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愛 し き 我 が 子 .
選択肢はいつも目の前に来る
例えば朝何を食べたいか
それすらも選択肢で
人生は選択肢しかない
悲しいことも
楽しいことも
zm「俺ッ…はッ…!…」
tm「荊棘ッ!いきなりそんなことを言うのはッ!」
荊棘「いつかは選ばねばならぬッ!」
tm「ッ!!」
荊棘「時間は過ぎていくッ…人間の寿命など知れておろうッ!」
zm「かあちゃんッ…俺ッ…」
荊棘「………」
荊棘「……希霧…選択肢に間違いも正解もない」
荊棘「良い方向に向くかなんてわからんもんじゃ…」
荊棘「あくまで選択肢とは、道を選ぶだけじゃニコ」
zm「でもッ!」
荊棘「恐れていい、逃げていい…スッ…」
荊棘「でも忘れるな…」
優しい人で
怒ったら怖くて
本当はお人好しなかあちゃん
zm「ッ!!」
真っ直ぐと見るその瞳は
いつかの雪の日を思い出す
竹林が暴風で揺れる
そんな日に
赤い瞳が俺を見た日
zm「俺はッ…!」
zm「俺は鬼になるッ!」
tm「希霧君ッ?!本当にいいのッ!」
tm「人間にはッ…二度と戻れなくなるかもしれないんだよッ?!」
zm「それでもッ!」
zm「俺はッ!」
荊棘「………ツー…」
荊棘「……ポタポタッ…」
zm「泣かんでぇやッ!wポタポタッ…」
zm「俺ッ…俺かあちゃんに笑ってて欲しいんやッ!w」
例え地獄に母ちゃんが落ちても
神さんに連れてかれても
俺は母ちゃんが笑っててくれるなら
それでええんや…
mb「着付けは苦しくないかい?希霧坊」
zm「俺もう坊の歳でもないわ!」
mb「はっはっはっ!w」
mb「お前なんざまだ赤子だよ…チリン…」
mb「待ってたよ!君が鬼の仲間入りか~!」
mb「性格だけだったら鬼より鬼だけどなw」
zm「ええて…w」
mb「角は何色になるかねぇ…緑とかか?」
zm「…かあちゃんと同じ色がええな…w」
mb「お!赤色か!いいねぇ!」
mb「朋也さんも荊棘様も赤色だしなw」
zm「角の色って人によってちゃうんか?」
mb「ん~…まあそうだな、だが…」
mb「酒呑童子とその血を与えられた者は赤色が殆どだ」
mb「鬼では高貴な色と言われている」
mb「まあ、お前も赤色だろうな…w」
mb「準備が整い次第、山頂の社に行くとの事です」
mb「はいはい、もうすぐ終わるよ~」
mb「心の準備をしっかりしとくんだよ、希霧…」
zm「……ギュッ…」
チリン…
チリン…チリン…
音数が増えていく鈴の音
険しい山道を通るのは
煩悩を減らすためらしい
鬼のみんなは
あまり着飾らず
角に1つの鈴をぶら下げている
そんな中
俺だけが豪華に着飾って化粧までもしている
zm「…チリン…チリン……」
まるで女にでもなった気分だった
気味が悪いのにどこか美しい
そんな山道を重い着物を着ながら登る
mb「ただいま到着致しました、酒呑童子様」
zm「……」
気づけば大きな社に着いていた
提灯が数え切れないほど置かれている
まるで何かを守るかのように
荊棘「良かろう、その者ののみ入る許可を授ける」
mb「はっ!」
mb「さぁ、社の中に…あの人が待っておられるわ…」
zm「…おん…カランコロン…」
zm「スッ…」
zm「!!」
そこは現世なのかと思った
酷く美しい鬼の女帝
そしてそれこそが本来の母の姿
荊棘「チリン…」
荊棘「良くぞ来たな、愚かな赤子よ…w」
zm「かあ…ちゃん…ボソッ…」
母ちゃんの背は大きいと思っていた
でもなんだか今は更に大きく感じる
tm「それでは!これより血縄の儀式を行う」
tm「酒呑童子様、あの者を人で無くすことへ異論はありませぬか?」
荊棘「あぁ、」
tm「人間の子、お前も彼女に尽くすか?」
zm「…はいッ!」
荊棘「コトッ…」
真っ赤な盃には
少量の酒が少し入っていた
そこに手から赤い雫が入っていく
波紋を広げていずれ止む
荊棘「お前はこれから妾の一族となることを誓うか?」
zm「…俺は…貴方の子になりたいですッ…」
荊棘「フフッw」
荊棘「よろしい、では飲み干せ…スッ…」
zm「…ッ…スッ…」
決めたのはわかっていた
決意というものもできていたのに
いざとなってたら手が震える
どうしてなんだろう
母ちゃんの子になりたいと思ってるのに
zm「はッ…はッ…ガタカタッ…」
荊棘「希霧…?どうしたんじゃ、顔色悪いぞ((((((」
ドォンッ!!
tm「なんだッ?!」
mb「てッ、敵襲ですッ!」
mb「人間共が社の周りを包囲していますッ!」
tm「他の者はッ!」
mb「外にいた者は全員交戦中ですッ!」
荊棘「……」
zm「なッ、なんの音ッ…?」
荊棘「……安心せよニコ」
荊棘「愚かな人間共が妾達に余興を見せてくれるそうじゃ…」
mb「鬼の長ッ!我々は今日争い事をしに来たのではないッ!」
mb「そこにいる人間の保護をしに来たのだッ!」
mb「その者の解放をこちらは望むッ!」
tm「……どこから情報がッ…!」
荊棘「クックックッ…w」
荊棘「あっはっはははッ!w」
荊棘「妾から…」
荊棘「この愚か者ッ!ドゴンッ!」
荊棘「痴れ者ッ!ドォンッ!」
荊棘「妾達の前から消えよッ!」
mb「希霧ッ!お前は今のうちに社の裏口から赤賀実さんと逃げなッ!」
zm「せやけどッ!(((」
mb「大丈夫ッ!」
mb「人間なんざすぐに焼き払っちまうさッ!w」
tm「希霧くんッ!」
zm「ッ気をつけてなッ!!ダッ!」
mb「まったくッ…w鬼にするにゃもったいなさすぎる優しさだなッw」
荊棘「………」
本当の姿など
すいません…サボってました…(土下座)
「 異 物 な 存 在 .」
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