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なにわ男子 道枝×長尾 BL ※短編×非エロ
start
┈
道枝駿佑side
朝の光で、目が覚めた。
……近い。
近すぎる。
隣で寝てる長尾の顔が、
思ってたよりずっと近くて、
一瞬、呼吸止まった。
(……昨日の流れ、思い出すな)
視線逸らそうとした瞬間、
長尾がもぞっと動く。
「……みっちー?」
寝起きの声。
低くて、少し掠れてる。
「……おはよ」
「……おはよ」
一拍。
気まずい。
いや、正確には——
照れてるだけやけど。
「……なんで目逸らすん」
長尾が、不満そうに言う。
「別に」
そう答えたけど、
視線は合わへん。
「……昨日のこと?」
小さく聞かれて、
心臓、跳ねる。
「……覚えてる?」
「……覚えてるに決まってるやろ」
そう言った瞬間、
長尾の耳が赤くなる。
「……じゃあ」
俺の袖、
きゅっと掴まれて。
「……恥ずかしいから」
「あんま見んといて」
(……今さら)
「無理」
正直に言ったら、
長尾、布団引き上げる。
「……意地悪」
「長尾が可愛いのが悪い」
布団の中から、
小さく「ばか」って聞こえた。
┈
朝ごはん。
キッチンに並んで立ってるのに、
微妙に距離ある。
「……昨日」
長尾が、
急にぽつっと言う。
「……ありがと」
「何が」
「……全部」
こっち見ずに言うの、
ずるい。
「……俺の方こそ」
そう返したら、
一瞬だけ目が合う。
すぐ逸らされるけど、
口元は、ちょっと笑ってた。
┈
ソファ。
並んで座ってるのに、
また静か。
でも。
長尾の小指が、
そっと俺の指に触れる。
絡めるでもなく、
離れるでもなく。
「……なに」
聞いたら、
小さく返ってくる。
「……くっつきたいだけ」
……ほんま。
可愛いとこだけ、
全部持っていく。
指、絡めて。
「じゃあ」
「ちゃんとくっつこ」
肩に頭、乗せられて、
長尾が小さく息吐く。
「……落ち着く」
「……俺も」
昨日のことは、
詳しく話さん。
でも、
ちゃんと残ってる。
その空気ごと。
┈
finish