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夕方、家に帰って、美優は食事の準備。
洋平は、隣りの自分の部屋から
残っていた荷物を運び込む
「はあ〜全部持って来た」
「お疲れ様〜」
隣りは、会社が借り上げている部屋だから、
冷蔵庫や洗濯機、家具、家電は、そのままだ。
そもそも、洋平は、マレーシアから帰って来て
ほとんど美優の部屋で過ごしていたから、
部屋は、綺麗なまま。
時々、スーツに着替えたり、寝るためだけに帰っていただけ。
スーツや細々した日用品ぐらいしかなかった。
「ほとんど、スーツ類だけだね」
「うん」
「全部クローゼットに入る?」
「う〜ん、たまにしか着ない洋服を美優の方に入れても良い?」
「良いけど……着るの?」
「あ〜着ないか……」
「じゃあ処分しようよ」
「美優は、サッパリしてるね」
「どうせ毎年、新しい服が欲しくなるから、着ない服は、ありがとうって、サヨナラしないと、増えるだけだから……」
「そうだな、どうせまた買うよな」
「うん、だって……コレ……」1枚摘んで取り出して、
「コレ着てる洋平は、見たくないなあ」
「あ、出張に持って行ってた服、なんという持ち方……ハハ」
「ふふ、サヨナラ、しようか?」
「そうだな、これからは、俺が変な格好をしてたら、美優が奥さんとして見られるものね。じゃあ、コレは全部処分」
「うん。ほら、あとは全部、入ったじゃない!良かった」
「うん、奥様、次からも選別お願いします」
「ふふ、私、ほとんど処分しちゃうわよ」
「うん、その方がいい」
ゴミ箱に捨てようとするから……
「あ!」
「ん?」
「処分するけど、お掃除に使ってからよ。
きちんと最後まで使ってあげないと……」
「ふふ、お婆ちゃんの知恵袋」
「ちょっと!誰が《《お婆ちゃん》》よ」
「褒め言葉だよ」
「ちゃんと、物にも感謝をこめて、最後までね!」
「美優ホントに27歳?」
「どうして?」
「時々、古風なところが出て来るから……」
「お婆ちゃん子だったからね」
「そっかあ〜」
「さあ、そろそろ食べようか? あ〜シャワー浴びて来て!」
「は〜い! ママ」
「産んだ覚えないわよ!」
「ハハ」
「ハイ、どうぞ〜」
「うわ〜美味しそう〜」
ワンプレートに、並んだ洋食
「リクエストの洋食料理! オトナのお子様ランチ」
「すごいね〜」
ミニオムライス、ハンバーグ、エビフライ、
サラダ、ミニグラタン、タコさんウインナー、
コーンスープ
「デザートは、あとでね」
「うん、美味しそう、食べよう!」
「シャンパン買ってあるの、開けて〜」
「OK〜」
ポン!
グラスに注いで……
「32歳のお誕生日おめでとう〜」
「ありがとう〜」
「そして、結婚に乾杯〜」
「乾杯〜おめでとう〜」
「おめでとう〜ふふ、自分たちで言う〜」
「こんなので良かったの?」
「うんうん、嬉しいよ〜」
「ふふ、子どもみたい」
「う〜ん、美味しい〜」
──可愛い〜
「良かった」
ニコニコしながら食べてる洋平
「幸せ〜」
仲良く一緒に食べて……
「洋平! はい、プレゼント」
「え〜プレゼントあるの? ありがとう〜開けてもイイ?」
「うん」
「うわ、腕時計、カッコイイ〜」
「たくさん持ってるだろうけど……」
「ううん、嬉しい! ありがとう〜」
「実は……お揃い!」
「あ〜ホントだ、ペアウォッチ、イイね〜」
「うん、同じのが欲しくなって……」
「美優〜♡」
──可愛い〜
「一緒につけような」
「うん」
「うわ、ラブラブって言われるなぁ〜」
「ふふ、イイんじゃない? 新婚だし……」
「そうだな、新婚旅行にも行けないし……落ちついたら行きたいなぁ」
「うん」
「美優どこか行きたい所ある?」
「日本なら沖縄、海外ならモルディブ」
「あ〜イイね〜沖縄は行ったことあるけど、モルディブはないから行ってみたいなあ」
「うん、海が綺麗で水上コテージで、のんびり過ごせそうだもん」
「イイね〜行きたいね〜美優の水着姿〜」
「ちょっと〜今、すご〜くエロい想像したでしょう?」
「そんなことないよ」
「顔が……」
「へへ」
「ふふ。ね〜マレーシアはどうだった?」
「普段は、綺麗だし、良い街なんだけど……
今は、コロナで大変だった。結局、リモートワークなら、どこでも出来るじゃん!って思ったけど、動けないし、俺このまま帰れないんじゃないか? と思ったら怖かったよ。日本に帰ってもしばらく隔離だし……
早く美優に会いたかったのに……」
「そっかあ〜この時期だし、あんまり良いイメージが残らなかったんだね。ヨシヨシしてあげよう」
「うん♡」
「ふふ、あとでね。デザート用意するね」
「うん、楽しみ〜」
プレートに、昨日、混ぜて固めておいた、パンナコッタをカップのまま乗せて、ホイップ、イチゴ、ミントの葉を飾る。
プレートにチョコペンで
Happy Birthday♡Yohei
With Love ♡ from Miyu
(愛を込めて)
バニラアイス、チョコアイスの周りに
フルーツを盛る
段々に飾り切りしたリンゴ
オレンジ、イチゴ、パイナップル、キウイ
雰囲気で、電気を消して、32の数字ロウソクと
ケーキ用の線香花火を飾る
「どうぞ〜」
「うわ〜すご〜い!」
「ふぅ〜して〜」
「一緒に消そう! せ〜の」
「ふぅ〜」
「おめでとう〜」
チュッ
「ありがとう〜」って、捕まった
もう一度、しっかりキス
「溶けちゃうよ、食べよう」
「うん」
「う〜ん、ウマッ!何これ? いつの間に作ったの?」
「パンナコッタ、昨日、洋平がお風呂に入ってる時に混ぜて冷やしただけだよ」
「へ〜そうなんだ、最高〜」
「うん、美味しいね〜良かった」
「美優〜俺もう幸せ〜」
「ふふ」
むぎゅー
「良かった、洋平が生きて帰って来てくれて……」
「うん」
キスは、甘〜いアイスの味……
「美優、今日は……新婚初夜だよ〜♡」
「あっ」