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「美優〜おはよう♡」
「おはよう〜」
朝食の用意をしている美優
「な〜に、その顔?」
「ふふふふ♡」
「もう、いやらしい顔〜早く顔洗って用意して、
遅れるよ」
「は〜い」
「いただきま〜す」
「いただきます」
「今日、発表だよね〜」
「うん」
「楽しみだね〜」
「ふふ、な〜に? すごいニヤけてる」
「そりゃあ、そうでしょう! 今日は、一緒に行こうね」
「そうね〜」
「着いたら、真っ先に部長に報告しようよ」
「うん」
「美優、テンション低〜い」
「洋平が高過ぎるんでしょう〜ふふ」
朝からニヤニヤ
そう言って、マンションから初めて一緒に出勤。
同じ部だから、並んで歩いていても、特に不自然ではない。
「おはようございます」
後ろから同期の山本が来た
「あ、おはよう〜」
「おはよう!」
「珍しいですね、2人一緒って……」
「うん、あとで発表するよ」
「ちょ、洋平」
「ん? 交際宣言ですか?」
「ふふ、あとでな……」
「へ〜良かったな、鈴木」
「う、うん」
「なあ、山本くん、今度、井上くんと4人で一緒にメシ行こうよ」
「え! ホントですか? 僕らもずっと杉野課長と話したかったんです。鈴木《《さん》》のことも……」
「お〜それそれ、ゆっくり聞きたいし……」
「え〜ヤダなぁ、山本、何言うつもりよ〜」
「いや、ありのままを……」
「余計なことは、言わなくていいからね」
「なんのことかなあ?」
「ちょっと!」
「楽しみだなぁ、鈴木《《さん》》」
「洋平……」
「おはようございます」
エレベーター前で、続々、人と会う。
山本が居ることで、特に違和感はない。
そのまま、私は女性更衣室のある階へ
そして、制服に着替えて、部内へ
「おはようございます」
部長の姿を確認
洋平と目を合わせて、頷く
机に私物を置き
2人で部長の席へ
「部長、おはようございます」
「おはよう」
「少々お時間頂戴できますか?」
「あ、はい」
2人の姿を見て、察してもらえたようで、
すぐに会議室へ
まだ、数人しか出社していなかった。
「2人で来たということは……」
「はい、昨日、婚姻届を提出致しました」
「お〜そうか、おめでとう」
「ありがとうございます」
「ありがとうございます」
「では、堂々と発表できるね」と美優を見る
「あ、はい」
「じゃあ、今日は週はじめの朝礼があるから、その時でいいかな?」
「はい、よろしくお願いします」
「人事には、そのあとに知らせるよ。人事部長は、
又、すぐに飛んで来そうだから……ハハ」
「そうですね」
「では、よろしくお願いします。失礼します」
「よろしくお願い致します。失礼致しました」
何事もなかったかのように席に戻り、
書類整理をする美優。
山本が近づいて来て、
「何、何? ただならぬ雰囲気」
「ん? さあ〜ね〜」
「おいおい、水くさいなあ〜」
井上が出社してきた
「ん? どうした?」
「いや、なんか……」
「あ、山本! さっき杉野課長がなんか言ってたでしょう?」
「あ、杉野課長が俺とお前と、課長と鈴木でメシ行こう!って……」
「えー! すごく嬉しいんだけど……杉野さん、超カッコイイよなぁ〜あ〜いう男になりたい!」
「へ〜そうなんだ」
「いや、あの人は、男から見てもカッコイイよ」
「ふ〜ん」
──そうなんだ、すごく嬉しい、でも言えない……
「早くヨリ戻せよ」
「いや、朝2人で並んで出勤してきたんだよ」
「たまたま会ったのよ」
「へ〜、ホントはヨリ戻したんだろ?」
「え? そうなの?」
「杉野課長があとで発表するって言ってた」
「トイレ行って来よう〜」
「あ、逃げた。課長に聞くのもなぁ、あとで発表するって言ってたんだろ?」
「うん」
──危なかった……
いつも通り、朝礼が始まった。
美優の胸は、ドキドキして張り裂けそうだった。
「ふぅ〜」
思わず、深呼吸
各課の報告がおわり、部長の話が終わると……
進行役の次長が
「では、他に何かありませんか?」
一瞬、あれ? こちらから言うのかな? と思ったが……
「では、私から……」と、部長。
「杉野課長、鈴木さん、こちらへ」
「はい」
「はい」
皆んな神妙な面持ちで……
「え〜この度、このお2人がご結婚されました」
と、部長が言うと……
一瞬、皆んな固まり
「えー‼︎」
「えー! そうなんですか〜?」
と、山本、井上がいち早く大きな声をあげた。
「はい」
ようやくニコニコ
「おめでとうございます」と口々に……
そして、拍手!
「ありがとうございます」
「え〜ビックリ〜」
「全然知らなかった」
「すご〜い、お似合いですね〜」
「え〜ショック〜」
──やっぱり洋平ファンからは、非難を浴びそう
「そういうことだから……杉野くん、どうぞ」
「ありがとうございます」
「え〜このような場でお時間を頂戴し、発表することをお許しください。
私、杉野洋平と、美優は昨日、婚姻届を提出し夫婦となりました。
こういうご時世ですので、式は、当面控えさせていただきますので、このようなお知らせとなりました。
未熟者の2人ですが、今後とも、どうぞよろしくお願い致します」
パチパチ パチパチ
「おめでとう〜!」
「おめでとうございます」
「はい、では、朝礼を終わります」と次長。
「ありがとうございました」と、部長、次長に
挨拶し、席へ
「オイオイ、どうなってんだ?」と、1番驚いたのは、山本と井上だ
「ふふ、そういうことよ」
「美優さん、おめでとうございます」
後任の片岡さんと後輩女性陣が口々にお祝いしてくれた。
「だから、片岡さんが後任に? 辞めないですよね?」
「うん、すぐには辞めないわよ」
「今、美優さんに辞められたら、私、無理です」
「うんうん、少しずつ覚えていってね」
「ありがとうございます」
「お2人、ホントお似合いです。憧れます」
「ありがとう〜」
「うわ〜指輪すご〜い! 綺麗〜婚約指輪と結婚指輪ですか?」
「うん」
「イイなぁ〜綺麗〜杉野課長、完璧〜!」
「課長とは、いつからですか?」
「あ〜私が入社してすぐから彼が海外赴任するまでは、2年ほどお付き合いしてたの」
「え〜そうなんですか?」
「うん、そしてまた、帰って来てからね」
「そうなんだ〜素敵〜5年も待ってたなんて……
実は……美優さん、こんなにお綺麗なのに、どうして結婚しないんだろう? って言ってたんです。いつも山本さんや井上さんといらっしゃるから、どちらかかなぁ? って……」
「あ〜あの2人は同期だから昔から知ってるだけよ」
「そうなんですね」
「あ〜私は、ショックです。杉野課長、好きだったのに〜」
「あは、喜ぶわ、こんなに若い子に思われて……」
「うえ〜ん。でも、美優さんなら敵わないから、仕方ないから諦めます。
課長をよろしくお願いします」
「うんうん、ありがとね〜」
「お2人が並んだ時、ホントにカッコ良くて、素敵で完璧でした。いつも美優さん、髪を1つに束ねてるのに、今日は、ゆるふわで、お綺麗で〜女優さんみたいでした。課長もイケメンでカッコイイし……」
「ありがとう、言い過ぎよ、なんか恥ずかしいなぁ、今から秘書モードだから、また束ねるわね」
「私の憧れです。お幸せに〜」
「ありがとう〜」
一通りのお祝いをいただき、そろそろ取締役が出社される時間だ。
洋平も男性陣から色々聞かれてるようだ。