、止めることなんて出来ねぇよな……)
「――分かった。ただ、絶対膣内には出さねぇようにするから……羽衣子の初めて、俺にくれるか?」
「……はい」
昴が羽衣子の背に腕を回したことで抱き合う形になり、見つめ合った二人はどちらからともなく唇を重ねると、貪るように互いを求めていった。
コメント
1件
読み終えました……もう、胸がいっぱいです。昴さんが自分の欲望より羽衣子のことを優先して、避妊具がないからって一度止まろうとしたシーン、本当に素敵でした。「リスクを背負わせたくない」って言葉に彼の誠実さが全部詰まってる。そしてそれを受けて「覚悟を決めた」と伝えた羽衣子の勇気にもじんわりきました。お互いを想い合うからこそ辿り着いた二人の選択、すごく温かかったです。いいお話をありがとうございます🌷