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6 - 第5話

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2025年09月23日

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第5話


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rtwn(出てきません)


第4話の続き




夜が明けた。

カーテンの隙間からこぼれる柔らかな朝日が、薄暗い部屋をゆっくりと照らしていく。

シーツの皺に光が落ち、絡み合った影が浮かんでは消えていく。

イッテツはゆっくりと目を開け、深く息をついた。頭の奥にまだ霞のような重さが残っている。だが、それ以上に胸の奥を支配しているのは、温かな体温だった。

視線を落とすと、自分の腕の中に眠るマナの横顔があった。

長い睫毛が頬に影を落とし、わずかに開いた唇からは規則正しい寝息がこぼれる。昨夜、涙と熱に濡れていた顔とは打って変わって、今はどこか幼さすら感じさせる穏やかな寝顔だ。

イッテツは胸が締めつけられるのを感じながら、その髪をそっと撫でた。

(……ほんとに、こうして抱きしめてるんだ、俺は)

現実味がなくて、夢を見ているようだった。

けれど、肩に感じる重みも、背中に回された腕のぬくもりも、紛れもなく本物だった。

マナが小さく身じろぎをし、やがてゆっくりと目を開けた。まだ眠たげに潤んだ瞳が、ぼんやりとイッテツを映す。

「……おはよ、テツ」

かすれた声が、耳に心地よく響いた。

イッテツは思わず微笑む。

「よく眠れた?」

マナは一瞬ためらうように目を伏せ、やがて小さく笑った。

「うん。……なぁ、テツ」

そこで言葉を切ると、マナは呼吸を整えるように一度目を閉じた。

「昨夜のことは、忘れていいよ」

その言葉を聞いた瞬間、イッテツの胸の奥で何かがはっきりと反発した。

即座に彼は体を起こし、マナを真っ直ぐに見つめて遮った。

「忘れるなんてできない」

低く、けれど揺るぎのない声。

マナの瞳が大きく見開かれる。

「俺にとっては、大事なことだった。……マナくんと過ごした夜を、なかったことになんてできないよ」

「……テツ」

「だから、忘れるなんて言わないで」

イッテツの瞳は真剣だった。後悔の影も迷いもなく、ただ目の前の相手を強く捉えている。

マナはその視線に射抜かれ、息を飲んだ。

そして、ふっと力が抜けるように笑い、涙を滲ませながら顔を隠した。

「……ほんま、ずるいわ」

「ずるくてもいい。俺は、マナくんが欲しいんだ」

「そんなん言われたら……もう逃げられへん」

マナは震える声でそう呟き、ゆっくりとイッテツの胸に身を預けた。イッテツはためらいなくその背中を抱き締める。腕の中にあるぬくもりが、これからの答えを示していた。


それからの日々、二人は表向きには変わらないように見えた。

「わあああああああああ!!!」とイッテツがリアクションし、「テツ、ビビりすぎ笑笑」とマナが笑う。画面越しの視聴者には、何ひとつ違わない日常が映っていた。

けれど裏側では、確かに変化があった。

ふとした瞬間に視線が交わると、昨夜の記憶が鮮やかに蘇る。

マナが少し頬を赤らめ、慌てて視線を逸らす。その仕草にイッテツの胸も高鳴り、何気ない笑みで誤魔化すしかない。


配信が終われば、そこは二人だけの世界になる。

マナは当たり前のようにイッテツの隣に座り、少し肩を預ける。

「……なぁ、もうちょっとだけ、このまま」

小さな声で囁かれるたび、イッテツは黙ってその肩を抱き寄せた。守るように、抱き締めるように。

マナは最初、遠慮がちに触れるだけだった。

だが次第に素直に甘えるようになり、イッテツの胸に顔を埋めて「安心する」と呟く。

その言葉に、イッテツの心は温かさで満ちていった。

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