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「残念だけど、それは難しいだろうな」と羽田氏は言った。

「もちろん、今すぐにとは言いません」

時計台脇に停まる、黒塗りのベントレーのエンジンが吹き上がった。

サークル部員のみならず、観客の一部も群がっていて、歩道の交通の邪魔になっている。「来年の学祭でもいいですから」 俺の声は嗄れている。

「副社長、そろそろ行かないと」

秘書らしき女性が、弱々しく羽田副社長に声をかける。羽田氏は車に乗る。

車の窓が開いた。

「君もミュージシャンなら、もうこれ以上言葉は要らないだろう」と副社長は言った。

「でも、このままでは俺……心が八つ裂きになってしまいます」

観客から声があがった。

「もういいじゃないか。出雲、お前はよくやった」

バンドメンバーが、サークル部員が、そうだそうだと同意する。

弘子が肩から道具箱をぶら下げているのが目に入った。あの箱の中には、はさみがあったはずだ。俺は彼女から箱をもぎ取ると、ふたを開けた。チケットの半券が路上にこぼれ、はさみも落ちた。俺はそれを拾うと、髪を切り出した。

「やめて」弘子が悲鳴をあげる。

左右の長さは違うだろう。耳が出る不恰好な髪形だろう。でも、そんなことはどうでもいい。

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