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服を選ぶでもなくぼーっと突っ立っていたら、「どうかした、美都」と、ぽんとアミに肩を叩かれた。
「う、ううん、なんでも」と、作り笑いを貼り付ける。
「そう? ねぇ、美都は服は買わないの?」
「……私は、別にいいかな……」
「なんでよ、美都も何か買いなってば。……そんな寂しそうな顔してないで」
「寂しそうな顔?」と、呟く。笑ってごまかしたつもりが、思いっきり表情に出ちゃってたんだと、「そんなことないって! 今日はいいかなって思っただけで、寂しいとかそんなことは……、」慌てて言いつくろおうとすると、
「あのね、美都。あんたってば、いつもバレバレなの。そんな泣きそうな顔で、気持ちに嘘つかなくてもいいから」
言葉の途中で、ぴしゃりと遮られた──。
チーフのことを考えていて、泣きそうになるだなんて、いい加減私も救われないなと感じる。
「いいからほら、美都もたまにはこういうワンピとか着なって。いつもモノトーンでかっちり目なパンツルックばっかなんだから」
アミがにっこりと笑ってそう話すと、淡い水色の地に小さな白い小花が散りばめられたワンピースを、私にグッと押し付けた──。