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突発的に思いついたのですぐ終わる
ただ喧嘩したオリエンス
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任務終わり直後、疲れきったヒーロー達は勝利に似つかわしくない言い合いをしていた。
「ーー!!」「ーーーー!!!ー!」
「だったら何?リトくんは….す、救えたはずの人間を!!見殺しにしろって!僕に言うの??!」
「っ!お前なぁ!」
数々の言い合いの中思わずリトはテツの胸ぐらを掴んでいた。
「な、なんだよ…..」
「ねぇ、もうやめなって…!2人とも、」
「お前はさ….テツ、俺がそんなに心無い人間だって….そう言いたいのか?」
「そ、それは………あ、ぅ..」
「なぁお前ら、もうやめろや。」
「…マナわりぃ…..俺気分悪いわごめんけど先帰るわ、ほんとにごめん」
「ちょぉ、リト待てって!」
リトくんは僕を掴んだと思ったら悲しそうな顔していたいつもより怖く思えて、僕は何も言えなかった。
リトくんはほかの2人に止められて僕を離し帰って行った、その後ろを急いでマナくんが追いかけて…..2人とも帰って何処か行ってしまった。
「災難だったね〜、こんなこと言っていいか分かんないけど..ww」
「…….」
「…..2人きりになっちゃったね。リトセクはさ、あんなこと言ってたけどそんなこと気にしなくていいからね!あんまり気落とさなくていいからさ!! ねっ!」
「ありがとう…ウェンくん、気遣ってくれて。」
「まぁね!なんかこんな所で話し込むのもアレだからさ、カフェかなんか行こっ!」
「いいの?僕その、お金ないけど…..」
「いいのいいの!ある種のなぐさめだからさ、これくらい僕にもさせてよ。」
「じゃあお言葉に甘えさせてもらうねウェンくん。」
「ん〜!よし行こっか!」
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少し落ち着いた老舗特有のレトロ感漂うカフェに着くとウェンくんは任務終わりの一杯っ!と言ってメロンソーダを頼んだ。
机にはウェンくんのメロンソーダ、自分のコーヒーが机にあり、窓から漏れる陽の光に当てられてキラキラと輝いて見えた。
「にしてもさぁ?テツが気にするような事じゃないからさ~、あんまり重く気に停めなくてもいいと思うよ~?」
「そう?」
「うんうん!任務に支障が出たら本末転倒になっちゃうでしょー?ウチらヒーローだし、救えない事だってあるからさ、テツは優しいから全部全部手が届かなくても助けたくなっちゃうんだもんね….。」
「うん….全部救ってあげたいって思っちゃうんだ。」
それが”絶対的ヒーロー”である”佐伯イッテツ”としての考え。
「ふぅーーん、早いとこ仲直りできるといいね〜。マナがずっと不安そうに喧嘩してた2人のこと見てたからね〜!!ウチらどーしよーって。」
「ごめんね。メーワクかけて」
「謝らなくていいよ、でも仲直りはしてきてね!」
「うん、勿論だよ」
ビビビビビビビビーーー
耳を酷く突き刺すような甲高い音がなる、それはヒーローとしての仕事が出来てしまったことを意味する、がなっているのは己の通信機器ではなく目の前のウェンの通信機器だった。
「ええ〜!テツごめんっ、行かなきゃ。」
「いやいや全然!むしろこっちも付き合ってくれてありがとう、あとお茶も。」
「もちろーん!友達だからね!あ、お金渡すから代わりにお会計頼んでいい?ほんとにごめんね!!!」
「わかった!!任せて、ウェンくん頑張ってね」
「うん!ありがとう!それじゃ行ってくるね。<赤城ウェン今から向かいます!>」
ウェンはすぐさま立ち上がるとすぐさま連絡しデバイスを起動する。瞬き一瞬でヒーローとしての赤城ウェンに成り代わる、いつ見ても東の技術には驚かされる。
「はぁ、またひとりになっちゃった。」
静かになった空間でひとりごちる。
喧嘩してしまった、普段ならそんなチンケな言い合いだってちょっとやそっとじゃここまでの事にはならないし最後には笑っていた。
普段ならマナくんが「2人ともお互いにごめんなさいせぇ!」って言ってくれるが今回はそんな事はしてくれなかった。
喧嘩の理由はただ自分が自分の限界やできる限度を考えずに瓦礫の下敷きになってしまった女の子の母親を助けようとしたが助けれなかった。
そんなヒーローをしてれば何度か似たような状況には陥るし、そこですぐに選択をしなければならない。それがどうにも自分には苦手だった
「前もそうだったな。」
前、というのはこの呪いにかかって何十回と繰り返した時からヒーローをしていたとき、言わばまだ駆け出しの新人ヒーローだった頃。似たような事が起きた、その時は結局選べず母子ともに….そんな悲劇的なことを目の前でそれも自分が招いてしまった、そんなヒーローと言えど新人だったあの頃の自分には重すぎる荷だったと思う。
「あの時は捨てられちゃったけど、今はそんな事にならないようにしなきゃ。」
選択すらまともにできないようなヤツはチームに居られると困る、とチームから外されしばらく華々しいようなヒーローではなくただ事務的作業のような簡単なことを任されていた。
「どう謝ろう……。」