「ないちゃーん?」
「んぉ、どしたんしょうちゃん。」
撮影の合間、エゴサをしているないちゃんに声をかける。
「Rap出来たんやけど、歌詞分けやってほしくて」
「いいよいいよ!見せて〜」
顔を輝かせながらリリックを打ち込んだスマホ画面を覗き込むないちゃん。
左右に動いていく瞳を見つめながら、ドキドキしながらないちゃんが読み終わるのを待つ。
もう3年経つけど、Rapを誰かに見せるのはいつまで経っても緊張する。
「今回もいいね!流石しょうちゃん!」
にっ、と笑うないちゃん。それだけで心拍数が上がる。
それと同時に、やっぱ好きだなぁ、と感じた。
3年経っても変わらない、この想い。
僕は、ないちゃんが、ないちゃんの笑顔が大好きだ。
ないちゃんの笑顔に何度も救われて、気付けばその笑顔が全部僕に向いてくれたら、なんて考えてしまうようになったのだ。
愛おしそうにないちゃんを見つめていると、不思議そうに微笑んだないちゃん。
「俺なんか顔に付いてる?w」
「あぁ、いや。なんでもないで、w」
「そう?wしょうちゃんはRap、誰と歌う想定?」
「あー……、ないちゃんとかなぁ……」
「え、俺!?w意外だねw」
そう言って、また笑うないちゃん。
Rapパートという、僕が自由にできるとこ。
自由にできるなら、やっぱ想い人と掛け合いをしたいと思うし、普通にないちゃんの表現力が欲しかった。
ふと、ないちゃんと出会ってなかったら。と考えることがある。
大好きなこのグループに入ることも出来なかったし、ここまで好きにRapはできなかったかも知れない。
あの頃、内定を蹴っていれいすを選んだこと。ないちゃんを信じてここまで着いてきたこと。後悔なんて微塵もしてない。
ないちゃんには、たくさん感謝してる。
だから、今度は僕がそれを返す番。
「じゃあ、このリリック俺としょうちゃんで分けるね。」
「ん、お願いします!」
「はい、w」
「あ、ないちゃん、いっこだけ聞いてくれん?」
「ん?何?」
僕が話し掛け、かわいらしく首を傾げたないちゃん。
「僕な、ないちゃんのこと、」
3年間の想いを込めて、
「好きやねん。」
コメント
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3年間の想い、めっちゃくちゃエモい…最高