「今だけは、俺のこと」
ベッドサイドのランプが、私たちの間に弱い影をつくっている。
お互いが近すぎて、なにかの拍子に顔が触れてしまいそうで、どう呼吸をしていいかもわからなかった。
「……俺だって、離れたくないよ。でも、なるべく近づかないようにしてた。美穂(みほ)には、安心して休んでほしかったから」
晴(はる)さんの言葉は、話すというより、まるでひとり言だった。
自分自身に言い聞かせるように呟き、晴さんはふいに表情をゆるめる。
「それなのに……ごめん。こんなふうに近くなったら……怖かったよね」
余裕のない瞳に、いつもの“ 久世(くせ)さん”が戻ってくる。
目の前の体が動き、離れようとしているのを感じて、私は咄嗟に首を横に振った。
「怖くなんてないです。晴さんを、怖いなんて思うはずないじゃないですか」
晴さんは動きを止め、大きく目を見開いて私を見つめた。
晴さんを「怖******************
****************
*************
****************
********************
******
*************************
**********
コメント
1件