僕は信じられなかった。『あの』、綾瀬さんだ。いじめられるなんて想像もしていなかった。僕は怖くなった…人間の裏を知ったような気分になった。だから僕は人を信じようなんて思わなかったんだ。結局みんな表面だけ綾瀬さんと仲良くしてたんだ…こんな人間のどこを信じられるという?でも、僕も人間なんだ。僕みたいな弱い人間は人に頼らないと生きていけない。それが分かっているから僕が味方をするのは…
「綾瀬さん。大丈夫?」
「た…高橋くん…」
僕はたとえクラスの人全員を相手にすることになっても、やっぱり綾瀬さんの味方をする。なんでか?そんなの簡単だ。綾瀬さんから聞こえた泣きたくなるような切ない音のせい…切ない「またか…」という声のせい…僕は今まであんなに悲痛な声は聞こえたことがない…あんなに悲しく、優しい声…僕は忘れられない。だから、僕は君の味方になるんだ。
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