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ゆの
156
来
344
ライブ開始まで、あと10分。
スタッフ「そろそろ準備お願いします!」
らん「よし、行くぞ!」
みこと「今日も頑張ろー!」
すち「いるまちゃん?」
「……うん」
返事はした。
でも、いるまにはその声がほとんど聞こえていなかった。
右耳だけじゃない。
さっきよりも、周りの音がぼやけている。
「……まずい」
小さく呟いて、耳を押さえる。
すると――
らん「いるま?」
突然、目の前にらんが立っていた。
「……え?」
らん「どうした?」
「……なんでもない」
らん「ほんとに?」
「大丈夫」
また、その言葉。
大丈夫。
大丈夫。
そう言い聞かせるように、いるまはイヤモニをつけた。
スタッフ「音、聞こえますか?」
「……はい」
本当は、ほとんど聞こえない。
それでも――
「大丈夫です」
ステージの照明が、一気に明るくなる。
観客の歓声。
メンバーの声。
そして――
カウントが始まった。
コメント
3件
うわ、この「大丈夫」の繰り返し、胸に刺さりますね……。ライブ直前の高揚感と、いるまの耳の不調が重なって、画面越しにも息苦しさが伝わってきました。メンバーが気づいて声をかけているのに「なんでもない」と返すところ、読んでいて「気づいてあげてくれ」と祈るような気持ちになりました。耳の異変がどこまで深刻なのか、今後の展開がすごく気になります。